第18話|夜中の電話|思っとったんと違う
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第1話|抱っこと決意|シングルファザーとなった最初の日https://note.com/fast_deer7937/n/n74aef03be245
うちの家系は、風邪でも簡単に39度を越える。
自分もそうじゃったし、ピノも例外じゃない。
だから、高熱=即大騒ぎ、
という感覚は、正直あまりなかった。
今回、熱が出た日は、
どうしても仕事を休めん日じゃった。
妻の母にお願いして、ピノを預かってもらい、
翌日も外せん仕事があったので、
そのままもう一日、見てもらうことになった。
パピコを寝かしつけて、
明日の準備をしている頃、
突然、お母さんから電話があった。
熱が下がらん、という。
薬はもちろん頓服も飲んでるとのこと。
氷枕のことや、体の冷やし方を話して、
「お願いします」
と電話を切ったが、
しばらくして、また電話が来た。
「あの……42度まであがったんじゃけど……」
一瞬、頭が真っ白になった。
「すいません。救急車、呼んでください」
昔、夜中に救急の相談窓口へ電話したことがある。
そのとき、懇切丁寧に教えてくれた看護師さんから、
「42度を越えたら救急車でいいですよ」
と言われたことがあって、
その言葉が、そのまま口から出た。
電話を切って、
自分もすぐに病院へ向かった。
車の中で、ピノの顔が何度も浮かぶ。
大丈夫じゃろうか。
意識はあるんじゃろうか。
焦る気持ちと、冷静にならんと、という思いが、
入り混じっとった。
そんなわしの気持ちはどこ吹く風、
病院に着いたとき、ピノはけろっとしとった。
泣きもせず、機嫌も悪くない。
ただ、顔に触れると、確かに熱かった。
40度を越えとる割に、
あまりに普通で、
少し拍子抜けしたと同時に、ほっとした。
座薬を入れてもらい、
しばらくして、
熱が下がったピノは、そのまま眠りについた。
その後、
「高熱も出とるし、今日は引き取ってもらえる?」
と言われ、
そりゃそうじゃ、と思って、
ピノを連れて帰った。
で、結局翌日は会社を休んだ。
仕方がない。
朝、病院で検査をしてもらい、
出た薬を飲ませると、
その日中になんとか落ち着いた。
インフルエンザでもなく、
ただの風邪じゃった。
あの夜は、気持ちが上がり下がりして、
何が正解かわからんかったけど、
救急車を呼ぶってのは、
これから先も経験したくない。
-------とっちゃRECO-------
高熱の判断は、
体調そのものより、
「誰がその場にいるか」で変わりやすい。
目の前で見とれば、
様子や反応で考えられることも、
電話越しになると、
判断材料は一気に減る。
その分、数字や過去に聞いた言葉が、
判断の軸になりやすい。
42度という数字も、
それだけで救急車、というのは、
今思えば、判断が少し荒かったかもしれん。
あの時の様子を見られとれば、
自家用車でも良かったんじゃないか?
そう感じることもある。
データや知識、人の経験は、
入れておくに越したことはない。
-------とっちゃRECO-------
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