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『バッド・バニーの真実』⑤グラミー賞、NFL ハーフタイムショー、そしてこれから

(④から続く)


――ご存知だと思いますが、今日やるきっかけは、伊藤さんが今話されているように、アルバムにプエルトリコ人しか分からない仕掛けが、いっぱい入ってて、それが全米チャート・ナンバーワンになって、海外でもすごい受けて、しかもNFLのハーフタイムショーをやるという、すごいパワーというかキャラクターというか、今までいなかった人だと思ったからです。まあ別に大谷と比較するわけじゃないけど、大谷同様に今までいなかった。

だから日本でもどうすれば受け入れられるのか、常に考えているんですけど、なかなか説明してもわかんないし・・・

 
伊藤:そうですよね。理屈が先立ってもつまらないし。こうやって中身を解明したりは面白いんですけど、でもそういうことを知らなくても全世界26ヵ国で、そして全米トップになる面白さを持っている。
 
――パッと歌っているところを見れば、すごいいいなって思うんじゃないかなと思うんですけども、その辺の感覚が、日本人はちょっとずれてるっていうか、違うところがあるのかなっていう気がしてます。だから、ハーフタイムショーに出る事は日本で知られる一つのきっかけと。

 伊藤:まだ最後の最後でどうなるかわからないけど、たぶんいけるんじゃないかと。なんでスペイン語の歌しか歌わないやつを出すんだとか
(*追記:2026/2/5現在、2/8の出演は確実)

――いけると思います。NFLは結構突っ張ってる団体じゃないですか。
そうなんです。NFLは外部からいろんなこと言われてて、今、画面出してますけど(下)、いろんな賛成派・反対派の記事の一例です。一番左上はご存じの通りFOXニュースですから、トランプ側ですよね。もうダメダメって感じ。

2025年秋ごろの報道の数々

右上のAPぐらいになるとやや中庸。下段の左のニューズウイークはは「MAGAが怖れてる」ってバッド・バニー寄り。真ん中のローリングストーン歴史的に画期的っていうニュアンスで肯定。

NFLはいろんな意味で気合入ってて、例えばヒップホップのJay-Zをキュレーターに入れて、去年ケンドリック・ラマーをやったっていうのは画期的。あれもかなりブーイング出たんですよね。
 
――そうですよね。
 
伊藤:あれはもちろん偏見をなくすっていう大義名分もあるんだけど、もっとアフロアメリカンのファンをもっと増やしたいとかね。
そして彼らは今度、ヒスパニックのファン、それも海外のファンを取りたいと思ってる。野球は海外、特にラテン圏のファンをたくさん取り込んでますから。だけどアメリカンフットボールは野球ほど取れてない。
 
だからそんな意味、損得勘定も、もちろんあるんですけど。でも理由はどうあれ、一歩踏み込んでいくっていうのは、今のトランプの時代には意味があることだ、ということは、皆さん思ってる通りだと思います。
 
――あと、『サタデー・ナイト・ライブ』(*アメリカNBCの深夜のコメディ&音楽の週次の人気番組)のとか、結構ガンガン出てるのも面白いなと。
司会者たちは好意的で、盛り上がってるんですよね。

伊藤:サタデーナイトライブの他、スティーヴン・コルベアの『レイト・ショウ』(*CBSの深夜人気番組)とか、ジミー・ファロンの『トウナイト・ショウ』(*アメリカNBCの深夜人気番組)とかね、好意的なインタビューをしてますね。まあNBCはスーパー・ボウルの中継やりますから。
一方、もちろんFOXニュースにはまだ出てないようですが(笑)。
 
――FOXはね、完全に向こう側ですもんね。
 
伊藤:ですね。サタデーナイトライブの例のシーンだけ持ってきてるんでちょっと見てみましょうか(下記)。深夜番組で音楽がすごい強い番組。
エディ・パルミエリ先生出たこともあるし、ミュージカル・ダイレクターをデビッド・サンボーンやマーカス・ミラーがやったり。ブルース・ブラザースはここからだし。
 
――そうですよね。70-80年代ね。
 
伊藤:そこに彼が出て、NFLのハーフタイム・ショウ出演が決まった事にひとこと言ってます。

――3ヶ月になりましたけどね(*イベント開催時)
 
