資産運用で築く「豊かな将来」 〜FP技能士が贈る未来へのヒント2〜 8/20
8/20 目減りを防ぐ 〜巻き込まれることから逃れられない〜
前回までのあらすじ
漠然とした将来への不安を抱えていた麻緒は、FP技能士の元永との出会いにより、その不安の正体が「お金」にあることを理解する。「人生の3大資金」などを学びながら、麻緒は少しずつ自分の人生とお金の関係性を紐解いていく。
「先程は『生活費』と『避けられない目減り』の話をしたよね。生活費の管理については理解してもらえたと思うんだけど、どうかな?」
「はい。家計管理をして年単位の収支を管理することから始めて、ライフイベントを洗い出して、人生全体を見据えたライフランニングをする。その順序で進めていくことを、理解しました」
麻緒の言葉に元永は思わず微笑んでいた。香緒里も穏やかな微笑みで見つめている。
「良かった。次は、『どうやって資産の目減りを防ぐか』という話をするね。考え方としては簡単だ。例えばだけど、いま持っている日本円を、全部米ドルに換金すると、どうなると思う?」
「ドル円為替の変動の影響はなくなって、日本円がドルに対して安くなっても影響は受けない。ドル安の時に日本円に戻すと減っちゃうけど、ドルが高いタイミングで日本円に戻せば、差額で儲かりますよね?」
「そういうこと。ここで大切なのは、本人が貯蓄のつもりであっても経済の影響を受けるということ。極端な例だけど、タンス預金として自宅に置いている現金も、その影響を受ける。つまり、『僕たちはどうやっても経済に巻き込まれることから逃れられない』という前提なんだ」
元永は笑顔で言うのだが、麻緒と香緒里は若干引いている。言われてみればそうなのだが、そんなことを認識したのは初めてだった。
「つまり……私たちは資産運用を難しく考えているけど、目減りを防ぐために行う行動は、結果的に資産運用になっている……ってこと?」
「麻緒さんの言う通り。ドル円の為替の影響を受けたくなければ、円ではなくドルで持てば良いだけ。インフレ率の影響を受けたくなければインフレ率と同等か、それを超える成長率のある資産を持てば良い。シンプルに言うと、それだけの話なんだよ」
「あ、なるほど。じゃあ……銀行のお金を預けて利子をもらうだけでも、一種の資産運用と考えていいんですよね?」
「麻緒さん鋭いね。貯金だって資産運用の一種。利子を生み出しているわけだからね」
香緒里が感嘆の声を漏らして、呆けたような顔をする。だが、麻緒は少し考え込むような表情で、口を開いた。
麻緒は驚きと感嘆の表情を浮かべて、「おぉ……」と言葉にならない声を漏らす。
「だから、資産運用と言われると身構えてしまうかもしれないけど、実はそんなに難しい話じゃない。資産を守るために取る行動が、結果的に資産運用になったりする。そのための行動や手段をたくさん知っておくと良い、というそれだけの話なんだ」
「元永さん! いますぐその方法を私に教えてください!」
興奮した麻緒は立ち上がり、元永にぐいと詰め寄って言う。それに彼は戸惑いながら、
「まあ、麻緒さん、落ち着いて。その話はもちろんするんだけど、その前にもう少し基礎を話したいんだけど、いいかな?」
と、元永がそう言うと麻緒は納得したらしく、素直に座る。元永はコーヒーを一口飲んでから、口を開いた。
「先程から『なぜ、いま資産運用をするのか』という話をしていると思うけど、資産運用の目標と目的を話すために『ライフイベント』についてもう少し詳しく説明したい。実際に行動を起こす前に、この点をもう少し詳しく掘り下げていこう」
元永の言葉に、2人は頷いた。
注記
この物語は筆者の想像に基づいたフィクションであり、登場する人物、団体、および物語上の設定はすべて架空のものです。作中に登場する実在の地名や場所は物語を彩るための舞台装置として用いており、現実の出来事や人物とは関係がありません。
免責事項
・資産運用には元本割れなどのリスクが伴います。投資判断はご自身の判断と責任で行ってください。
・本記事は、執筆時点において公開されている情報をもとに構成したものであり、その正確性や有用性について、一切の保証をするものではありません。
・本記事の情報に基づいた行動により、閲覧者がいかなる損害を被った場合でも、当方は一切の責任を負いません。
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