資産運用で築く「豊かな将来」 〜FP技能士が贈る未来へのヒント2〜 3/20
3/20 お金の相談
前回までのあらすじ
忙しい日々を送る31歳の編集者、麻緒。 ある日、後輩の企画書を通して「資産運用」という言葉と向き合ったとき、麻緒は自分が将来に対して何の準備もしていないという事実に直面する。そんなこともあり、学生時代の後輩である香緒里に声をかけ、食事をすることにした。
「へぇ……オシャレなお店じゃん」
麻緒は席について店内を見回す。
駅から徒歩5分ほどにある、イタリアンレストラン「Osteria L'incontro(オステリア リンコントロ)」。店内は洞穴をイメージした凹凸のある壁で、野菜をモチーフとしたアートが飾られている。黄色のクロスと木製の椅子。隠れ家的な印象を感じさせていた。
「お店の名前、『出会いの食堂』ってことらしいです。私も先輩から教えてもらったんですけど」
香緒里は向かいの席で、スパークリングワインを一口飲んでから切り出した。それに麻緒は、へぇ、と頷きながら、ワインを一口飲む。
「香緒里って、彼氏いるんだっけ?」
「え? いませんけど……それにいま、転職したばかりで。気持ちに余裕なくて」
「そっか。司書教諭、だっけ? 先日合格したって言ってたの」
それに香緒里は素直に微笑むと、大きく頷いた。
「あー、お祝いとかできなくてごめんね。今日多めに出すから、それで許して」
麻緒が言うと香緒里は笑う。こういった自由なところが彼女の魅力だと、香緒里は分かっていた。
「今日はさ、ちょっと香緒里の意見を聞きたくて」
「え? 意見……ですか?」
麻緒の言葉に香緒里は戸惑った言葉を返す。
「私、もう31歳なんだよね。お金ないし、彼氏もいない。どう思う?」
香緒里は硬直した。
なんとも回答がしにくいという内容だということもあるが、学生時代から麻緒はいつも男性関係で悩んでいたと香緒里は記憶している。それに加えて、今回はお金の話が増えたことが彼女の思考を停止させた。
「……先輩、少しいいですか。彼氏はともかく、お金というのは……まさか、借金とか……?」
どうやら香緒里は、なにやら悪い事態を想像したらしい。慌てた表情で、少し身を乗り出して、麻緒に聞いた。それに麻緒は思わず吹き出してしまう。
「いや、そうじゃなくて! 実は仕事で、資産運用に関するムックの企画を相談されたんだ。でも、資産運用とかまったく分からなくて。私ももう31歳だから、将来が少し不安になったんだよね」
「なるほど……そうだったんですね」
麻緒の声に香緒里は頷く。彼女も思い当たるフシがあるようで、素直な頷きにそれが表れていた。
「その……もしかしたら、麻緒先輩のお役に立てるかもしれません」
「おお、イケメンに心当たりが!?」
「そっちじゃなくて。ファイナンシャル・プランニング技能士の先輩を紹介することができます」
それに麻緒が驚いた顔で見つめ返す。わなわなと身体を震わせて見つめる彼女に、香緒里は言葉を続けた。
「お金の問題に詳しい人なので、麻緒先輩のお力になってくれると思います。私も、助けてもらいました」
「いいじゃん、紹介して! 来週末に時間作るから! でも2人きりはヤダから香緒里も来て!」
麻緒は腰を椅子から浮かせながら自分の言いたいことだけを言って、香緒里のリアクションを待つ。彼女は頷きながらスマートフォンを触っていた。
「来週末、大丈夫だそうです。日曜日の午後にカフェでどうですか、って提案されてます」
「行く!」
麻緒の即答に、香緒里は微笑みを返した。
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また次の作品でお会いできることを楽しみにしております。
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