「ベネフィットを書けば売れる」は半分正しい。190社以上改善して見えた、もう一歩先の話
「ベネフィットを書け」
コピーライティングを少しでも学んだことがある人なら、必ず一度は聞いたことがあると思います。
機能ではなく、ベネフィットを。 スペックではなく、その先にあるお客様の未来を。
私もセミナーでそう教えていますし、書籍にもそう書きました。
これは間違いなく正しいです。
でも、190社以上のWebサイトを改善してきて、正直に思うことがあります。
「ベネフィットを書けば売れる」は、半分しか正しくない。
今日はその「残り半分」の話をします。
結論から言うと、ベネフィットは「書くこと」ではなく「合わせること」で初めて機能します。
順番に説明しますね。
正しい半分:ベネフィットは、たしかに売上を動かす
まず、正しい半分から。
ベネフィットを言葉にすると、数字は本当に動きます。
たとえばNetflixのボタンは「登録する」ではありません。

「¥0で30日間お試し」
ちなみに、以前にNetflixのLPを勝手に診断したんですが、その際のボタンは「今すぐ始める」でした。
ABテストしているのかもしれませんが、現在はまさしくベネフィットを言葉にしたボタンになっています。
クレジットカード「au PAYカード」のLPでは、「カンタン申し込み」というボタンに一言足しただけでABテストに勝ちました。
「最大10,000ポイントもらえる カンタン申し込み」
カード申し込みは時間も手間もかかる、面倒なもの。
「いま使ってるカードで別にいいか…」と思いかけている人を引き留めるには、押す理由=ベネフィットが必要だった、ということです。
海外の事例では、メルマガ登録ボタンの上に「行動すると手に入るもの」を箇条書きで置いただけで、サインアップ率が83.75%上昇したケースもあります。(ContentVerve)
ここまでは、教科書どおり。
「ベネフィットを書け」は正しい。
問題は、ここからです。
正しくない半分:ベネフィットを書いたのに、数字が下がる
190社の改善現場では、「ベネフィットをちゃんと書いたのに反応が悪い」というご相談が、実はとても多いんです。
原因を分解すると、だいたい次の3つのどれかに当てはまります。
落とし穴①:ベネフィットが「期待とのギャップ」を生んでいる
ある水処理会社のボタンのABテストです。
A「見積もりする」
B「金額を確認する」
一見、Bのほうが良さそうですよね。
「見積もり」より「金額を確認」のほうが軽いし、"すぐ分かる"というベネフィットも感じます。
結果は、Aの勝ち。
申し込みはBより104%も多かった。
なぜか。
「金額を確認する」を押した人は「この場ですぐ金額が出る」と期待します。
でも実際に出てくるのは、見積もりのための入力フォーム。
期待させた分だけ、裏切りも大きくなる。
そのギャップで、ページは閉じられていたんです。
盛ったベネフィットは、押させる力にはなっても、買わせる力にはなりません。
落とし穴②:ベネフィットの言葉が、不安を連れてくる
A/BテストツールのOptimizelyの事例です。
「30日間無料トライアル」
↓
「30日間無料で使う」
ベネフィットの中身は完全に同じです。
30日、無料。
それでも「30日間無料で使う」に変えただけで、フォームへの遷移率は132%、CVRは111%に改善しました。
「トライアル」という単語が、"登録したら営業から電話がかかってきそう"という連想を生んでいたのではないか、という仮説です。
同じベネフィットでも、選ぶ言葉によって、隣に不安が立つ。
「無料」も同じです。
「無料」はユーザーの目を強く惹きつける最強ワードですが、有効なのは"お金を払ってでも手に入れたいもの"に限ります。
欲しくないものの「無料」は、警戒しか生みません。
落とし穴③:あなたのベネフィットと、ユーザーのしたいことがズレている
ピザハットのポップアップのテストです。
A「お得な特別メニューがございます!まずは店舗をお選びください。」
→【ログインせずに店舗を選ぶ】
B「店舗ごとに特別メニューがございます!まずは店舗をお選びください。」
→【ログインせずに店舗を選ぶ】
C「店舗ごとに特別メニューがございます!まずは店舗をお選びください。」
→【店舗を選択してメニューを見る】
「お得な特別メニュー」って、立派なベネフィットですよね。
でも結果は、A:101%、B:105%、C:115%。
まずAとB。
ポップアップを見た人は「メニューが見たいだけなのに、なぜ店舗を選ぶの?」と思っています。
その疑問に答えているのは、「お得な」ではなく「店舗ごとに」のほう。だからBが勝ちます。
そしてBとC。
違いはボタンだけです。
ユーザーがしたいのは「店舗を選ぶこと」ではなく「メニューを見ること」。
だから【店舗を選択してメニューを見る】のCが、さらに勝ちました。
ベネフィットの魅力ではなく、"ユーザーのしたいこと"との一致が数字を決めていたんです。
オンライン学習サイトのQueenBeeも同じ構図です。
「100%返金保証」を添えた「いますぐ申し込む」
↓
「全プラン7日間無料」を添えた「無料で体験する」
この変更で、収益が106.59%改善しました。
まだ申し込む気のない人に「申し込む」ボタンを押しつけていた。それだけのことだったんです。
もう一歩先:ベネフィットは「書く」ものではなく「合わせる」もの
3つの落とし穴、共通点に気づいたでしょうか。
どれも、ベネフィット自体は書けているんです。
ズレていたのは、
ベネフィットと「クリック後に起きること」
ベネフィットと「言葉が連れてくる連想」
ベネフィットと「ユーザーが今したいこと」
つまり、こういうことです。
ベネフィットは、書いた瞬間ではなく、ユーザーの頭の中と一致した瞬間に売上になる。
自分のサイトを見直すときは、この3つを順番に確認してみてください。
そのベネフィット、押した後の画面と一致していますか?(盛っていませんか?)
そのベネフィットの言葉、不安を連れてきていませんか?(「トライアル」「購入」「送信」…)
そのベネフィット、ユーザーが"今"したいことと一致していますか?(あなたが言いたいことではなく)
「書けば売れる」の一歩先は、「合わせれば売れる」。
190社を見てきて、私がたどり着いた結論です。
最後に
……と、ここまで読んで「じゃあ具体的に、ボタンのどこに・何を・どう書けばいいの?」と思った方へ。
実はいま、その"設計図"を1本の記事にまとめています。
ボタンの上・中・下の3階層で何を書くか。
フォームのどこを削るか。
すべて実際の改善データつきで、7月17日(金)に有料記事として公開予定です。
「デザインを変えても、問い合わせは増えません。」という話から始まります。楽しみにしていてください。
7/17(金)記事公開しました!
改善データつきです。
この記事が参考になったら、スキ・コメント・フォローをいただけると嬉しいです。
あなたのサイトのボタン、いま何と書いてありますか?
よかったらコメントで教えてください。
