アンケートが毎週届くようになって、ようやく声が読めるようになった話
アンケートを送るたびに、回答が届いた。スプレッドシートの行が増えていった。でも、集計したことはほとんどなかった。
集計しようとするたびに、「時間があるときに」と思い直した。その「時間があるとき」は、来なかった。
今は、週に1回、GASが集計してAIが3行にまとめてLINEに送ってくる。受け取るだけになった。
アンケートが、溜まる一方だった

あるお店でサービス後にGoogleフォームのアンケートを送り始めたのは、「お客さんの声を聞きたい」という単純な理由だった。回答は届いた。毎週、じわじわと増えていった。
ただ、集計はしていなかった。
1件ずつ読もうとすると、気づいたら10件・20件と積み上がっている。全部に目を通すのは無理ではないが、そこから「傾向」を読み取るのが難しかった。評価点の平均を出すには関数を組まないといけない。自由記述は1件ずつ読んで、頭の中でなんとなくまとめるしかない。
集計しようと思って、やめた。その繰り返しだった。
集計には3段階の手間がかかる。回答数の確認、評価点の平均を出す計算、自由記述を読んでまとめる作業。この3つを毎回やろうとすると、30分では終わらない。忙しいとき、疲れているとき、「今週はいいか」という判断が続いた。
月が変わったタイミングで「先月まとめて集計しよう」と開いてみると、80件近くの回答が溜まっていた。そこまで増えると、もう開く気にもなれなかった。
アンケートを取っているのに、声を読んでいない。その後ろめたさだけが、静かに残っていた。
週に1回、まとめて送ってもらうようにした

今の仕組みを作ったのは、「集計する意志」ではなく「集計しなくてもいい状態」を作ろうと考えたからだ。
フローは4つの順番で動く。
まず、Googleフォームの回答がスプレッドシートに届き続ける。これはこれまでどおりで、何も変わらない。次に、週に1回、決まった曜日・決まった時刻にGAS(Googleのサービスを自動で動かせる仕組み)が起動する。GASはその1週間分の回答を拾って、回答数・評価点の平均・自由記述の一覧をまとめる。最後に、自由記述をAIに渡して3行に要約させてから、集計結果と一緒にLINEに送る。
この流れが、毎週繰り返される。
自由記述を全部読もうとしていたから、一度も読めなかった。3行あれば目が通る。
AIの3行サマリーはあくまで「読み飛ばし防止の補助」だ。何が書かれているかを大まかに把握するための、入口のようなものに過ぎない。具体的な改善策の判断は自分でする。「なんとなく清潔感に関するコメントが多そう」とサマリーで気づいたら、スプレッドシートの原文を開いて確認する。その確認の手間は残る。ただ、原文を最初から全件読む必要はなくなった。
1週間分が溜まってからまとめて届く、という設計にしたのにも理由がある。フォームに回答が届いた瞬間に通知が来る仕組みもあるが、1件ずつ届いても読む側の対応が追いつかない。1週間の声をまとめて受け取って、週に1回だけ目を通す。その方が、実態の使い方に合っていた。「タイミングをどう設計するか」も、自動化の一部だと気づいた。
週次サマリーが届いた朝に必要な時間は、3分もあれば十分だ。3行のサマリーを読んで、気になる記述があれば原文を確認する。その繰り返しになった。
声が、ちゃんと届くようになった

最初にLINEでサマリーが届いた月曜の朝の話をする。
スマホを開いたら、LINEに通知が来ていた。「先週の回答:8件 / 評価平均:★4.2 / 自由記述3行サマリー」という形で、短くまとまっていた。内容を読むのに、2分かからなかった。
「清潔感とスタッフの対応への評価が高い。一方、待ち時間に関する記述が2件あった」という3行を見て、原文を開いた。待ち時間の件については、2件とも「次も来る」と書いてくれていたが、改善の余地はある、という感触だった。
その判断は、自分でした。AIは「こうすべき」と言わない。読む入口を作ってくれるだけだ。
以前は「集計しなきゃ」という未完了のタスクが、頭のどこかに残っていた。今週やるか、来週やるか、と先送りしながら、結果的に何もしない週が続いていた。今はその感覚がない。届いているから、読める。読めるから、放置しない。
スタッフや現場責任者に「先週のアンケートどうだった?」と聞かれたとき、答えられるようになった。以前は「まだ集計できていなくて」と言い訳していた場面が、「8件来て、待ち時間の件があった」と返せるようになった。小さな変化だが、声が「判断に使えるもの」になった感覚がある。
劇的に改善が進んだわけではない。でも、声を「読まずに流す」ことがなくなった。それが、一番大きい変化だと感じている。
アンケートの集計と配信、一緒に設計できます。
「うちのフォームの回答も、こういう形で届くようにしたい」
「自由記述が多くて整理できていない」──
そのまま話していただければ、仕組みを一緒に整えます。
声を放置していたのではない。読める形で届いていなかっただけだ。
Googleフォームとスプレッドシートはすでにある。週次でまとめて届く仕組みを加えるだけで、溜まっていた声が「読めるもの」に変わる。アンケートを活かせなかったのは、意志の問題ではなく、集計という手間の構造問題だった。
声を放置していたのではない。読める形で届いていなかっただけだ。
フォームに回答が届いた瞬間、その場でLINEに知らせる仕組みの話も書いています。
週次でまとめる今回の記事と合わせると、「受け取り方を選ぶ」という発想が広がります。
