『あなたのため』と言いながら、私は自分の不安を押し付けていた。

子育てをしていると、
「もっとこうしたらうまくいくのに」
「なんでここで諦めちゃうの?」
そんな言葉が、喉元まで
込み上げてくることはありませんか?
宿題に向かう我が子の背中を見ているとき。
習い事で悔しそうにしている姿を見たとき。
友達とのトラブルを聞いたとき。
親だからこそ、なんとかしてあげたい。
失敗してほしくない。
遠回りせずに幸せになってほしい。
そんな願いがあるからこそ、
つい口を出したくなるんですよね。
でもある日、私はデンマークの
「サッカー協会の10か条」について
書かれた本を読みました。
スポーツの話なのに、
なぜか胸の奥をぐっと掴まれたんです。
その中でも、特に
心に残ったのがこの言葉でした。
子どもの体を守ること。
しかし子どもたちの
魂まで踏み込んではいけない。
その瞬間、私はハッとしました。
もしかして私は、
子どもの人生を応援しているつもりで、
子どもの心の領域にまで
入り込もうとしていたのではないか。
そんな問いが浮かんだのです。
子どもが主役の人生を、横で見守る。
言葉にすると簡単ですが、
これが本当に難しい。
親になると、
「この子のために」
という気持ちがとても強くなります。
勉強も。
習い事も。
友達関係も。
将来の進路も。
できるだけ失敗しないように。
傷つかないように。
幸せになれるように。
私たちは、必死に先回りします。
でも時々、その優しさが
大きくなりすぎてしまうことがあります。
「あなたのためを思って言ってるの」
という言葉の裏側に、
実は親自身の
不安や期待が
隠れていることもあるんですよね。
私自身もそうでした。
保育士として働いていた頃から、
「子どもには自分で考える力が大切」
と分かっていたはずなのに、
我が子のことになると別でした。
「もっと頑張ればできるのに」
「今やらないと後悔するかもしれない」
そんな思いが先に立って、
気づけば答えを教えようとしている。
気づけばレールを敷こうとしている。
そんな自分がいました。
デンマークのサッカー協会の10か条には
こんな言葉もあります。
アドバイスはしても、考えを押し付けない
これもまた、耳が痛い言葉でした。
だって私たち大人は、
人生経験があります。
失敗もしてきました。
だからこそ、
「あ、その道は危ないよ」
と教えたくなる。
でも考えてみると、
私たちだって誰かに
正解を押し付けられながら
生きてきたわけではありません。
たくさん失敗して、
遠回りして、
時には転んで。
その経験があったからこそ、
今の自分があります。
子どもも同じなんですよね。
転ばない人生ではなく、
転んでも立ち上がれる人生の方が強い。
そのためには
大人が答えを与え続けるよりも、
子ども自身が考える機会を
残してあげることが大切なのかもしれません。
保育士としてたくさんの
子どもたちを見てきて感じることがあります。
子どもが本当に成長するときは、
大人に言われたからではなく、
「自分でやりたい」
と思えたときです。
好きなことを見つけたとき。
夢中になれることに出会ったとき。
子どもは驚くほどの力を発揮します。
そこには、
やらされる努力ではなく、
自分で選んだ挑戦があります。
だから私たち大人にできることは、
引っ張ることではなく、
支えること。
答えを与えることではなく、
考える時間を信じること。
レールを敷くことではなく、
転んだときに
戻ってこられる場所になること。
そんな存在なのかもしれません。
私たち親が本当に守るべきなのは、
子どもの「体」です。
危険なことから守る。
健康を守る。
安心して眠れる環境を作る。
それは親の大切な役目です。
でも
子どもの「魂」は別。
何を好きになるか。
どんな夢を持つか。
どんな人生を選ぶか。
そこは子ども自身の領域です。
親のものではありません。
だからこそ、
踏み込みすぎない。
コントロールしようとしない。
信じて待つ。
それができたとき
子どもは自分の足で
歩き始めるのだと思います。
もし今、
「この子のために頑張らなきゃ」
と肩に力が入っているなら、
少しだけ思い出してみてください。
子どもの人生の主役は、子ども自身。
私たちは、
その物語を一番近くで
応援できる
特等席に座らせてもらっている存在です。
だから全部を背負わなくていい。
全部を正そうとしなくていい。
今日も隣で見守っているだけで、
十分すぎるほど価値があります。
子どもの体は守る。
でも、魂には踏み込まない。
その優しい距離感が
親にも子どもにも、
心地よい自由をくれるのかもしれません。
今日も一日、本当にお疲れさまでした。
みなさんは、
お子さんについ口を出しすぎてしまったな…
と感じることはありますか?
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