AIの文章が「なんか違う」を卒業する。社内ルールとトーンを同期させる「オンボーディング」術【生成AI部下と上司の仕事日誌】Day9
「……この稟議文、誰が書いた?」
「内容は悪くないんだけどさ……
うちの文章じゃないんだよね、これ。」
――稟議は通った。
でも、「社内っぽくない」という一言で、
そのままテンプレフォルダ行きになった。
今回は、生成AIが出力した文章が、社内ルールと違っていることや、いまいち求めていたことに合わないなどの対処法について、書いています。
この連載では、
🤖 生成AI部下(アグボくん)がやらかす
❄ 空気が凍る
という“現場あるある”をもとに、
・なぜズレたのか
・どこが設計ミスだったのか
を、実務目線で整理していきます。
この連載は、実際に寄せられた相談の中から
「これは多い」と感じたテーマを取り上げています。
ひとりの失敗談ではなく、
現場のあるあるとして読んでもらえたら嬉しいです。
※このシリーズのまとめはコチラ!
1️⃣ トーン・敬語レベルがズレる問題
🔍 起きていること
生成AIに文章を作らせると、
丁寧すぎる
逆にフランクすぎる
相手の役職に合わない敬語レベル
になりがちです。
理由は単純で、
AIは「誰に向けた文章か」を具体的に知らないからです。
たとえば:
❌「ご高配を賜りたく存じます」
→ 課長宛には重すぎる
❌「ご確認お願いします!」
→ 稟議には軽すぎる
「うち、そんなにかしこまらないよね」
「逆にカジュアルすぎない?」
そんな“トーン違い”が積み重なって、
「社内っぽくない」の一言になります。
🧯
「トーン違い」のまま出してしまい、
「これ、誰に向けて書いたの?」
と差し戻されたこと、ありませんか。
✅ 解決策(正確なやり方)
① 相手の立場を必ず明示する
📌 プロンプト例:
この文章は「部内の課長向け」の報告メールです。
社内向けで、過度にかしこまらないトーンにしてください。
② 正解サンプルを1つ与える
うちの部署では、普段このような書き方をします:
「本件について、以下の通りご報告いたします。」
これを渡すだけで、
AIは「敬語レベルの基準」を掴めます。
2️⃣ よく使う定型句・言い回しが出てこない問題
🔍 起きていること
AIが出してくる文章は、
教科書的
一般的
どこの会社でも通じそう
という特徴があります。
その結果、
「本件につきましてご検討ください」
「ご対応のほどよろしくお願いいたします」
など、
自社では使わない言い回しになります。
その結果、
「これ、どこの会社の文章?」
とツッコまれる文になります。
✅ 解決策
① 社内の“いつもの言い回し”を集める
例えば:
「本件、ご承認賜りたく存じます」
「以下の通りご報告いたします」
「対応方針としては次の通りです」
② AIに“辞書”として渡す
📌 プロンプト例:
以下は当部署でよく使う表現です。
今回の文章は、これらの言い回しを優先的に使ってください。
・以下の通りご報告いたします
・対応方針は次の通りです
これは、
📝「社内日本語の変換ルール」を教えているのと同じです。
3️⃣ 社内ルール・フォーマットから外れる問題
🔍 起きていること
AIは文章は作れますが、
件名の付け方
結論の位置
項目の並び順
といった
社内ルールは知りません。
結果、
結論が最後に出てくる
稟議なのに「ご検討ください」で終わる
フォーマット違反になる
という事態が起きます。
✅ 解決策
① フォーマットをそのまま渡す
以下のフォーマットで作成してください。
【件名】
【結論】
【背景】
【対応案】
② 文書の“目的”を明示する
これは「決裁依頼文」です。
最後は「ご承認をお願いいたします」で終えてください。
「何の文書か」を言わないと、
AIは“説明文”として書いてしまいます。
4️⃣ AIっぽさがにじみ出てバレる問題
🔍 起きていること
回りくどい
同じ意味の言葉を繰り返す
きれいすぎる
結果、
「AIで書いたでしょ?」と分かる文章になります。
例えば、
「まず初めに、最初にお伝えしたいポイントとしては…」
「結論から申し上げますと、結論といたしましては…」
など、
同じ意味の前置きを重ねがちです。
✅ 解決策
① 文を短くする指示を入れる
1文は40文字以内を目安にしてください。
② 自分の書いた1文を混ぜる
冒頭文は、次の文章をそのまま使ってください。
「本件について、現状をご報告します。」
人間の文を“混ぜる”ことで、
全体が人間側に寄ります。
5️⃣ まとめ
生成AIの文章が
「社内っぽくならない」のは、
文章力の問題ではありません。
会社ごとのルールを、
まだ教えていないだけです。
「見本を渡していない」。
ただ、それだけです。
一度でも
「これなら、うちで通った」
という文章を見せると、
2回目からの“社内っぽさ”は一気に変わります。
文章ではなく、
📌「社内の書き方ルール」を教える。
そうすると、
トーンが合う
定型句が出る
フォーマットも守る
ようになります。
🔜 次回予告
Day10:誤情報を会議で言って冷や汗をかいた日
AIで調べた情報を、
そのまま話したら……
「それ、古くない?」
と止められる。
✔ なぜAIは“それっぽい嘘”を言うのか
✔ どう見抜けばいいのか
✔ 私が作った確認ルール
を、整理します。
もしあなたも、
・文章は出るけど、しっくりこない
・毎回書き直している
・「社内っぽくない」と言われた
そんな経験があれば、
それは失敗ではありません。
「見本を渡していない」
ただ、それだけです。
✨ 「社内っぽさ」は、教えれば、ちゃんと覚えます。
「わかる……」と思ったら、
スキやコメントで教えてもらえると嬉しいです。
あなたの
「社内っぽくならなかった話」
ぜひ聞かせてください。
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