Cursorの「ルールファイル(.mdc)」とは? .mdとの決定的な違いと使い分け
こんにちは、松本佑太です。
「AIに指示書を渡したのに、読んでくれない」
「設定したはずのルールが、なぜか無視される」
Cursorを使っていて、こんなもどかしさを感じたことはありませんか?
プロンプトを何度も書き直したり、チャットで「さっき言ったよね?」と問い詰めたり。
実はその原因、あなたの指示が悪いのではありません。
「ファイルの拡張子」と「置き場所」が間違っているだけかもしれません。
今日は、多くのCursorユーザーが見落としている、しかし極めて重要な「.mdcファイル」について解説します。
たった1文字、拡張子を変えるだけで、あなたのAIは劇的に賢くなります。
決定的な違いは「誰が読むか」

Cursorには、似て非なる2つのファイル形式が存在します。
「.md」と「.mdc」です。
この2つの決定的な違いは、「誰のために書かれたものか」という点にあります。
.md (Markdown):人間が読むためのメモ
普段私たちが使っている `.md` ファイルは、基本的に人間が読むためのものです。
AIにとって、これは単なる「テキストデータ」に過ぎません。
あなたが「これを読んで」と明示的に指示しない限り、AIは自分からこのファイルを読みに行くことはありません。つまり、受動的なのです。
.mdc (Markdown for Cursor):AIが読むための命令書
一方で `.mdc` ファイルは、AIが読むために作られた特別なファイルです。
CursorのAIは、この拡張子がついたファイルを「自分への指令書(ルール)」として認識します。
そして、条件さえ合えば、あなたが指示しなくても能動的に読みに行き、その内容を実行しようとします。
「ルールを書いたのに守ってくれない」という悩みの大半は、AIへの命令書(.mdc)であるべきものを、ただのメモ(.md)として保存してしまっていることに起因しています。
なぜ「.cursorrules」だけでは足りないのか

「ルールなら、`.cursorrules` に書けばいいのでは?」と思った方もいるかもしれません。
確かに、`.cursorrules` でもプロジェクト全体のルールを設定できますし、設定次第で特定のファイルにのみ適用することも可能です。
しかし、すべてのルールを `.cursorrules` という「たった一つのファイル」で管理しようとすると、すぐに限界が訪れます。
記事執筆のルール、コーディングのルール、特定の言語のルール……これら全てを1つのファイルに詰め込むと、管理が煩雑になり、AIにとっても「どのルールが重要なのか」が分かりにくくなってしまいます。
そこで登場するのが .mdc です。
.mdc ファイルを使えば、「記事執筆用」「コーディング用」といった目的ごとにファイルを分割し、それぞれに適用条件(globs)を定義できます。
これにより、ルールが整理され、AIも人間も管理しやすくなるのです。
実践!AIを賢くする「ドットフォルダ」活用術

では、具体的にどうすればいいのか。
答えはシンプルです。「正しい場所に、正しい名前で置く」。これだけです。
Cursorには、AIが必ずチェックする「聖域」のようなフォルダが存在します。
それが `.cursor/rules/` です。
推奨フォルダ構成
プロジェクト(Vault)の直下に、以下のような構成を作ってください。
Project_Root/
└ .cursor/
└ rules/
├ writing_rule.mdc (記事執筆用のルール)
└ coding_rule.mdc (コーディング用のルール)この `.cursor/rules/` フォルダの中に `.mdc` ファイルを置くことで、Cursorはそれを「正式なルール」として認識します。
.mdcファイルの書き方
`.mdc` ファイルの先頭には、Frontmatter(フロントマター) と呼ばれる設定情報を記述します。
これが「いつ、このルールを発動させるか」のトリガーになります。
---
description: 記事を作成または編集する際に常に適用する
globs: note/**/*.md
---
# 記事作成のルール
1. 文体は「です・ます」調で統一すること
2. 専門用語には必ず解説を入れること
...description: AIに「このルールは何のためのものか」を伝えます。AIはこの説明を見て、ルールを使うかどうか判断します。
globs: どのファイルに対してこのルールを適用するかを指定します。例では `note` フォルダ以下の全ての `.md` ファイルを指定しています。
これだけで、`note` フォルダで記事を書いている時、AIは自動的にこのルールを読み込み、遵守してくれるようになります。
私の活用事例:「記事執筆」と「日記」の使い分け
私はこの機能を使い、「日記」と「記事執筆」でAIの挙動を完全に切り替えています。
日記 (`journal/` フォルダ)
拡張子: `.md`
ルール: なし
AIの挙動: 私の思考を邪魔せず、自由に書かせてくれる。
記事執筆 (`note/` フォルダ)
拡張子: `.md` (記事自体)
ルール: `.cursor/rules/writing.mdc` で制御
AIの挙動: 「プロの編集者」として、文体や構成を厳しくチェックしてくれる。
このように、場所によってAIの「人格」を使い分けることができるのが、`.mdc` の最大の強みです。
結論:ツールへの理解は、パートナーへの敬意

「AIが思い通りに動かない」と嘆く前に、私たちがAIの「言葉」を理解しているか、振り返ってみる必要があります。

人間には人間用の `.md` を。
AIにはAI用の `.mdc` を。
この小さな使い分けが、AIとの関係性を劇的に変えます。
それは単なる効率化ではなく、AIというパートナーに対する「敬意」の表れでもあります。
今日から、あなたのルールの拡張子を `.md` から `.mdc` に変えてみてください。
きっと、AIは「やっと分かってくれたんですね」と、最高の仕事で応えてくれるはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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