【HRコラム02】研修で終わらせないハラスメント対策|仕組みで育む心理的安全性
こんにちは!EDIIT Inc. COOの今岡です。
前回の記事では、ハラスメントが生まれる心理的・構造的な背景をご紹介しました。
では、こうしたハラスメントを、どうすれば組織として防ぎ、制度を定着させられるのか?
本記事では、制度設計・現場の仕掛け・継続改善の事例と共に対策について、いくつか具体的に、ご紹介します。

対策❶トップダウンとボトムアップを融合
▷ トップの“本気”を見せるメッセージ
ある小売業のC社では、社長自ら「ハラスメントゼロ宣言」を社内で発表。
同時に、各店舗に「自店舗で取り組みたいこと」を募集したところ、現場起点の改善提案が50件以上寄せられました。
社長の宣言で”優先課題”と位置付けたうえで、さらに現場の声をすくい上げる導線をつくることで、本社の画⼀的な研修だけでなく、各店舗の特性に合わせた独⾃の取り組みが ⽣まれ、より実効性の⾼い対策となりました。
▷ 現場のモヤっと・ひやっとを拾う仕組み
また、各部署に「ハラスメント対応リーダー」を設け、月1回の振り返り会で「モヤっとした場面」「ひやっとした発言」を匿名で共有。
人事部が傾向を分析し、社内報で紹介するというサイクルを回しています。
トップが方針を示し、現場が提案する。
このように、両輪で“空気を変える”ことが重要です。
対策❷“感情”ではなく“事実”で対話する仕組み作り
ハラスメントの相談や対応時に重要なのが、感情的な主観ではなく客観的な出来事の整理です。
その際に活用されるのが「STAR法」です。

この形式で記録・報告することで、誰が見ても判断ができる形になり、相談者と対応者の主観のズレを防ぎ、冷静な対応が可能になります。
対策❸ハラスメントを予防する
▷ 1on1ミーティングの活用
IT企業のA社では、⽉に2回、上司と部下の1on1ミーティングを必須としています。
この時間では、業務の進捗報告だけでなく、
「最近困っていることはないか」
「チーム内で気になることはないか」
といった、より個⼈的な話題も取り上げます。
例えば、
「同僚の⼝調がきつく感じる」という相談についても個別に話し合い、
「指導のつもりでも、⾔い⽅を気をつけよう」と合意し、⼤きなトラブルに発展する前に問題を解決できました。
▷ 会議に“心理的安全性”を高めるスイッチを導入
同じくA社では、会議で以下のようなルールを設けています。
会議冒頭で「今日は率直に話しましょう」と明言
発言後に「ありがとう、それ興味深いね」と返すことを習慣に
チャットでの意見表明もOKとする
こうした“発言のハードルを下げる設計”が、組織の沈黙や忖度を減らし、ハラスメントの芽を摘むことにつながります。
対策❹ハラスメント防止委員会と“継続改善”のPDCAサイクル
金融企業D社では、四半期ごとにハラスメント防止委員会を開き、以下のプロセスを回しています。

ハラスメント防⽌は「⼀度研修を受けたら終わり」ではありません。
社会の価値観は常に変化しており、昨⽇まで問題なかった⾏動が今⽇は問題となることもあります。
そのため、継続的な学習と改善のサイクルを回すことが重要です。
D社では、この制度により、3年で相談件数は70%減少、従業員満足度も大幅に向上しています。
▪️ハラスメント対策は「人への投資」
ここまで、ハラスメントの対策について、具体的な対策をいくつかご紹介してきました。
Googleが実施した「Project Aristotle」の組織心理学の研究によると、心理的安全性が高い職場では、以下のような結果が出ています。
業績が平均19%向上
離職率が最大47%低下
つまり、ハラスメント対策はリスク対応であると同時に、組織の競争力を高めるための「人への投資」でもあるのです。
▪️明日からできる!良質なコミュニケーションとは
ハラスメント対策は、「完璧を⽬指すもの」ではなく「より良い職場環境を作るための継続的な取り組み」です。
特別な対策を講じるということだけでなく、⽇常的なコミュニケーションの質を向上させることから始めることができます。
最後に、明日から取り組める良質なコミュニケーションの一例をご紹介します。
・「おはようございます」の後に「今⽇の調⼦はいかがですか?」と⼀⾔添える。
▶相⼿への関⼼を⽰すことができます。
・メールなどの返事には、必ず相⼿の名前を⼊れて「○○さん、ありがとうございます」と書く。
▶より⼈間的なコミュニケーションになります。
・ 会議では、発⾔の機会を均等に配分することを⼼がけ「○○さんはどう思いますか?」と意⾒を求めたり、「チャットでの質問も歓迎します」と伝えたりする。
▶内向的な⼈でも発⾔しやすくなります。
2回にわたってお届けしたハラスメントの構造と対策、いかがでしたか?
EDIITでは、ハラスメント防止に向けた制度設計・1on1運用設計・研修プログラム導入など、貴社の課題に合わせた最適なご提案も可能です。
ハラスメント防止について、もう少し詳しく知りたい方は、ぜひお問合せください。
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