第25話 | ツリーを買う|狙ってなかったこと
▼最初から読む
第1話|抱っこと決意|シングルファザーとなった最初の日https://note.com/fast_deer7937/n/n74aef03be245
クリスマスが近づいてきた頃。
子供たちが、
大きいクリスマスツリーが欲しい、
と言ってきた。
正直、この日は、
身体も痛くて、
気持ちもあまり上がっていなかった。
なので、少し突き放すように言った。
ツリーは買うけど、
作るのは要る人が作りんさい。
お父さんは、なくてもええ。
だいたい、男にとってツリーなんて、
あってもなくてもええもんじゃけぇ。
すると二人は、
絶対自分たちで作る、
と即答した。
とりあえずニトリに行って、
選ばせてみる。
二人が同時に指をさしたのは、
パピコの身長より、
少し高いくらいのツリーだった。
これ、作れるんか?
と聞くと、
二人は深くうなずいた。
少し面白くなって、
そのまま勢いで買って帰った。
家に着くと、
二人はすぐ箱を開けて、
黙々と作り始めた。
こちらは何も教えず、
もくもくと夕飯を作る。
しばらくして、
「できた」
と声がした。
説明書だけで、
飾りつけは二人の感覚だけ。
思っていたより、
ずっと立派だった。
上の星を、
「付けさせてあげる」
と言われた。
どうせ、
完成したあとで手が届かんかっただけじゃろ、
と、内心ほくそ笑みながら、
「ありがとう」
と言って星を付けた。
成長したな。
嬉しい、というより、
少し楽になった、
という感覚に近かった。
-------とっちゃRECO-------
この日のことを振り返ると、
特別な考えがあったわけではなかった。
身体がしんどくて、
ツリーにも特別な興味はなく、
夕飯の準備もあった。
結果として、
子供たちの作業に、
ほとんど関わらなかった。
普段なら、
たぶん口も出していたと思う。
手も貸していたし、
先回りしていたかもしれん。
ただ、この時は、
偶然、それをしなかった。
心理学では、
自分で選び、
自分で始めた行動ほど、
内発的動機づけが働きやすいとされている。
外からの介入が少ないほど、
集中は持続しやすい。
結果として、
二人は最後まで手を止めず、
完成させた。
こちらが与えたのは、
環境だけだった。
当時は、
そんな理屈は考えていない。
あとから振り返って、
ああ、そういうことだったのかと、
納得しただけ。
-------とっちゃRECO-------
▼初めての人へ
第43話|マカロン|誰も食べたこと無いもんを
https://note.com/fast_deer7937/n/ncbc90f4ef47f
▼次の話
第26話 | 完封勝ち | ゲームに勝って試合に負けた
▼最初から読む
第1話|抱っこと決意|シングルファザーとなった最初の日https://note.com/fast_deer7937/n/n74aef03be245
いいなと思ったら応援しよう!
ここまで読んでくれて、ほんまありがとうございます☕
もし「ええ話じゃな」と思うてくれたら、
あたたかい気持ちの応援をよろしくお願いします。
その気持ちが父ちゃんの力になって、
また明日もTPPは元気に綴っていけます🍀