【サテ会場の悲劇】キャロット無き大根餅と電波を失う仔羊|シンガポール旅⑪
**前回のおさらい**
アラブストリートはめっちゃアラブ感だけど原宿
トルコからの洗礼
ミルクティー映えするテ・タリ
サテを食う席なくね…?
前回の記事
**サテ道は険しく厳しい**

……席、一席も無くね……?
華金の夜という狂気の本番も相まってか、
50メートルほどある巨大な会場の中、
20名ほどが座れる長机が所狭しとビッシリ並んでいるのに、
すべての席が埋まっている。
サテ道、完全に舐めていた…!
俺たちが呑気にアラブでトルコアイスにヘラヘラしていた裏で、
現地ではすでに血で血を洗う席取り合戦が始まっていたのだ。
そこに丸腰でへらへらと戦地に赴いてしまった
アラフォーおじさん3人の愚行。
言い訳をさせてもらえるなら、
平日は駅のホームですら写真のように閑散としていたのだ。
完全にあの「誰もいないシンガポール」のぬるい意識のまま来てしまった。

一気に焦るおじさん3人。
手分けして会場の端から端まで席を探すことに。
最悪、この熱気あふれる外のサテ専用ストリートではなく、
ホーカーセンターの中の席でもいい。
いいのだが、せっかくここまで来たなら、
この煙モウモウの屋外カオスの中で五感を使って体験したいよね。
それが俺たちのサテ道。
…あった…!
本当に端っこ近辺に空いてた!
しかもラッキーなことに、
近くに日本人らしき人もグループで座っている。
異国の地の最果てで出会う同国人の安心感は格別だ。
そこにいるだけで安心。
そう、そこにいるだけで希望……!

ホッと胸を撫で下ろし
シンガポールの文化に倣って
ウェットティッシュを置いていざサテを買いに行く。

おじさんたちが頼んだお店は
豚、鶏、羊、エビ、イカとあり、
Aセットはそれぞれ5本ずつ、
Bセットはそれぞれ10本ずつ、
といった具合にメニューの組み合わせが決まっている。
おっちゃんが猛烈な煙の中で一生懸命にサテを焼いている姿を見たら、
そりゃあ「いっぱい食べたいよね!」ってなるのがおじさんのサガ。
欲望のままに、肉もエビもイカも大量に入っているセットを注文した。
料理が出来上がったら音とバイブで知らせてくれる
「例の四角い端末」を持たされ、一旦席に戻って待つことに。
完全なるフードコートスタイルである。
P『ホッケンミーも食いたいんだよね』
グルメ王Pの発言は、この旅において「上意」である。絶対王政。
…結構サテ頼んだけど大丈夫?
サテ道に反してない?
T『あ、キャロットケーキも食べたい』
…お、お前も…?
それにまたお前、そのガイドブック参照してるじゃんか。
大丈夫なんかよ。
前回不思議な味で翻弄されたよ?
▼ガイドブックで失敗した回▼
そんな心配をよそに
どっちも買ってくるわーとPはさっさと
屋台が並んでるホーカーセンターに吸い込まれていった。
…いや、しかし、
待てど暮らせどサテが来ない…!
これは試されてるのか…?
買い方ミスってしまったのか…?
サテ会場の最果てに取り残されたKとTは
サテにされる仔羊が如く不安になっていた。
ふと横を見ると近くの日本人(希望)は豪快にサテを喰らっている。
女性3人と男性1人というグループで
ちょっと夜の酒の肴に「その関係性、詳しく聞かせて?」
と問い詰めたくなるような絶妙な布陣だが、
今はそんな下世話な詮索をしている場合ではない。
彼らに「サテがどれくらいで届いたか」のタイム感を訊ねるのが最優先だ。
K『すみませんー…』
👩『???』
K「自分もサテ頼んだんすけどどれぐらい待ちました?」
👩『結構待ちましたよー20分ぐらい』
K(いや、もうそれ以上に待ってるんだけどな…)
K「あぁ…結構待ちますよね…」
👩『あ、もしかして……一回様子見に行った方がいいですよ!』
👩『それ、席が遠すぎて電波が届いてなくて反応してないだけかも!』
「それ」というのは、手元で静まり返っている、
出来上がったら音とバイブで知らせてくれるあの端末。
確かにここは会場の最果ての席。
でも、さすがに電波くらい届くだろ……?
だってここも同じサテ会場のテリトリー内でしょ……?
様子見に行ってきます、あざますとお礼をして
数歩歩いた、その瞬間。
ヴヴヴ…!ピーピー!
お前…!生きてたんかワレ…!
静まり返っていた端末が、
急にけたたましい電子音と小刻みな震えで自己主張を始めた。
マジかよ。ほんの数歩の距離で電波届いてなかった。
あの日本人(希望)の的確な助言がなかったら
サテを待ってカラカラに乾いたおじさん3人が出来るところだった。
ありがとう、女3・男1の日本人(希望)!
お前らの旅に幸あれ!
急いで引き渡し現場に向かうと、
ほんのりちょっと冷めかかったサテ達が
俺たちを寂しそうに迎えてくれた。
それらを両手に抱え、足早に最果ての席へと持ち帰る。

