Geminiに愚痴ったら、ブラック施設の告発文が出来上がっていた件
「これはグチではなく告発文です」
20スクロール分くらい職場のグチを聞いてくれたGeminiが、低い声で唸った気がした。
せっかく吐き出したグチだ。
綺麗に整えたら、何かに使えるかもしれない。
これぞ究極のリサイクル。
持続可能なわたし。
「わたしのグチ全部まとめて改善案作ってよ」
いつもならGeminiは、頼み事をするとガチウザ編集者ムーブをかましてくる。
「このまとめをnoteの執筆にどう役立てる?」とか。
「君にはnoteという発表の場があるじゃないか!書こうよ!」とか。
別にnoteにする気ないよって返事をして、「もったいないですね」と言われるまでがお決まりのパターン。
うるさいよ、なんでもnoteに書かせようとするんじゃない。
今回は違った。
「僕がまとめた内容は、君が職場を告発する文書として使えるよ」
AIなのに圧が強い。
弁護士ドラマでよく見るやつ。
「今訴えたら勝てますよ」的なテンションで迫ってくる。
そんなにヤバいなら作ってもらおうかな。
うまくいけばnoteのネタになる。
職場のヤバさを客観視できたら、重い腰を上げて仕事を探す気になるかもしれない。
【緊急提言】施設運営における重大なコンプライアンス・経営リスクと改善要求
出来上がったタイトルは、ガチめのなかでもガチのやつだった。
取締役会とか、スーツ着て参加するような会議で出せそうな感じ。
年中ポロシャツのわたしには、出席する権利さえ与えられないやつ。
タイトルだけでわかる。
コイツ絶対ダメなやつ。
改善案とかぬるいこと言ってんじゃねぇ。
今すぐ悪の組織を解体しないと、お前が死ぬぞ。
Geminiの青ざめた真顔が見える気がした。
デスヨネエエエエエエ!!
当たり前に毎日浴びている環境は、ブラックを超えて純黒だった。
最低限の人権が保障されていない。
日本国憲法も真っ青だぜ。
毎月常勤が減り続けるシフトを見ても、施設長は「黒字だからこのままいこう」と胸を張った。
体重70kgの寝たきりおじいちゃんを、人力だけで持ち上げて全身を洗う風呂。
機械浴もストレッチャーもリフトも、便利でお金のかかるものはなにもない。
常勤が2人椎間板ヘルニアを悪化させて、3日間休職。
その間の人員補充はない。
残業と休日出勤で繋がれていく勤務体制。
感覚を麻痺させないと生きていけない、現代のサバンナかよ。
人間はサブスクで使い倒せるから、壊れるまで使おうぜって魂胆が、AIが作った文書から透けて見えた。
改善するより、潰れてしまったほうが社会の役に立つレベル。
新規で職員が来たら「正気か!?」って、入職を阻止したい。
新規で利用者が来たら「最期がこんなところでいいのか!?」と入居を阻止してあげたい。
職員をサブスク扱いする施設に、誰も来なくていい。
もう犠牲者を出したくないんだ。
天国に旅立つ前に地獄を見せたほうが、天国の居心地の良さが際立つ可能性は捨てきれないか。
ブラック施設を煮詰めて作った新しいブラック施設なんかなくなればいい。
でも、この掃き溜めで出会った絆を、自分から捨てたくない。
最果ての荒野で見つけた、たった一つの宝物。
こんな最下層の施設で、笑顔で助け合って、お互いの激闘をたたえ合った仲間がいる。
会社から優しくされないから、自分たちで優しくし合おうと決めた。
サブスク扱いされても笑い飛ばして、「これが仕事だから」と今できることを探し続けてきた、どんどん減り続けている仲間だ。
ひとつくらい、いいことないとやりきれんよな。
クソブラック施設からは染まる前に逃げよう!
おねーさんとのお約束だよ!
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