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【第2章】NICUでの日々③高すぎる壁の前で絶望した夜

これは、「命のふちで出会った私たちの物語」第2章
「NICUでの日々~心の闇と小さな光~」の3話です。

▼前回(第2話)のお話はこちら

告知を受けた帰り道で…


次女の障害告知を受けた私たち夫婦は、
まだ頭が真っ白なまま、
病院の暗い廊下を通りぬけ、帰路についた。

帰りの車の中では、約1時間、
二人とも、一言も喋らなかった。


こんな状況のときに、
「プラスに考えよう」とか、
「前向きに捉えよう」だとか、
「これも必要な試練と思おう」とか…


そんなこと…

そんなこと…

できるわけない…!


今の私なら当時の私に、こう言うだろう。

「そんな状況、辛くて当たり前だよ。」
「泣いていいからね!」
「よく我慢したよ!」


でも、そんな風に自分を癒すすべを
知らなかった私は、
とにかく、厳しすぎる現実の前に
打ちのめされていた。


絶望

家に着いたものの、
私は助手席から動けなくなった。

壮絶な出産で、自分も死にかけて、
次女も死にかけた経験をして。

「どんな障がいが残っても仕方ないから、命だけは!」
と思ってたけど…。


「一生、目も開きません、身体も動かせません」


そんな風に宣告されたら、
誰だってメンタルは崩壊する。


「命があっただけでもありがたい。」



確かに、ありがたいのだけど…


ここまで重い障害が残ってしまったことに耐えられず、私は堰を切ったように号泣した。


NICUで告知を受けた時はショックで現実感がなく泣けなかったのに、家についたとたん、涙が止まらなくなった。



もう、どうすればいいかわからない。
なんでこんなことに…
なんでうちだけ!?なんであの子が…
なんで、なんで、なんで…

どこにぶつけていいかわからない
怒りと悲しみと後悔と罪悪感。


それは、今までの人生で味わったことのない、絶望だった。

高すぎる壁の前で…


「高ければ高い壁の方が
登ったとき気持ちいいもんな」

当時、好きだったミスチルの歌を
車で流してみた。

今までも辛い時には聴いてきたこの歌に
なにか救われるかもしれないと思ったが、
今回ばかりは壁が高すぎる。


この壁を、とても登れる気がしない。
登りたくなかった…



もう私たちは、一生、
あの子の目を見られない。
あの子の声を聞けない。
あの子と一緒に遊ぶことも、できない。


それはまるで
一人の「健康な娘」が亡くなったのと同じ気持ちだった。


あるはずだった未来が絶たれ
あるはずだった生活がなくなり
あるはずだった幸せが、消えた…


ほんの数週間前までは、
こんなことになるとは、夢にも思っていなかった。



カーステレオから流れてくる歌が、私の胸を締め付ける…


「嫌なことばかりではないさ
さあ次の扉をノックしよう」

うん。

次の扉を…

次の扉を…


どうやって開けたらいいの??


もう、どうしていいかわからない。

ぜんぶリセットして出産前日に戻りたい。

次女がこうなる前に戻ってやり直したい。


そんな深すぎる闇に飲み込まれていた私は、
その日、涙が枯れるまで泣き続けた。



この苦しみは、まだ始まったばかり。

それからの日常でも、心の闇は、どんどん深くなっていった。


次回は、私が感じた母としての葛藤と心の闇をお話します。

▼続きはこちら



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