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「怒り」と「幸福」-2"「怒り」が健康に与える影響"

本記事は下記の続編です↓。

「怒り」は人間の基本的感情であるが、個人差は大きい。「怒り」のエネルギーは大変大きいだけに、自己の「怒り」の御し方次第で、日常の幸福感、ひいては一生の幸福度に大きな違いを生む。
「怒り」が幸福を生む場合もあるが、破滅的不幸をもたらす場合もある。ゆえに「怒り」の使い方には細心の注意が必要である。近年アンガー・マネジメントという言葉が一般的になり「6秒ルール」は実用的指針として広まっている。
自己および関わる周囲の人々を幸せにするアンガー・マネジメントについて数回に分けて述べる。本記事はその二回目で「怒りが健康に及ぼす影響」について述べる。

あなたは理性的なほうですか?
怒りっぽいですか?

「心身一如」という禅の教えがありますが、
心と身体は互いに影響し合い、
切り離して考えることはできないことは、
「怒り」も同様です。

「怒り」のストレスが身体に影響を与えたり、
病気が心に「怒り」の感情を生むように、
両者は密接に結びついています。

心身医学や心理療法でも、
身体症状と精神状態の相互作用を重視します。

本記事では、
「怒り」が心身の健康に、
具体的にどんな影響を及ぼすかを述べます。

「怒り」の健康効果

結論として「怒り」は健康に悪い
ことが多いのです。しかし、

怒ることが、あなたを取り巻く状況を好転させ、
あなたの心身の健康、
Well-beingを改善する場合もあります。

正当な行為としての「怒り」です。
それは二つに大別されます。

■ミクロ的「怒り」
・暴力行為への威嚇
・理不尽な行為への抗議

■マクロ的「怒り」
・社会変革活動
・政治的示威行動

これらの行動に必ずしも
「怒り」の感情は必要ではありませんが、

行動を起こすには逡巡の打破、
踏み出す勇気が必要であり、
理性的判断だけでは現実的に
行動ができないこともあります。

例えば長期間のハラスメントを受けているのに
我慢を続けてしまうなど。

怒りで一歩踏み出し抗議しないと、
身体的危害やメンタルヘルスを損ないます。

このような状況を打破するには
「怒り」の大きなエネルギーが
原動力になるでしょう。

「怒り」の健康への悪影響

怒りは人間の基本的な感情ですが、
慢性化したり頻発したりすると、
健康に深刻な悪影響を及ぼします。

科学的な研究では、怒りが
心血管系や免疫系に生理的ダメージを与え、
精神的にはうつや認知機能低下
を引き起こすことが示されています。

怒りの身体的悪影響

怒りは交感神経系を活性化し、
ストレスホルモンを放出します。

これにより、心拍数や血圧が上昇し、
長期的に心臓病や糖尿病などの
リスクが増大するようです。

心血管系の影響

怒りは血圧上昇を引き起こし、
心臓発作や脳卒中のリスクを高めます。

実は私、高血圧でして、それが
脳梗塞の原因ともなりました。

私は、衝動的に「怒り」を爆発させることはなく、
普段、理性的で温厚な印象のようですが、

実は内心、カチンと来ることが多く、
怒りを抑圧していることが多いなと感じます。

それが血圧にも影響しているのではと推察。

慢性怒りは血圧を上昇させ、
動脈硬化を促進します。

【研究例】
例えば、Chida et al. (2009)の研究では、
怒りと敵意が
冠動脈心疾患(CHD)の発症と関連し、

特に男性で強い影響
が見られたとのことです(注1*)。

さらに、Shimbo et al. (2024)の研究では、
怒りの誘発が血管内皮機能を損ない、
心血管のリスクを高めることが
実験的に確認されました(注2*)。

