第34話|リレー特訓|フォームの変化
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第1話|抱っこと決意|シングルファザーとなった最初の日https://note.com/fast_deer7937/n/n74aef03be245
夕飯のとき、
パピコが思い出したように言った。
「私、リレーの選手に選ばれた」
少し間を置いて、
「でも私が一番遅いんよ」
選ばれなかった頃は、
足の速さなんて気にもしていなかったのに、
いざ選ばれると、
負けたくなくなったらしい。
顔がまじじゃった。
それだけで目頭が熱くなる。
「明日、特訓するか」
ただ、陸上は素人。
しかも、我が子に何かを教えるとき、
どうしても熱くなってしまう。
夕飯後、
足を速くする方法と、
子どもへの指導について徹底的に調べた。
分かってはいたが、
やはり一番大事なのは、
怒らないこと。
どうやるか。
他人の子を教えるようにやる。
それが自分には最適解だと感じた。
広い公園。
まずは一本、動画を撮る。
腕の振り、目線、姿勢を確認。
もう一本。
少しずつ良くなる。
---ピノはシャボン玉で遊びよる。
何本か重ねる。
タスキを渡されて走る感覚を意識させる。
タスキ、作ってくりゃ良かった。
イメージも出来てきたようなので、
フォームを見せると、
本人も頷く。
---ピノは知らん子と鬼ごっこ始めとる。
さらに走る。
より前傾になったフォームが固まってきた。
明らかに速くなっている。
---ピノは草っぱらで寝始めた。
ほんま自由な子じゃ。
終わる頃には、
走り方が変わっとった。
パピコは画面を見て、
満足そうに笑う。
確かに、速くなっとる。
帰りはパピコのリクエストでラーメン。
麺をすすりながら思った。
俺も、やればできるやん。
-------とっちゃRECO-------
この日やったことは、実は単純。
① まず調べる
感情より先に、方法を入れる。
知識があると、無駄に怒らずに済む。
② 一度走らせて動画を撮る
感覚で言わない。
「さっきより良くなっとる」を本人に見せる。
③ 一度に一つだけ修正する
腕か、姿勢か、目線か。
全部言わない。
そして一番効いたのは、
他人の子を教えるつもりで話すこと。
距離を少しだけ置くと、声が低くなる。
これが、自分には向いとった。
その場で思いつきでやらず、
一晩置いて準備する。
でもこの「間を置く」が、
ほんまに難しい。
-------とっちゃRECO-------
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