ほのかちゃんに ほのかに恋して♥ー8ー
初回からは、こちら⬇各回の終わりに続きの貼り付けがあります。
前回は、こちら⬇
あれから、2ヶ月が過ぎた。僕とほのかちゃんは、時々薫さんを交え、お付き合いが続いていた。
今日は、ほのかちゃんに付いてアロマのまとめ買いに付いていく。7個くらいは、買いたいという。
「ねぇ、今日は〇〇駅地下街にある『○活の木』に行こう!あそこに この間無かった『金木犀』のアロマ、もうそろそろ入ってると思うの!」
「それから、○隣堂で、アロマの本を買って……」
ほのかちゃんは、見るからにわくわくしている。
僕は、そんなほのかちゃんといるだけで幸せだ。
駅に向かって……2人歩き出すと、
歩道の段差で、2人大きくすっ転んだ。
家に帰ってくると、いつも返ってくる母さんの「おかえり」の声がない。どうしたのだろう?と、お勝手に行くと、母さんが、ぼんやり洗い物をしていた。
「母さん?」
「……あ、浩之」
「どうしたの?声掛けたのに」
「……あ、なんでもない。ちょっとね、……桂子が……」
「姉さんが……?」
「達郎さんと、別れたって」
(……!!)
予感は、していたが やはりか、という思いが。姉さんは、「達郎さん」という恋人と付き合っていたが、この頃「なんだかお付き合いするのが辛い」と、僕にも話していた。
「姉さんが……」
夜中になっても、桂子姉さんは食事にも降りてこなかった。
僕は、夕飯を届けに行く。
2階の姉さんの部屋の戸をノックする。
「姉さん……」
声はしない。
そのまま、食事を戸の前に置いて帰ろうとすると、姉さんの部屋の戸が開いた。
「あ……(2人同時)」
顔を見合わせる。
姉さんの部屋の、南の窓の近くに座って、僕らはちょっとお話した。久し振りに入る姉さんの部屋は、2年前に入ったときと少し違って、化粧品が増えていたり、本棚の本が違っていたりした。姉さんは、しんみりと、
「ねえ、浩之……。浩之は、自分のこと偽って好きな人と付き合っちゃだめよ。決して背伸びして付き合っちゃだめよ」
机の上の、姉さんのお気に入りだったフォトスタンドは、伏せられていた。
薄暗い部屋の中で、姉さんは泣いているのか、
「背伸びして、無理して付き合ってると、そのうちホントに辛くなるから……たまらなく辛くなるから……」
つづく
©2023.7.4.山田えみこ
