見出し画像

卵を生で食べるのって日本だけ?世界と日本の生卵ルールを分かりやすく解説!

こんにちは!えひめITラボのせいけです。

みなさんは、普段から「卵かけご飯(TKG)」や「すき焼きの生卵ディップ」を食べていますか?

実は、世界的に見ると「生卵を日常的に食べる」という文化はかなり珍しいことなんです。海外の友人から「日本の生卵って、お腹を壊さないの?」と驚かれたことがある方もいるかもしれません。

今回は、なぜ日本で生卵が安全に食べられるのか、そしてアメリカやヨーロッパ、ほかのアジア諸国では卵がどう扱われているのか、その秘密を分かりやすく解き明かしていきます。

(今日の一言: そういえば卵かけご飯を久しく食べてません)


日本人はなぜ生卵を安全に食べられるの?

まずは、私たちの身近な日本の生卵文化について見ていきましょう。

昔は「薬」だった?生食が広まった歴史

江戸時代まで、卵はとても高価なもので、庶民にとっては滋養強壮のための「お薬」のような存在でした。

それが大きく変わったのが明治時代です。文明開化とともに牛肉を食べる習慣が広まり、「牛鍋」や「すき焼き」が登場しました。その際、熱いお肉を冷まし、味をまろやかにするために生卵につけて食べるスタイルが定着していったと言われています。

その後、昭和に入って養鶏が盛んになり卵の価格が下がると、手軽で栄養満点な「卵かけご飯」が家庭に一気に普及しました。「卵は生で食べるもの」という認識は、こうした歴史の中で作られていったのですね。

世界に誇る日本の「生食ルール」

日本で生卵を安心して食べられるのは、生産からお店に届くまでの間に、とても厳しい衛生管理が行われているからです。

・養鶏場での取り組み
卵を産む鶏たちがサルモネラ菌に感染しないよう、養鶏場に入る車両やスタッフの消毒、野鳥などの侵入を防ぐネットの設置、エサの管理などが徹底されています。

・GPセンター(選別包装施設)での大掃除
収穫された卵は、専門の施設に運ばれてピカピカにされます。ここでは、次亜塩素酸ナトリウムなどを使って卵の表面をキレイに洗浄・殺菌し、殻についた菌を取り除きます。さらに、機械や人の目でひび割れや内部の異常(血が混じっていないかなど)を厳しくチェックし、合格した卵だけが出荷されます。

・生食用の「賞味期限」と冷たいバトンリレー
日本の卵の賞味期限は、実は「生で食べられる期間」を基準に表示されています。また、産卵から家庭に届くまで一貫して冷たい状態で運ぶ「コールドチェーン(低温流通)」が守られているため、菌が増えにくい環境が維持されています。


アメリカとヨーロッパ、生卵への考え方が全然違う!

日本以外の国では、卵の扱い方がまったく異なります。大きく分けると「しっかり洗って冷やす」アメリカスタイルと、「あえて洗わずに常温で置く」ヨーロッパスタイルに分かれます。

アメリカ:徹底的に「洗って冷やす」ルール

アメリカでは、政府のルールによって「すべての卵を洗浄し、冷蔵で保存すること」が義務付けられています。

徹底的に卵の表面を洗うことで、汚れや菌を取り除くのがアメリカ流です。ただ、この洗浄によって、卵が本来持っている「クチクラ」という天然の保護膜まで洗い流されてしまいます。
保護膜を失った卵は外からの菌に弱くなってしまうため、生産から販売までずっと冷やし続ける必要があります。

ちなみに、アメリカの行政機関は、食中毒を防ぐために「卵は中心までしっかり加熱して食べること」を推奨しています。生食は基本的におすすめされていませんが、一部のスーパーでは低温殺菌された生食用の特別な卵も売られています。

ヨーロッパ:本来の力を生かす「洗わない」ルール

ヨーロッパの多くの国では、アメリカとは真逆で「卵を洗うことが禁止」されています。

これは、卵本来のバリア機能である「クチクラ」をそのまま残すためです。スーパーの棚でも卵は常温で並んでいることがよくあります。
その代わり、鶏にサルモネラワクチンを接種させる対策が広く行われています。

例えばイギリスでは、「ブリティッシュ・ライオン・マーク」という厳しい基準をクリアした認証卵があり、このマークがついた卵は、妊婦さんや小さな子どもでも生や半熟で食べることが政府から認められています。
ヨーロッパの伝統料理である「ティラミス」や「マヨネーズ」などにも、こうした新鮮な生卵が使われています。


アジアにもある!ユニークな生卵の食べ方

アジアの他の国々でも、それぞれ面白い生卵の文化があります。

韓国のユッケとビビンバ

韓国では、生の牛肉を使った料理「ユッケ」や、おなじみの「ビビンバ」のトッピングとして生の卵黄が使われます。お肉のトレーサビリティ(追跡確認)システムなどが導入され、鮮度管理に力が入れられています。

ベトナムの「エッグコーヒー」

ベトナムのハノイでは、卵黄と練乳をふわふわに泡立ててコーヒーにのせた「エッグコーヒー」が名物です。昔、牛乳が手に入りにくかった時代に、その代わりに卵を使ってコクを出したのが始まりだそうです。カスタードクリームのような濃厚な甘みがあります。

日本の生卵が海外へ

その他の東南アジア地域では、一般的にしっかり加熱して食べることが推奨されていますが、近年では日本の卵の安全性が高く評価されています。シンガポールなどへ日本産の卵が輸出され、現地でも卵かけご飯が食べられるようになってきています。


そもそもなぜ生卵で食中毒になるの?

卵で気をつけなければいけないのは「サルモネラ菌」という細菌です。この菌が卵に入るルートには、大きく分けて2つのパターンがあります。

1. 卵の中から感染するパターン(経卵感染)

鶏自身がサルモネラ菌に感染している場合、卵が体の中で作られる段階で、黄身や白身の中に菌が取り込まれてしまうことがあります。この場合、外側の殻がどれだけキレイでも、中に菌が存在することになります。

2. 殻の表面から感染するパターン(経殻感染)

卵が産まれるときに、鶏のフンなどが殻の表面について汚染されてしまうケースです。卵の殻には目に見えない小さな穴が開いていたり、目立たないひび割れがあったりするため、そこから時間が経つと中に菌が入り込んでしまうことがあります。

日本の養鶏場や工場では、これらの両方のルートをブロックするために、鶏の健康管理から卵の洗浄・殺菌までを徹底して行っているのです。


まとめ

日本の生卵文化は、長い歴史の中で育まれた食習慣と、関係者のみなさんの徹底した衛生管理の努力によって成り立っています。

アメリカの「しっかり洗って冷やす」対策も、ヨーロッパの「ワクチンを打って自然のバリアを残す」対策も、それぞれの国の気候や文化に合わせた工夫の形です。

もし海外に行く機会があれば、「その国の卵がどんな風に管理されているか」をスーパーで観察してみるのも面白いかもしれませんね。日本では当たり前に食べられる生卵ですが、その安全性の裏にある仕組みに、少しだけ感謝しながら美味しくいただきましょう!

関連記事