伊藤:最後の言葉、You have four months to learn spanishというとこですね。(スペイン語の歌詞がわかんないって?まだスペイン語勉強するのに4か月ありますよ)っていうジョークです。同時に、マジに言ってる部分もある。相互理解ってことです。

 ご存知かもですが、アメリカが徴兵をやる時に、ミスター・アメリカというか「アンクル・サム」って言いますけど、アメリカという国を象徴するアイコンですが、彼が「アイ・ワント・ユー・フォー・USアーミー」と語りかけているポスターがあるんです。

誰でも知ってる有名な。その語り掛けのポーズをパロってる(笑)。
 もひとつ言うと、これ1917年の第一次世界大戦の時の徴兵ポスターなんですが、さっき言いましたが、米国は兵隊が欲しくて、1917年にプエルトリコ人に市民権を与えました。
その時、つまり、あの時からプエルトリコ側は市民として共に米国の為に戦ってきている。こんどはあなたの番、スペイン語を習って共に楽しんでね、っていってるようにも思えたりする、とても重層的なジョーク。

そしたら放送からすぐ2時間後ぐらい、ネット上ににこういうのが出てきた(笑)

  

本当、いずこの国もジョークのネタ探しと反応は早い。特にインターネット民は(笑)という、オチもあったりなんですけど、はい。
 
――ということで、えー、あと3ヶ月、楽しみですね。
 
伊藤:そうですね、2/8まで3ヶ月。
たぶんこのまま突っ切ると思いますけど。もっと近くなったら議論も出てくるかもですが、その内容も重要ですよね、誰が何を言うかは。
 
――それが2月でしょ、3月に来るって言ってるんですから、皆さん。
 スタジアム満員には、2万人集めないと。今日来てる方々が、1人、1000人ぐらい集める、ということです。わかってますか?(笑)
 
伊藤:You have 3 months(笑)ということで、いかがですか?
 
高際:僕はビジュアライザーの資料読んだり曲聴いてた訳ですけど、おかげで色々知ることができました。ありがとうございます。
 1000人頑張ります。

アヤコ:私の目標は、3月のバットバニーが来たら会場前でボンバをやりたいです。プエルトリコでは、会場のスタジアムの前で勝手にみんなでボンバやってて、それがすごい楽しそうだった。
 
――会場前じゃなくて、中でやる。又はステージに乱入したらいいですね(笑)
 
アヤコ:まず連れてきてほしいですね。そして現場でやりたい。

(追記)2/18発表で、3/7のSpotifyのイベントで来日と発表に。但し一般公演ではなく、Spotify Top Listenerの為のClosedのライブとのこと。ちょっと残念。
 
――なるほど。
ということで、もうちょっとお時間もありますね。
本当にYouTubeにいくらでも映像もアップされてますし、今日お配りした資料も参考にしていただいて、ガンガン見て、楽しんで、応援して、3月には2万人を集めましょう!1人1000人お願いします(笑)。
ということで、どうもありがとうございました。
取り留めもない話で、はい、すいません。

 (拍手)質問があれば、まだ。
 
質問:アメリカのスポーツ番組の関係の仕事をしていまして、NFLもやってたんですけど、NFLのコミッショナー、ロジャー・グッデルは、伊藤さんおっしゃってた通り、世界戦略があって、今、ロンドンやドイツなどへ展開しているので彼は絶対にバッド・バニーにやらせたいと思ってます。

あと狙いはアジアだとも言ってるんですが、アメリカ人ってアジアの感覚が全くないんで、日本がしっかりそこへ入ってるかって言うと、そうじゃなく東洋と言っても、意識は中近東くらいな感じです。

一方で、今日の話を聞いたら彼をスーパー・ボールでやったら、すごいことになるなと。海外のアメリカ以外、特にラテン、スペイン語圏の人たちが、相当アメフトに関心を持つんじゃないかなと感じました。
 
――NFLは日本では人気あるんですかね、
 
質問:ないんです。
 
――あ、そうなんですか。

質問:野球ほどはあんまりね。NHKが降りちゃったんで、結構関係者は泣いてて、日テレさんがCSやってるくらい。やっぱり野球のチェンジですね。

――じゃあちょっとですね、でもそれも含めて楽しみにしたいと思います。
ありがとうございました!

