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【山と温泉の物語】#05 増補版|ヘッテンを"使える装備"にする話

この記事は「山と温泉の物語」第5話の増補版です。
本編をまだ読んでいない方は、こちらからどうぞ。
👉【第5話・本編】森が真っ暗、ヘッドライトの話

---まだ明るいと思ってたのに

三俣山山頂の景色は最高だった。
風が気持ちよくて、雲がいい感じに流れてて。

写真を撮って、景色を眺めて、もう一枚撮って
——気がついたら、予定の時間をちょい過ぎていた。

下山の途中、法華院温泉山荘の前でもひと休み。
坊がつる湿原のキャンプ場を横目に通り過ぎて、また歩く。

それでも、まだ日没までは1時間以上ある。
「余裕、余裕」と思ってた。
——でも、樹林帯に入った瞬間。

空が消えて、森が一気に薄暗くなった。
足元の根っこも、段差も、よく見えない。
日没前なのに、もう夜みたいな雰囲気。

「あ、これか。昼でもライトが要るやつって、こういうことか」

ヘッテンを点けて、ようやくまともに歩けた。
あのとき、本当に持っててよかったと思った。


「持ってる」だけでは足りない

ヘッドライト(ヘッテン)は、小さくて、軽くて、しかも安い。

ザックに入れっぱなしにできる装備。
なので日帰りでも泊まりでも、いつも連れていくのが基本。
でも、持っているだけじゃ足りない。

いざというときに、すぐ使えるようになっているか。

これが今回のテーマ。
私が普段やっているチェックや工夫を、ぜんぶ紹介していきます。


1)出発前のルーティンワーク

ヘッドライトで一番ありがちな失敗が、
「久々に出したら点かなかった」問題。

「使わないから大丈夫」と思ってる時ほど、
いざ点けたら「あれ…?」ってなる。(あるある)

だから出発前に、かならず確認する。

チェックリスト:

  • 点灯チェック(明るさ・モード切替が正常か)

  • 充電式なら、前夜にフル充電(スマホと一緒に"同時ルーティン"にすると忘れない)

  • 電池式なら、入れっぱなし注意。定期交換 or 予備電池をセット

「山に行く前」の習慣にすれば、当日の慌てなくていい。
充電式だとスマホと一緒に充電器に刺しておくといい。

2)しまう場所も大事

ヘッドライトは、持っていても「出せなきゃ」意味がない。

暗くなって焦っているとき、ザックの奥をゴソゴソ探すのが一番危ない。焦りが焦りを呼ぶ。

しまい方のコツ:

  • ザックのトップポケットか、取り出しやすい場所を決める

  • 毎回、同じ場所に入れる(習慣にすると「どこだっけ」がなくなる)

  • ザックの奥に、封印しない

「暗くなる前に出す」のが理想だけど、実際は気づいたら暗くなってることが多い。なので取り出しやすさを優先すること。

3)スマホライトは"最終手段"にする

「スマホライトがあるから大丈夫」は、実は落とし穴。
実際に森で点けてみると、すぐわかる。

スマホライトの弱点:

  • 照らせる範囲が近すぎる(足元の「そこだけ」しか見えない)

  • 先が見えない、横が見えない

  • 点けっぱなしでバッテリーがぐんぐん減る

  • 連絡できない・地図が見れない状態になる

スマホは、山での命綱。地図・連絡・緊急時の通報——全部スマホが担ってる。そのバッテリーをライトで消費するのは、リスクが高い。

ライト役はヘッテンに任せて、スマホはいざという時のために温存する。

4)実戦の小ワザ

点けて歩くとき、ちょっとした使い方のコツで歩きやすさが変わる。

覚えておくと便利な3つ:

① 照射は「少し前の足元」に向ける
真下だけを照らすと、段差や根っこが読みにくい。少し前方に向けると、先の状況が見えて歩きやすくなる。

② 明るさは"強すぎない"設定で
MAXモードは目が疲れる。中程度の明るさの方が、長時間歩いても疲れにくい。バッテリーの持ちもよくなる。

③ 迷ったら一回止まる
焦りで早歩きになったら、一度立ち止まる。点けて、確認して、それから歩く。この「止まる・確認・歩く」の流れが、焦りの連鎖を断ち切るいちばんの方法。


登山の「三種の神器」と、その+α

日帰りではザックは20-30リットルぐらいが丁度いい。

登山を始めると、「三種の神器を揃えよう」とよく言われる。

  • ザック(体に合うやつ)

