「怒り」と「幸福」-1"反射的怒りは不幸への道"
「怒り」は人間の基本的感情のひとつであるが、怒りの対象、感じ方、頻度、発現に個人差は大きい。「怒り」のエネルギーは大変大きいだけに、自己の「怒り」の御し方次第で、日常の幸福感、ひいては一生の幸福度に大きな違いを生む。
「幸福」を生む「怒り」もあるが、破滅的「不幸」に陥る「怒り」もある。ゆえに「怒り」の使い方には細心の注意が必要である。
近年アンガー・マネジメントという言葉が一般的になり「6秒ルール」等は実用的指針として広まっている。
この記事では、自己および関わる周囲の人々を幸せにするアンガー・マネジメントについて数回に分けて述べる。
最初である本記事では「怒り」の発生時の緊急対応法を示す。
幸福を生む「怒り」、不幸に陥る「怒り」
「怒り」は、どちらかと言うと
ネガティブなニュアンスで語られる
場合が多いのですが、
幸福を生む「怒り」となることもありますし、
不幸に陥る「怒り」もあります。
「怒り」を分析し、よく理解することで、
「怒り」と上手に付き合い、
適切にコントロールし、
うまく活用することさえ可能です。
アンガー・マネジメントで
不幸に陥る「怒り」を制御し、
幸福を生む「怒り」の活用に転化しましょう。
反射的「怒り」の爆発は不幸への道~まずは衝動的「怒り」を抑える
ほとんどの場合、たとえ正当性があることでも、
脊髄反射的、衝動的に「怒り」を爆発させることは
「不幸」への転落まっしぐらと肝に銘じましょう。
「怒り」の原因への対応を考えるのは、
まずは冷静さを取り戻してからのことです。
アンガーマネジメントの第一歩は、
反射的、衝動的「怒り」によって、
不幸な事態を招き寄せないことです。
怒りは一瞬でのことでも、
その影響は一瞬ではなく、
場合によっては、一生に及びます。
「怒りは一瞬、後悔は一生」
なのです。
【一瞬の怒りの爆発が一生の後悔につながった例】(実話)
①夫婦で車に乗っている時、口げんかとなり、激高した夫がアクセルを一杯に踏み込み前の車に追突、自車は全損、前の車の家族に怪我を負わせた。これ以前にも夫婦喧嘩で壁を蹴破り、足を骨折するオウンゴールをやってしまい、度々の衝動的「怒り」が離婚の遠因に。
②経営者が宴会で酔った勢いで、部下に1時間に渡って暴言を吐き、苦労して採用し、将来の幹部候補と期待していた人材に辞められてしまった。
③ある管理職が義憤にかられ上司と口論、その場で退職を宣言し、再就職のアテもないまま退職したが、折からの不況と年齢のハンディが重なり、賃金が三分の一の非正規の仕事に就かざるを得ない結果に。
以上は、全て私の知人の例ですが、
こんな例は枚挙にいとまがないですよね。
特に最近、気をつけないといけないのは
SNS等、ネットでの発信ですね。
一度発信してしまうと
取り返しがつきませんから。
「怒った手紙は一晩寝かせよ」という格言
がありますが、
「怒ったSNSでの発信は一晩寝かせる」
ほうがいいでしょう。
「6秒ルール」で、まずは衝動的「怒り」の感情爆発を抑える
理由はともあれ、場所、状況をわきまえず、
衝動的に怒りの感情を爆発させるのは禁物です。
まずは、反射的怒りの衝動を
コントロールする必要があります。
イラッとした時、
けっして反射的に言い返す、し返す
などしてはいけません。
怒りの感情に支配された状態で、
とっさに何かをしても良いことはありません。
「6秒ルール」という言葉を日本で広めた、
アンガーマネジメントの専門家、
安藤氏は次のように述べています。
怒りを感じたら、とにかく6秒待つ。6秒あれば前頭葉が働き、怒りの感情に理性的に対処しようとする。まずはどんなに怒りの感情が湧いても、とりあえず6秒は待つ。
「6秒ルール」のオリジナルは、
1990年代の感情知能(Emotional Intelligence)
研究に遡り、
神経科学者Candace Pertが提唱した
感情の神経化学反応が基盤となっています。
Pertの研究によると、
****************
感情を引き起こす神経ホルモン(ペプチド鎖)は、
放出されてから4〜7秒で分解・吸収され、
ピークを過ぎるため、この短い時間を
「待つ」ことで衝動をコントロールできる
****************
という科学的根拠があるとのことです。
これがアンガー・マネジメントの文脈で発展し、
Daniel Golemanの
『Emotional Intelligence』(1995)
で紹介された「アミグダラハイジャック」
(扁桃体の過剰反応)の対処法として、
化学物質が6秒で消散するという
「6秒ルール」が普及しました。
1997年に設立された
感情知能ネットワーク「Six Seconds」の名称も、
このPertの洞察から由来しており、
怒りを含む感情反応の管理ツールとして
世界的に広まりました。
「怒り」は裸の肉体、理性という衣を着せよう
怒りという情動は、
人間にとって肉体のようなものです。
誰もが肉体を持っていますが、
それをむき出しにすることは非常識であり、
犯罪ですらあります。
怒りをむき出しに生きるのは、
裸で暮らすようなもので、
それでは社会的生活は成り立ちません。
自分の「怒り」を
適切にマネジメントできれば、
「理性」という衣服で装い、
「怒り」はむき出しでなく、
自らを支える肉体の一部となるでしょう。
関連記事↓
最後まで記事をお読みいただき
ご覧いただき、
誠にありがとうございました。
今後も幸福に関連する記事
を投稿してまいりますので、
好き・コメント・フォローなど
いただけますとありがたいです。
イーハピネス株式会社 代表取締役 松島紀三男*プロフィール*
(注1*)Candace B. Pert『Molecules of Emotion』(1997),Scribner,p368(注2*)Daniel Goleman『Emotional Intelligence』(1995),Bantam Books,第2章「Anatomy of an Emotional Hijacking」pp.13-30
いいなと思ったら応援しよう!
ご支援ありがとうございます。くださったチップは、調査等に使わせていただきます。