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【追記1:2026年グラミー賞・最優秀アルバム賞ほか3部門受賞受賞】

2/1の2026グラミーの最優秀アルバム賞はバッド・バニー受賞の快挙となりました。加えて最優秀ムシカ・ウルバナ(アーバン・ミュージック)アルバム賞グローバル・ミュージカル・パフォーマンス賞の計3賞を受賞しました

グラミーには4主要タイトルがありますが、バッド・バニーが該当しない最優秀新人賞を除いて:注目すべきは以下の3部門:
◆『最優秀ソング(歌曲)賞』(ビリー・アイリッシュ受賞)は「曲(作詞作曲)」に与えられ
◆『最優秀レコード賞』(ケンドリック・ラマー&SZA)は「録音された音響作品としてその曲の完成度」に与えられる一方、
『最優秀アルバム賞』は「アルバム作品全体の完成度・統一性・芸術性・時代性」と評価範囲が最も広い、一般に最重要の賞とされてます。

それだけで、バッド・バニー受賞の意味は大きいですが、なにせ全編スペイン語の作品が米国の音楽賞のトップというのが、歴史的快挙です。
そういう時代ですね。しかしそれは1975年のグラミーでのラテン部門創設(第1回目、2回目はエディ・パルミエリ受賞)、その後のヒスパニック・アーティストの受賞、スペイン語作品ではグロリア・エステファンの1993年の作品『Mi Tierra』のグラミーの最優秀トロピカル・ラテン・ポップ・アルバム賞受賞など、一歩一歩積み重なった歴史がようやく頂点に達した、
ことになります。その点をバッド・バニーはスピーチで述べていました。

彼は最優秀ムシカ・ウルバナ賞と最優秀アルバム賞で各々受賞スピーチしましたが、英語・西語で行い、ICE批判 として「ICE OUT」、ヘイト批判として 「Love is more powerful than hate」、また米国移民の米国への貢献をたたえるメッセージなどをしっかり織り込んでいた事が重要です。

(上)ICE批判、ヘイト批判(最優秀ムシカ・ウルバナ受賞時)

(上)「プエルトリコ」でスタートしたほぼスペイン語での最優秀アルバム賞受賞でのスピーチ。途中、故郷を離れ米国で働く人々へのエールを英語で織り込み、英語話者に移民がアメリカ社会の一員である事を改めて共有している。

ちなみにビリー・アイリッシュもがっちりICE批判。また最優秀ポップ・ボーカルのレディ・ガガも先日の日本公演で強力な ICE批判を行いましたが、グラミー当日もバッド・バニーを賞賛する発言を行っていました。ケンドリックはアフロアメリカンの長い歴史を考えるべきデリケートな状況から前からこの辺タッチしないのですが、SZAは希望と連帯を語り、新人賞のオリヴィア・ディーンは移民の孫(祖母は英国に移民したガイアナ人、母はジャマイカ系ガイアナ人)として移民を讃えるスピーチをしています。

【受賞の意味】

のちほど


【追記2:NFLハーフタイム・ショウ】

あと数日ですが、いくつかトピックを。コミッショナーは結局、MAGA系サイドの反対意見を「なにか問題でも?」のスタイルで受け流しました。

①トランプ大統領はスーパーボウルに行くの?⇒行かない

②スーパーボウル会場周辺にICEが来て、ハーフタイムショウを見に来る移民を取り締まるのでは?

⇒NFLは「ICE]は来ないとアナウンス

③スーパー・ボウルは見たいけど、バッド・バニーのハーフタイム・ショウは見たくない人は、トイレ・タイムの他になにか見るものあるの?

⇒MAGA系の「ターニング・ポイント」が番組を用意。その名も「ジ・オールアメリカン・ハーフタイム・ショウ」!

けっこうネットではお笑いのネタになってます

④誰が共演するの?
⇒未発表ですが、筆者の予想はカーディB、カロルG、ヤング・ミコ(Young Miko)とかはありそうだけど、隠し球もありそう。

という事で、週末を楽しみたいと思います。ご一緒にどうぞ!

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