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資産運用で築く「豊かな将来」 〜FP技能士が贈る未来へのヒント2〜 11/20

11/20 取るリスクと得られるリターン 〜分散投資〜

前回までのあらすじ

香緒里と麻緒は、元永から資産運用についての基本を教えてもらっている。ライフイベントの掘り下げや資金の割り振りについてを理解し始めていた。

「さて、資産運用で大切な『取るリスクと得られるリターン』について話していこうか」
 元永はコーヒーを一口飲んでから、パソコンの画面をこちらに向けた。
「まず、資産運用において『リスク』とはなにかを考えてみようか」
「リスク……株を保有していた企業が倒産して、株が無価値になるとか、そういうことですか?」
「麻緒さん、そうだよ。もう少し補足すると、資産運用におけるリスクというのは、『変動幅』のことを言う。その『変動幅』の振れ幅を『リスク』と考える。変動幅のことは『ボラティリティ』とも言うんだけど、つまり、『リターンを得られるかもしれないけど、マイナスになるかもしれない』という振れ幅の大きさを『リスク』というんだと覚えて欲しい」
 元永の言葉を聞いて、2人はメモを取り続けている。

「ここで注意点。資産運用において、ほとんどの場合『リスクが高いと、リターンが高い』。逆に、『リスクが低いと、リターンが低い』ということを覚えておいて欲しい」
「ああ、つまり、振れ幅が大きいと、得られるものも失うものも大きくなる可能性があるってことなんですね?」
 麻緒の言葉に元永は大きく頷く。

「麻緒さん、正解。資産運用の基本として『取るリスクが高いとリターンが大きくなる可能性がある』んだ。そこから、取れるリスクを取って想定されるリターンを得ると、考える。逆を言えば、リスクが低いのにリターンが高いというのはあり得ないと言って良いだろうね」
「ああ、たまに見ます。元金保障とか、年利20パーセントとか……」
「うん、そういう商品が絶対にないとは言わないけど、詐欺の可能性が高いだろうね」
 元永が笑顔で恐ろしいことを言う。麻緒と香緒里は身体を震わせて、驚いた表情を見せた。

「まとめると、『取れるリスクを取る』ことで『想定される妥当なリターンを狙う』ということがセット。リスクを取らずに大きなリターンが得られるなんて美味しい話はまずないし、あえてリスクを小さくして小さなリターンを狙うという戦略も考えられる」
「なるほど……取るリスクの大きさが、リターンの大きさに繋がるんですね。リターンを最大化するために、リスクを減らすことってできないんですか?」
 麻緒は神妙な顔で頷くと、手元のメモに書き込んでいた。

「麻緒さんの考え方、いいね。有名な言葉なんだけど、『卵は一つのカゴに盛るな』なんて言い方をする」
「卵をまとめてカゴに入れていると、もし落とした時に全部割れてしまう……ということですね?」
「香緒里さん、その通り。カゴをたくさん用意して卵を分けておけば、もしひとつのカゴを落としてしまっても、他のカゴは無事だよね。つまり、資産は適切に分散しましょう、という話だ」

参考:卵は一つのカゴに盛るな(野村證券)

「でも、分散ってどういう基準で行うんですか?」
 麻緒が素直な疑問を口にする。それに香緒里も頷いた。
「一般的に、大きく分けて4種類に分類される」

  • 銘柄:どのような商品か

  • 資産:どのような性質の金融商品か

  • 地域:どの地域に投資するのか

  • 時間:購入するタイミング

最初の『銘柄』だけど、1種類の金融商品に余裕資金を全てつぎ込むと、どうなる?」
「あ、それだともし、その銘柄が暴落したら……」
「麻緒さんの言う通り。確かにリターンは大きくなるかもしれないけど、もし暴落したらそのマイナスを全て被る。リスク分散という観点では、非常に危険な状態であることは、理解してもらえると思う」
 2人は素直に頷いて、メモに書き込んでいる。

「次の『資産』。これは、金融商品の種類だと思ってもらえるといいかな。預貯金もそうだけど、債権、不動産、ゴールドなど、世の中にはたくさんの金融商品がある。それも分散しようという話」
「そこまでは理解できるんですが……次の『地域』ってなんですか?」
 麻緒が不思議そうな顔で言う。

「『地域』というのは、投資する場所のことだね。例えば日本国内、海外。あとは新興国、みたいな分類もある。さらに細分化すると、アメリカとか欧州とか、特定のエリアを指すこともある。国、物理的なエリア、国の規模などで分けられているんだけど、これも分散した方が良いよね」
「地域って……どう受け取ればいいんですか?」
「香緒里ちゃん、いい視点だね。地域には、だいたいの傾向がある。例えば、新興国に投資することはハイリスク・ハイリターンであるとか、米国株は上昇力が強い、などの傾向がある。その傾向を知って、資産を分散させるといいと思う」
 元永の言葉に、香緒里は深く頷いた。

「最後に、『時間』。要はタイミングだね。例えば株価が暴落したタイミングで買えば、株価が元に戻れば大きな利益を得られる。ただ、そんなうまく買えることなんて非常に難しい。だったら、毎月定額で買い続けていれば、いつかそのタイミングで買えるかもしれない。そういうことだよ」

参考:「分散投資」の基本を徹底解説!資産形成に役立つ4つの方法とは?(モア・アンド・プラス)

「じゃあ、定期的に投資するよう設定して、ほったらかしてもいいんだ?」
「麻緒さん鋭い。定番の手法として、『ドルコスト平均法』という投資手法がある。一定期間、同じ金額で買い続ける手法だ。つまり、高い時には買える量が少なくなるけど、安い時には多く買える。結果的に、購入単価を平準化させる効果があるんだ」

参考:ドル・コスト平均法とは?(三井住友銀行)

「さあ、これでだいたいの概念は説明できた。次はお待ちかね、どんな商品があるのかを見ていこう」


注記
この物語は筆者の想像に基づいたフィクションであり、登場する人物、団体、および物語上の設定はすべて架空のものです。作中に登場する実在の地名や場所は物語を彩るための舞台装置として用いており、現実の出来事や人物とは関係がありません。

免責事項
・資産運用には元本割れなどのリスクが伴います。投資判断はご自身の判断と責任で行ってください。
・本記事は、執筆時点において公開されている情報をもとに構成したものであり、その正確性や有用性について、一切の保証をするものではありません。
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また次の作品でお会いできることを楽しみにしております。

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