Angerer et al. (2000)の研究では、
社会的支援が低く外向的な怒り表現を持つ
CHD患者で疾患進行リスクが増加(注3*)。

免疫系と内分泌系の影響

怒りはコルチゾールの放出を増加させ、
免疫機能を低下させるとのことです。

怒りは免疫抑制を引き起こし、
感染症(風邪、インフルエンザ)や
皮膚疾患の悪化を招きます。

これは私、あるなー。
10数年前、あることで激怒したら、
瞬間、背中一面に蕁麻疹が出ました。
免疫の異常でしょう。

治るのに二週間かかった🤢

糖尿病リスクも上昇します。

Yadav et al. (2017)は、怒りが血糖値を上昇させ、
甲状腺機能低下や骨密度減少を引き起こすと
指摘しています。

その他の身体的影響

運転中の怒りは事故リスクを高めます。
研究では、怒りが集中力低下と制御喪失を
引き起こすことが示されました。

慢性痛の場合、怒りは痛みを悪化させます。

【研究例】
Yadav et al. (2017),怒りは免疫抑制を引き起こし、感染症(風邪、インフルエンザ)や皮膚疾患の悪化を招く(注4*)
Golden et al. (2006)の追跡調査(11,615人、6年)では、高い怒り気質スコアの人が糖尿病発症リスクが34%増加しました(注5*)。
Yadav et al. (2017)は、怒りが血糖値を上昇させ、甲状腺機能低下や骨密度減少を引き起こすと指摘しています。
Sullman et al. (2007)の研究では、怒りが集中力低下と制御喪失を引き起こすことが示されました。(Staicu & Cuţov, 2010, p. 374, Ref [12])。

怒りの精神的悪影響

怒りは脳の扁桃体や前頭葉に影響し、
認知機能や感情調整を乱します。
これにより、不安やうつが増大します。

認知機能の低下

怒りは判断力と記憶を損ないます。

不安・うつ・ストレス障害

抑圧された怒りはうつを引き起こします。

人間関係と全体的な精神衛生

怒りは人間関係を損ない、孤立を招きます。

Norlander and Eckhardt (2005)によると、
怒りがアルコール乱用や自殺リスクを高めます。

怒りの抑圧はストレスと不安を増大させます。
怒りの抑制が前頭前野の活性化を変化させ、
精神的健康を悪化させます。

性差もあり、女性でうつ症状が強いようです。

【研究例】
Blair (2012)、怒りは認知制御の神経機構を乱します(注6*)。
Eckhardt & Cohen (1997)の感情ストループ課題では、高い怒り刺激から注意を逸らしにくいことが示されました(注7*)。
Suh et al. (2021)によると、Hwabyung(怒り症候群)患者で抑圧怒りがうつ(CES-Dスコア31.98)と関連します(注8*)。
Barrett et al. (2013)のオーストラリア研究(8,841人)では、怒りが大きいと、うつ病や不安障害と独立に関連します(注9*)。
PTSDや統合失調症で衝動的攻撃性が高く、扁桃体機能異常が関与します。 (p. 7, Ref: Arseneault et al. 2000)。
怒りの抑制が前頭前野の活性化を変化させ、精神的健康を悪化(注10*)。

おわりに

「怒り」は、うまく活用することで
健康を改善する場合もありますが、

身体的に心血管疾患や免疫低下を引き起こし、
精神的にうつや認知障害を招き、
健康に悪影響を及ぼすことが多いようです。

次回以降の記事では
健康の改善で「幸福」にもつながるような
アンガー・マネジメントについて考えていきます。

最後まで記事をお読みいただき
ご覧いただき、
誠にありがとうございました。
今後も幸福に関連する記事
を投稿してまいりますので、
好き・コメント・フォローなど
いただけますとありがたいです。

イーハピネス株式会社 代表取締役 松島紀三男プロフィール

(注1*)Staicu & Cuţov, 2010, Anger and health risk behaviors, PMC, p. 372, Ref [1]: Chida Y, Steptoe A. J Am Coll Cardiol. 2009;53:936–946.
(注2*)Translational Research of the Acute Effects of Negative Emotions on Vascular Endothelial Health, AHA Journals, 2024, DOI:10.1161/JAHA.123.032698, overall paper.
(注3*)Anger and Physical and Psychological Health. A Narrative Review, 2024, p. 126, Ref: Angerer et al. 2000.
(注4*)Yadav et al. (2017),ANGER; ITS IMPACT ON HUMAN BODY, ResearchGate, 2018, p. 4.
(注5*)Staicu & Cuţov, 2010, p. 373, Ref [5]: Psychoneuroendocrinology. 2006;31(3):325–332.
(注*6)The Neuropsychological Consequences of Anger Suppression, AJMCRR, 2025, Abstract, Ref: Blair, R. J. R. 2012, WIREs Cognitive Science, 3(1):65–74.
(注7*)A systematic review of neural, cognitive, and clinical studies of anger and aggression, PMC, 2022, p. 6, Ref: Eckhardt & Cohen 1997.
(注8*)How Suppressed Anger Can Become an Illness, Frontiers, 2021, Discussion section, Stress and Hwabyung subsection.
(注9*)Anger and Physical and Psychological Health, 2024, p. 131, Ref: Barrett, Mills, and Teesson 2013.
(注10*)Abstract, Ref: Achterberg et al. 2016, Social Cognitive and Affective Neuroscience, 11(5):712–720.


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イーハピネス(株) 代表取締役 松島紀三男 ご支援ありがとうございます。くださったチップは、調査等に使わせていただきます。