  • 登山靴(足は命)

  • レインウェア(雨だけじゃなく、防寒にもなる)

この3つは大事。山に登るなら、まずここから。
そして、「+α」とされるのが——ヘッドライト(ヘッテン)

「+α」って、なんかオマケっぽい響きじゃない?でも違うんよね。日帰りでも、低山でも、高山でも。暗くなったら、歩けない。 これは、絶対に変わらない。

考えてみると、ザックも登山靴もレインウェアも、明るいうちなら何とかなることもある。でも、ヘッドライトがないと暗闇では一歩も動けない。

……あれ?これって、もしかして——「+α」が、いちばん効くやつなんじゃない?

軽いし、小さいし、安い。なのに、効き目は大きい。
だから私は、「安心料」としてザックにいつも入れっぱなし。三種の神器の隣で、いちばん地味に役に立つものです。


今回の温泉:山恵の湯

建物はイメージです。実際に綺麗な温泉ホテルです。

下山後に立ち寄ったのは、九重星生ホテルの「山恵の湯」。

くじゅう連山のふもと、長者原の近くにある温泉。
場所は、牧ノ戸峠から降りてくる途中のエリア。

ここの最大の魅力は、登山口からとにかく近いこと。 下山してまだ汗が引かないうちに、もう温泉に浸かれる。疲れた体に本当にありがたい。

施設はきれいで広々していて、登山者の利用も多い。
日帰りでも入れやすい導線になっていて、配慮が行き届いて嬉しい。

4種の温泉と、16の湯船

山恵の湯のもうひとつの特徴が、泉質が4種類もあること。その起源は江戸末期に発見された「星生温泉」の酸性緑礬泉で、源泉地は九州でも高い場所(標高1,450m)にある希少な温泉。温泉自体は標高1000mほどのところにある。

16種類もの湯船があって、内湯から露天まで、組み合わせを変えながらゆっくり楽しめる。しかも、この4つの代表的なお風呂は、日帰り入浴でも楽しめます。

湯船はイメージです。ここまでの露天ロケーションではありませんが実際にいろいろな温泉が楽しめる

4種の泉質
①岩風呂(硫黄泉)→ 慢性皮膚病・切り傷
②打たせ湯 → 肩こり・筋肉痛
③冷泉岩風呂(17℃)→ 交互浴で代謝アップ
④桶風呂(酸性緑礬泉 pH2.1)→ 皮膚病・胃腸(飲泉可)

特におすすめなのが、「冷泉と熱め湯の交互浴」

冷泉(17℃)にキュッと浸かって、温かい岩風呂に戻る。これを数回繰り返すと、血流がぐっと良くなって、下山後の疲れがじわじわほぐれていく。

そして桶風呂の酸性緑礬泉は、なんと飲泉も可能
pH2.1という強酸性のお湯で、胃腸に効くといわれている。

目の前にはくじゅうの山々がどーん!
どこを見渡しても緑に囲まれた雄大な九重連山のパノラマ。

山恵の湯・利用情報

  • 日帰り入浴: 大人 1,000円(税込)

  • 営業時間: 10:00〜受付18:30まで

  • 冬季(12〜2月)平日: 受付17:00まで

  • 公式サイト: https://hosshouhotel.co.jp/hotspa/

くじゅう登山の帰りに、おすすめしたい一軒です。


サエのひとこと

最近は、ヘッテンが装備なんだけど、
お守りみたいにも思えてきた。

ザックを開けるたびに、
隅っこにあるヘッテンに目がいく。

「今日も持ってくんでしょ?」って、
言われてる気がする。

持ってくよ、日帰りでも何でも。

森が暗くなった時、「あぁ、いつものように歩ける」ってなる。これは安心感があるよね。一度そういうの経験すると、もう放せなくなっちゃいました。✨

📖 第6話、公開中です

「山で思い立ったら、もうやる」
——今回のサエは、四国・剣山でコーヒーを淹れます。

リフトで登れる百名山。山頂の展望ウッドテラスで、景色を眺めながらドリップの準備。でも山は容赦ない。いきなり風が来て、紙がぷるぷると……。

格闘しながら淹れた一杯の、あの「……うま」という瞬間。温泉は、専用ケーブルカーで登る"天空の露天風呂"。

👉【第6話】山のコーヒーは、私のご褒美。


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