ようやく…ありつける…。
と思ったが、今度は一向にPが戻ってこない。
メッセージを送ると、
ホッケンミーの屋台が激混みで身動きが取れないらしい。
サテ…冷めちゃうね…
そこから数十分後、ようやくPが戦利品を抱えて帰還。
テーブルの上に、サテ、キャロットケーキ、ホッケンミーの
華金の主役たちがようやく出揃った。

結論。
サテ、ちょっと冷めてもめちゃくちゃ美味い。
大量のイカの串の下に、
香ばしいエビが10本近く隠れており、
信じられないほどボリューミー。
ホッケンミーは抜群の安定感。
完全に日本人好みの味付けで大満足である。
キャロットケーキは…

…キャ、キャロット要素は…?
あれ、なんだろ。ただの卵料理にしか見えないんだが。
説明を見てみよう。
米粉と大根で作った大根餅を卵や調味料と炒めたローカルフード
…だ、だから
キャ、キャロット要素は…?
大根餅…?
ラディッシュが…キャロット…?

ダメだ、何かしらの理由があるんだろうけど
ネーミングセンスの不条理さに脳の処理が追いつかない。
混乱しながら口に運んでみたが、
味は美味しい。うん、卵炒め。
ただ、料理名と実物のギャップがありすぎて、
おじさんの脳内メモリは完全にバグを起こしていた。
**いよいよクラブへ**
サテ道にてやはり洗礼を浴びたおじさん3人衆だが
いよいよ2日目の締めくくりに向かおうとする。
目指すは、シンガポール随一の規模を誇る巨大メガクラブ
「MARQUEE(マーキー)」。
そこはクラブの店内に本物の観覧車があり、
巨大なスライダーがそびえ立ち、
壁一面に巨大スクリーンが明滅する、
大人のための巨大娯楽施設である。
サテとビール、そこにホッケンミーと大根餅(キャロットケーキ)を
詰め込まれて破裂寸前になった重いお腹をさすりながら、
俺たちはタクシーに乗り込み、
シンガポールの煌びやかな夜の街をすっ飛ばしていった……。
**次回予告**
胃袋は限界、年齢もアラフォー。
そんなおじさん3人が、
世界最先端の爆音メガクラブ「MARQUEE」の門を叩く。
次回、シンガポール旅第12話。
ドレスコードの壁、押し寄せる世界のパリピたちの波。
そして、店内にそびえ立つ巨大ゴンドラに、おじさんがまさかの……!?
光と音の暴力の中、おじさん達のHPは完全にゼロへ。
今旅最大のカオスが、ついに幕を開ける!
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今日のクラブのナンパ運(?)を占ってから、
夜のMARQUEEへ潜入してください!
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➔to be continued…
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