自分は動かないのに「べき」を振りかざす人ー主語なき正しさが現場を壊す理由と対処法
こんにちは。えめです。
組織の中で働いていると、
こんな違和感を覚えることはありませんか。
「言っていることは正しいが、現場が回らない」
「改善案なんだろうけど、メンタル疲労が高い」
「誰も悪くないのに、空気だけが悪くなる」
これらの状況を解消しようとしても、
コミュニケーションが成立する気がしない。
これは、
「正しい」けど主語がない。
自分は動く気がない「べき思考」
が起こす、よくある問題。
価値観に巻き込まれて、
判断が止まっている状態。
ちょっとした技術があれば、
状況は攻略できます。
大事なのは、情報を仕分ける力。
ということで、
今回のテーマ
主語のない「べき思考」から現場を守る方法
今日は、
「正しいのに現実的でない」
「べき思考」が発生する意識の構造と、
価値観に巻き込まれてストレスを溜めない
脳のおかたづけ法をご紹介したいと思います。
主語なき「正しさ」で現場は回らない
わかりやすい事例をご紹介します。
コロナ禍、
ワクチン接種会場での出来事でした。
会場は体育館を借りたような場所で、
・人手不足
・時間制限
・最低限の安全確保を最優先する
という「非常時仕様」の
簡易的に設営された現場。
その現場で、若いナースが、
やる気があるのはいいのですが、
病院と同等レベルの清潔管理を要求し、
注射器の置き方にまで細かく指示を出し、
あれこれと「こうするべき」と、
「正しさ」の価値観を押しつけてきます。
言っていることは正しい。
が、内容としては、
「キャンプ場に高級ホテル並みの要求」
をしているようなもの。
現場現実との「ちぐはぐ」に、
彼女は気がついていません。
まして、彼女は、
リーダーでも、歴が長い看護師でもない。
歴50年を超える人もいる中での、平スタッフ。
そして、我々の仕事は、
その辺の道端だろうが、
その環境でできる範囲のケアを遂行すること。
立場・責任関係との「ちぐはぐ」にも、
彼女は気がづいていません。
「正しい」けど、主語がない。
自分は動く気のない「べき思考」。
そのまま、彼女は突っ走り、
とうとう、
他所にまで「正しさ」を押し付け、
全体に大きな迷惑をかけてしまいました。
彼女は真面目でした。
医療的な知識もありました。
悪意はありません。
ただ、彼女は
・現場設計者ではない
・リソース配分を決める立場ではない
・結果責任を引き受ける役割でもない
それでも
「医療的に正しいから」という理由で、
周りに本来なら必要のない仕事
の要求をし続けました。
「正しさ」の価値観に依存して、
仕事をしているつもりになっていたが、
実際は仕事の妨げになっていたのです。
「正しい」けど、主語がない。
人に余計な仕事を与える人。
この人達の脳内は、
価値観優位の「自分」がない世界です。
次はその意識の構造について解説します。
価値観優位の「自分」がない世界
人の脳内では、よく次の3つが混線しています。
• 現実(今、何が起きているか)
• 価値観(正しい/あるべき)
• 自分(立場・責任・キャパシティ)

以前、アダルトチルドレンの解説をしましたが、精神発達がどこかで足踏みしていると、脳内で真逆の意見が対立することがあります。

大体、人は、
「現実」を「自分(本音)」が受け止められない時
「価値観(建前)」に理由を求めます。
この時に、
現実は都合の良い解釈で歪められ、
「自分(本音)」が無かったことにされます。
この状態の人の脳内を一言で言うと、
価値観優位の「自分」がない世界
自分や人を価値観で縛るのが、
多く見られるパターンです。

