8割が経験する"AI導入の停滞"、犯人は技術ではなかった
金曜の夜21時。問い合わせ窓口の責任者であるあなたは、まだオフィスに残っている。
日中に積み残した一次対応の電話。ベテランオペレーターが急に退職した穴。マニュアルに載っていない問い合わせを、結局あなた自身が引き取って捌いている。「AIを導入すれば、この状況は変わるはずだ」——半年前、そう信じて稟議を通したはずだった。
ところが、AIは思ったように動いてくれない。「自社の業務フローに合わない」「回答の精度が出ない」。気づけばプロジェクトは止まり、現場の負荷はあの頃と何も変わっていない。
——もし、この情景に少しでも心当たりがあるなら。それは、あなたの会社だけの問題ではありません。
私たちFoonz株式会社が、従業員100名以上の企業で問い合わせ対応に関わる担当者・責任者1,002名に行った調査(2026年5月実施)では、AI導入につまずく企業に共通する「ある見えない壁」の存在が、はっきりと数字に表れていました。
この記事では、その壁の正体と、乗り越えるための現実的な一手をお伝えします。
セクション1:「AIを入れれば楽になる」——その期待が、なぜ裏切られるのか
まず、現在地を確認しましょう。
調査では、すでに約8割の企業が問い合わせ対応へのAI導入を進めていることがわかりました。もはやAIは「検討する技術」ではなく「使い始める技術」になっています。
ただし、その中身を見ると景色が変わります。最も多かったのは「全社的に本格導入」ではなく、「一部の業務や部門に限定して導入している」(46.3%)。多くの企業が、まずは小さく試しながら手探りで広げているのが実態です。
そして、なぜAIを入れるのか。その目的の1位は——
オペレーター・担当者の業務負荷の軽減:52.7%
人手不足の解消:48.7%
コスト削減(27.5%)や品質向上(28.5%)を大きく上回り、「目の前の業務を回すための人手の補完」という、現場の切実な悲鳴がそのまま導入理由になっていました。
期待は明確です。「AIに任せて、人を楽にしたい」。 ところが現実には、その期待を裏切る"停滞"が、驚くほど多くの現場で起きています。
調査では、約8割(81.2%)の企業が、AIプロジェクトの停滞や見送りを経験したと回答しました。これは「なんとなく不安」というレベルの話ではありません。投じた時間と予算が、成果に結びつかないまま止まっている——具体的な機会損失が、すでに各所で発生しているということです。
では、その犯人は誰なのか。 最新のAIの性能が足りないのでしょうか。それとも——。
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セクション2:真の壁は「AIの外側」にあった
調査結果は、私たちの予想を裏切るものでした。
プロジェクトを停滞させた要因として現場が挙げたのは、AIの機能や精度ではありません。上位に並んだのは、すべて「AIに学習させる前の、自社側の準備不足」だったのです。
問い合わせ内容のカテゴリー分類・パターンの構造化:47.0%
過去データ・履歴の収集と整理:45.9%
業務フローの標準化・ルール策定:41.7%
この3つを、それぞれ「属人化」「データ未整理」「ルール不在」と言い換えると、現場の風景がくっきり見えてきます。
壁①:仕事が「人」に貼りついている(属人化)
調査では、問い合わせ対応業務について約7割が「個人の経験やスキルに依存している」と回答しました(「裁量に依存する部分も多い」50.3%+「属人化している部分が多い」18.8%)。一方で「明確に整備・標準化されている」はわずか27.4%。
AIは、整理されたルールを学習して初めて機能します。ベテランの頭の中にしか答えがない状態では、そもそもAIに教えるべき"正解"が存在しないのです。
壁②:データはあるのに、使えない(未整理)
「過去の履歴データならある」——多くの企業がそう言います。実際、蓄積自体は約8割が進めています。
しかし最多の回答は「表記揺れや重複があり、整理が必要な状態」(46.9%)。AIが読み込める形に構造化(階層化・タグ付け)できている企業は約3割にとどまりました。データは"在庫"としては存在しても、"学習教材"としては使えない。ここに大きなギャップがあります。
壁③:進める人がいない(体制)
さらに、AI導入を主導する社内体制は、専任を置けている企業が3割未満(25.9%)。約半数(47.4%)は通常業務と並行する「兼務担当」がプロジェクトを背負っていました。
