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第39話|家族会議|無かったことにした話


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第35話 | 余裕の無い日々 | 誤差にした違和感
https://note.com/fast_deer7937/n/n939906ad4e58  

「少し話すか」
そこで、
あーちゃんが見たことを聞いた。

パピコが財布からお金を抜くところを
見つかったこと。

さらに、その時だけでなく、
財布の中身がたまに少なくなっていると
とっちゃが感じていたこと。

「今回が初めてじゃないよな?」

と聞くと、パピコは静かにうなずいた。

「とっちゃの財布からだけ?」

うん、とうなずく。
そして小さく
「ごめんなさい」
と言う。

「お金を取るのは、
 家族と言えどいけないことってのは
 分かるよな?」

もう一度うなずき、
ごめんなさい。

そこまで聞けたら、
自分も
「ごめん。悪かった」
と返した。

厳しく言いすぎとったこと。
忙しさを理由に、
ちゃんと見てやれんかったこと。

何より、
とっちゃの空気が良くなかったこと。

パピコは嫌なこと、
辛いことを、
とっちゃに相談できる
雰囲気じゃなかったんよな。

我慢がこじれてお金を取った。

おまえ達の悩みや相談は、
最優先で聞く。

我慢しないでほしい。

とっちゃも、
ピリピリした空気が
外に出ないよう頑張る。

子供たちは、
何か安心した顔になり、
静かになった。

「子ども部屋のSwitch。
 あれはその金で買ったんよな?」

少し間があって、「うん」。
正直な答えが返ってきた。
「ごめんなさい」。
その一言も小さかった。

叱ることもできた。
取り上げることもできた。
でも、それをやったら何が残る?

Switchの値段は三万いくら。
生活費のかたまりの中では、
小さい数字ではない。
でも、大きくもない。

この子のSOSだったと思えば、
安い買い物だと思えた。

少し黙ってから言った。

「それ、俺が買ったことにしよう。
 この話はそれで終わりにしようや」

パピコが顔を上げる。
「それでええん?」
「ええ」
それを聞くと、
パピコは泣きながらありがとうと言った。

この何日か、
心配そうに見ているしかなかった
ピノも寄ってきて、
「いいの?」
と聞いてきた。

なるほど、
嘘を共有していた罪悪感があったのだろう。
ピノは全て知っていたのかもしれない。

ピノにも
「ええよ。もったいないしな」
と笑いかけてやった。

自分の時代なら、
母が怒髪天で怒っただろうか。

いじめのストレス。
親からのストレス。
それらが重なっとったかもしれん。

この問題は、
叱って諭すだけで終わらせるのは違う気がした。
なにか、楽しいで上書きしてやりたかった。

「この話はこれでおしまい」

そう言った後、
初ソフトは何にするか、
家族会議が始まった。

この終わらせ方について、
友人と協議すると
見事に賛否分かれた。

ここまで詳しく長々と
話をしなかったのもあるが、

男性は圧倒的に、
「もっとちゃんと叱るべき。
 とっちゃは甘い。」
と言われた。

賛同してくれる人も
おったんじゃけどな。

ほんま、
どうすりゃえかったんかなぁ。


今でも、

ちょっと分からんままじゃ。

-------とっちゃRECO-------

今回の件で感じたのは、
子どもが問題を起こしたとき、
親はまず「叱るかどうか」を
考える時間が必要だということ。

Switchを見つけたとき、
その場で問い詰めず、
少し冷静になれたのは大きかったと思う。

怒りが先に出ると、
どうしても強い言葉をぶつけてしまう。

自分もそういうことが何度もあった。

でも今回は、
怒る前に「何か理由がある」、
そんな気がした。

心理学では、
子どもの問題行動は
「SOSのサイン」
として現れることがあると言われている。

盗みや反抗、暴言。
行動だけを見るとただの問題。
でも、その裏には不安やストレス、
助けてほしいという気持ちが
隠れていることもある。

今回のことは、
普段の問題行動とは
少し毛色が違うように感じた。

なぜこんなことをしたんだろう、
と考えさせられた。

少なくとも、
自分がピリピリした空気を
家に持ち込んでいたのは間違いない。

それが、
子どもたちにとって
良くない空気を作っていたのかもしれない。

あのとき、
どうするべきか本当に迷った。

でも、
全てが明らかになったとき、
パピコを叱るでなく、
ただSwitchをゲットした結果だけにしてやろうと、
自然に思うことができた。

ちなみに初ソフトは、
家族会議の結果、

「Switchは子供らで買ったんじゃけぇ、
 ソフトはとっちゃ権限」

ということでまとまり、
ドラゴンボールファイターズZになった。

-------とっちゃRECO-------

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第1話|抱っこと決意|シングルファザーとなった最初の日https://note.com/fast_deer7937/n/n74aef03be245  

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