若いナースさんの例で解説すると、
自分「私はもっと活躍しているナースでありたい。認められたい。」
vs
現実「周りはベテランさんばかり。自分の実力として目立つものはない。」
vs
価値観「理解している、意見を積極的に言える看護師がカッコいい」
↓
自分:認められたい→隠される
価値観:意見を言うのカッコいい→行動化
現実:実力ない
→意見を言ってるから、
自分は実力があると「歪められる」。
自分「怒られたら嫌だ。」
vs
現実「わからないこと多い、立場弱い」
vs
価値観「正しいことを言う人は強い」
↓
価値観:手当たり次第「べき論」→行動化
自分:これで怒られない→感情のごまかし
現実:立場弱い→強い態度で立場のごまかし
無意識でこうなっていたのではないかと。
(20代あるある)
受け止められない現実があると、
人は価値観に結論を求めがちです。
なぜなら、
「正しさ」は考えなくて済むから。
価値観優位の「自分」がない世界
都合の悪い「現実」は"解釈"で書き換える
現実が嫌で、
価値観を外に当てれば「自分はOK」「他人はダメだ」の他責になり、
価値観を内に向ければ「自分はダメだ」で現実逃避になります。
現実に不安があれば、
誰しも価値観に巻き込まれて、
目の前の現実に立ち向かう勇気をなくしてしまうもの。
不安そのものは、
みんな同じように抱えています。
問題は、
現実を受け止める人の現場のバランス。
現場では、他責が発生すると、
他責の"重さ"が、
責任を持つ人に集まります。
他責をする本人は、
その"重さ"を受ける気がありません。
価値観優位の「自分」がない世界。
都合の悪い「現実」は"解釈"で書き換える。
問題処理も責任も、
主語に「自分」はありません。
その押し付けられた、
他責と現実の"重さ"から、
脳にストレスがかかって、
責任を負う側が「自分はダメだ」と削られ、
うつや適応障害に落ちる。
いわゆるカサンドラ状態。
これは、構造として放置できません。
だから、
今から「みんなを守る」方法をお伝えしたいと思います。
それが、「脳のおかたづけ」。
判断を「現実」に戻し、「自分」を主語に戻す
価値観に巻き込まれると、
他責の逃避・依存・妄想は長引き、
押し付けられた"重さ"で脳内が消耗します。
それを防ぐために、
価値観の侵入に線引きをする必要があります。
価値観に巻き込まれないために必要なのは、
「分かってもらうこと」でも「論破」でもなく、脳のおかたづけ。
情報の仕分けで線引きをします。
具体的には、
判断を「現実」に戻し、「自分」を主語にします。
ステップはたったの3つ。
①「価値観」情報を除外して判断する
価値観は、判断材料にしてはいけません。
相手(や脳内の自分)が
「普通は」
「常識的に」
「正しいのは」
と言い始めたら、
それは価値観の話。
主語に自分がないもの
自分が間違っている可能性を1ミリも含有しない人の意見
これらの裏に、依存あり注意報。
価値観は、
聞こえてはいるけれど、
判断材料にはせず、
勇気を出して「不要な情報」扱いでOKです。
バッサリ切って、現実の話をしてください。
これだけでものすごくシンプルになります。
脳のおかたづけ①
価値観は切る。
②現実を淡々と返す
現実は、価値観とくっつけずに返します。
「それは今の条件では成り立ちません」
「それは私の責任範囲ではありません」
判断を現実に戻す。
説明しない。
理由を足さない。
べきとか要らない。
「どうなっているか」、それだけ。
意見が、
みんなが助かると判断できないなら、
優先順位でメリットが高くないなら、
現実に基づいて本人に判断させたらいいです。
それは誰の仕事だ?
自分の仕事はやっているのか?
人の仕事に文句を言える立場か?
手一杯だったら代わりにやってあげるのか?
それぞれ「できるか・できないか」これでOK。
脳のおかたづけ②
判断を現実に戻す。
③自分のキャパと意見を置く
自分のキャパやポリシーを出すのも有効です。
「私はそれはしません」
「この仕事量は引き受けられません」
案外これが一番強いです。
当アカウントは、
理念の話をしつこくしていますが、
シンプルな「いやだ」が一番強いからです。
「自分」を主語に戻す。
「するか・しないか」でOK。
人を変えることはできない。
これを逆手に取ります。
「うるせぇ、いやだ。私はこうする。」
「あなたは?」
ONE PIECEのルフィのように。
シンプルでいいんです。
介入させず、交渉せず、境界線を引くだけ。
脳のおかたづけ③
「自分」を主語に戻す。
交渉せず、「境界線」で人を守り育てる環境設計
シンプルに、
価値観フル無視で、
「するか・しないか」
「できるか・できないか」
話はこれでおしまいです。
脳のおかたづけは
判断を「現実」に戻し、「自分」を主語に戻す
合わないものを
無理に合わせようとしても
成り立たない
「じゃあ、あなたはどうする?」
これを共有するだけ。
現実や自分から目を背けている人は、
コミュニケーションも判断も成立しません。
冷たいって言う人がいるかもしれませんが、
判断を「現実」に戻し、「自分」を主語に戻す
やっているのは、本来の形に戻してるだけ。
脳のおかたづけで、
価値観に揺さぶられずに自分達を守る。
これは、
判断を現実的に成立させるための
環境設定なのです。
自分がどの立場に立つ人かを固定する
「正しい」けど主語がないのは、
自分は動く気がない「べき思考」。
価値観優位の「自分」がない世界
都合の悪い「現実」は"解釈"で書き換えます。
だから必要なのは、
脳のおかたづけ
判断を「現実」に戻し、「自分」を主語に戻す。
余計な価値観は切ってください。
「できるか・できないか」
「するか・しないか」
それだけ。
正しさは便利です。
でも、正しさは判断を代替できません。
判断は
立場と責任を引き受けた人にしかできない。
若いうちはこれを知りません。
それを教えるのも教育。
若いナースさんのように、
「あなたは間違いだ」などと、
エビデンスなどを持ち込んで、
否定してくるような、
人の価値観に巻き込まれたとき。
あなたの脳もぐるぐる思考に巻き込まれるので、判断できなくなるのは当然。
カサンドラのようになります。
だからこそ、
まず仕分ける。
それだけで、
現場はすごくシンプルになるはずです。
バッサリいく時は、
自分が、現実と自分から目を背けていないことが大事です。
鏡を見て、
「俺が歪んでるんじゃない、鏡が歪んでるんだ」
と言われると泥沼です。
なので、自己覚知。
自分のことを普段からよく把握しておいて、
周りともフィードバックし合っていることが大事です。

40代課題の「価値観」成長指標に入っていますが、
「自分がどの立ち位置からものをいい、
どのような理念(ビジョン・ミッション・パーパス・バリュー)で一貫して動いていくかを示し、信用・信頼される」
これがあなたにとって最強の盾です。
是非、少し間を取って、仕分けし、考えてみてください。
そこら辺にある価値観に負けない、縛られない人生を過ごせるよう、えめは「攻め」の姿勢で、全力で応援いたします。
最後までお読みいだたきありがとうございました。
筆者:えめ 精神科看護師(人育ての専門家/双極のプロ)
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