つまり多くの現場は、属人化を解きほぐし、データを整理し、それを片手間でやらなければならない——という三重苦に直面しているわけです。
💡あわせて読みたい
この「属人化・データ・体制」の壁を、何からどう崩していくか。
具体的な進め方をステップで解説した記事もあります。
▶ AI問い合わせ自動化|導入準備で決まる成否と進め方
https://sokucom.cloud/contents/information/information-2569/
「完璧に整えてから導入」という、従来手法の限界
ここで多くの企業が陥るのが、「まず社内のデータと業務を完璧に整えてから、AIを導入しよう」という発想です。一見、正しく見えます。
しかし考えてみてください。データ整理も標準化も、本来は専門部署が腰を据えて取り組むべき大仕事。それを兼務担当が日々の電話対応の合間にやり切るのは、現実的にほぼ不可能です。「準備が終わったら始める」と決めた瞬間、プロジェクトは"いつまでも始まらない"状態に固定されてしまう。これが、8割が停滞する構造的な理由です。
解決の糸口は、現場自身が出していた
興味深いことに、当の現場担当者たちは「最優先で取り組むべき準備」を正しく理解していました。
問い合わせ内容のカテゴリー分類・構造化:28.1%
過去データ・履歴の収集と整理:27.8%
業務フローの標準化・ルール策定:26.1%
最新システム選びよりも、「情報の整理」と「ルールの標準化」という地道な土台作りこそが成功への最短ルートだと、現場は肌で知っているのです。
問題は「何をすべきか分からない」ことではなく、「分かっているのに、自社だけでやり切るリソースがない」こと。だとすれば、解は一つしかありません。
完璧な土台ができるのを待つのではなく、土台作りから一緒に走ってくれるパートナーと、小さく始めること。
実際、本調査で現場が最も実用的だと答えたAIの使い方は、「AIが一次受けし、未解決なら有人へ引き継ぐ」(34.0%)という形でした。この理想のフローは、データが完璧でなくても、一部の業務から段階的に構築していくことが可能です。
私たちFoonzが提供する伴走型AIエージェント『ソクコム』は、まさにこの考え方から生まれました。
使いたい機能だけを、1ユーザー月額1,480円〜。 PBX、IVR、SMS、自動音声——必要な機能から最小構成でスモールスタートできます。
「AI一次受け→有人引き継ぎ」を、そのまま設計できる三層構造IVR。 現場が求めた理想のフローを、システム上で組み立てられます。
サポート担当者が"伴走"する。 システムを渡して終わりではなく、事前の環境整備から一緒に最適化していく。兼務担当の方の隣に、いつも相談できる人がいる状態を作ります。
「データが整っていないから、まだAIは無理」——そう諦めていた8割の企業にこそ、別の選択肢があることを知ってほしいのです。
セクション3:AIは、人を縛るためにあるのではない
最後に、私たちが大切にしている考えを少しだけ。
AI導入の議論は、ともすれば「いかに自動化率を上げるか」「いかに人を減らすか」に偏りがちです。しかし、この調査で1,002人の現場担当者が語った導入目的の本質は、もっとシンプルでした。
目の前の人を、楽にしたい。
金曜の夜に電話を取り続けるあなたを、その席から解放したい。ベテランの暗黙知を、組織の財産として残したい。人にしかできない、丁寧で温かい対応に、もっと時間を使えるようにしたい——。
AIは、人を機械の歯車に縛りつける道具ではありません。私たちは、AIを「人を縛るのではなく、解放するためのシステム」だと考えています。だからこそソクコムは、機能を売るのではなく、現場に寄り添い、無理なく定着するまで伴走することにこだわっています。
完璧な準備が整うのを待っているうちに、現場はまた一日、疲弊していきます。 大切なのは、完璧さではなく、「正しい一歩を、今日踏み出せるか」。
その最初の一歩を、私たちと一緒に考えてみませんか。
▼調査の詳細はこちら
https://sokucom.cloud/contents/whitepaper/whitepaper-260527/
【お問い合わせはこちら】
https://sokucom.cloud/contact/
【AIエージェント『ソクコム』】
https://sokucom.cloud/
出典:Foonz株式会社「AI問い合わせ対応の導入における前提条件」に関する調査(調査期間:2026年5月11日〜12日/調査方法:PRIZMAによるインターネット調査/調査人数:1,002人/調査対象:従業員100名以上の企業で問い合わせ対応業務に関与する担当者・責任者)
