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['25 コンサドーレ] vs.徳島ヴォルティス 〜目指すべき姿〜

2025明治安田J2リーグは第8節。

札幌は前節で連勝がストップした。ホーム3戦目にしてホーム初勝利を狙う今節。もう一度、戦い方を整理し再び上昇気流に乗っていけるか。相性の良い徳島相手に負けは許されない。

徳島は直近5試合で1勝3分1敗と勝ち点は稼げているが勝ちきれない試合が続く。強固な守備にも少し不安感が漂う試合も最近は増えてきたか。公式戦アウェイ3連戦最初の今節で、前節の勝利からバトンを繋げることができるか。

↓今節のハイライトはこちらから。

↓徳島戦前の戦術チェックはこちらから。

↓前節の記事はこちらから。

↓2025シーズンの各節の振り返りはこちらから見れます。


試合概要・スタメン

まずは試合概要から。

試合データ

結果は1-0で札幌が今シーズンホーム初勝利を挙げた。
データ的には五分なところも多いが、その中でシュート数や期待値などを上回っている札幌が押し込み続け最後の最後で均衡を破った。

では、試合の方に入っていきます。


スタメン

札幌は前節から2枚替え。
注目は左SBに入った高嶺。元のCHの位置には木戸が入った。そして、最前線には白井が今シーズン初スタメン。キャンプ中のアマドゥ・白井の2トップコンビがようやくみられる。

徳島は1枚替え。
シャドーの重廣に代えて杉森。直近ではアウェイ長崎戦同様のメンツ。


最適解はこれか

まずは札幌保持時から。

今節はスタメンのところから4-4-2配置で示しているように、いつもの4バックでの入り口。GP小次郎をビルドに入れる機会はほとんどなかったが、4枚での保持に対して徳島は2,3枚でかけてくるので数的に優位な状態。なので、わざわざ低い位置からGPを入れて+1にする必要性はない。

左サイドのところには高嶺が入る。その意味としては、フィードのところでの正確性と左サイドでオープンに持てる(左サイドで左足で持てる)ので前を向いた状態で前線にボールを入れていける・運び込めるというのがある。


前線に目をやると、ここ2試合くらい話題になっている「アマドゥおりすぎなのでは問題」だが、今節は前線に固定させてそこにボールが集まるようにしていた。この後も話が出ると思うが、今節は割り切ってロングで前線に当てて押し込んでいく形でやっていたので、それを収める・起点を作るためにもアマドゥが前線で固定された。なので、今節は下りすぎて引き出すとかサイドに流れるとかはなかった。そういう意味も含めて、良いフィードを送れる高嶺をSB配置にしてボールを供給できるようにしていると考える。

右サイドでは家泉が、左サイドでは高嶺が、と両サイドからフィードできるようにそれぞれ発射台を設置しているのでどのサイドからも前進・押し込みのきっかけを作ることができる。

アマドゥの本来持つポストプレーの力を活かす方向で攻撃を進めていくことを選択した今節である。秋田戦のような戦い方に回帰した。


アマドゥに入れていくだけでなく、その相方である白井もウラへの動きで前線深くへ入っていこうという動きがあった。アマドゥは固定で白井はウラ引っ張りながらDFライン押し下げたり。と2トップのバランスをとる。
上図のように左サイドでは前述の通り、高嶺から前線に入れていくのでそれを白井が受けるという。

このシーンでは、白井がよりウラへ動きやすくなるために、高嶺が持った時に青木がワイドに張ることで徳島の右WB エウシーニョ(青木のマーク)を引き付ける。徳島としてはpressingの連動からできるだけ高い位置で回収したい。そのためエウシーニョも前に出ていく。

すると、白井はインサイドで留まっているのでそのマークのCBは外へスライドできない。そのため、徳島のWB-CB間にゲートが開いてしまう。いわゆるチャンネル的なやつ。それを故意的?に生み出して白井がより背後を取れる・CBと1v1の状態にできるようになった。

戦術チェックでも書いたように、エウシーニョに限らず徳島のWBは大外のマークに飛び出していく習性があるのでその背後がよく空く。それをうまく突いた形を作りやすい。


札幌の攻撃の話をもっとする前に一度、徳島の守備について確認しておく。

徳島はベースの3-4-2-1から5-2-3の形へ。これまでの試合では、4バックで守ったりするシーンもあったが今節は入りから5バックを選択。

試合前のインタビューでは増田監督は「札幌の個に対してグループで守る」というコメントをしていたり、以下のポスト内で話しているように札幌の個などの力を評価している。そのため、4-4-2でマンツーでやっても1v1のところではがされやすいと考えたのだろう。よって、5バックを敷くことである程度枚数で対応しようという方針になった。


そして、pressingのところでは上図のようにトップの渡とボールサイドのシャドーが2枚が限定しながらスイッチを入れていく。この際に、逆のシャドーは一個下がり5-3-2のような形に変形する。これはこれまでの試合でもあったし、ほかのクラブもよくやっている5-2-3の2の脇のスペースの埋める策である。

ただ、サイドに限定したとしても徳島は札幌の高尾にボールが渡った時にシャドーの杉本が出るのか・WBの高木が出るのかでその後の対応が変わってくる。

↓以下


杉本がそのまま高尾にpressingいくなら後方は5バックを敷いておけるのでなんとか枚数で対応することができる。

渡・杉本のpressingのところでの労力はかかってしまうが中盤のスライドと、一番やられたくない自陣深くでは枚数が担保されているので危険度を下げていける。


しかし、この場面でWBの高木が高尾のところに出る(杉本が高尾までいけない)となると、その背後を取られるかつ札幌のワイド近藤もウラを狙っているのでカバーにCBを繰り出してしまうと、キーマンであるアマドゥのところが山田と1v1の状態になる。札幌としてはアマドゥに放り込めば収まる確率が高まる。徳島は避けたかった形になってしまいグループでの対応という形にはできない。

先ほどの左サイドのところでも出たように、徳島はWBが出ていかなくてはならなく状態になる or その習性を改善できない。そして、その背後やWBが前に出ることでターゲットのところで1v1になるなど…押し込まれるきっかけを相手に与えてしまう。

そういった現象もあり札幌はうまく相手を引き出して、それをウラ返すようにロングやアマドゥに当てることで無理やりにでも前線にボールを送り込んで前進。それでこぼれたとしてもそのセカンド回収を行いながら押し込んでアタックへ展開していく。なので、今節は前半から支配しているような感覚でありビルドのところでリスクを負わずに割り切っていたのでヒヤヒヤするシーンもそこまでなかった印象。


機能性pressing

逆の立場で徳島保持時を見る。

徳島はベースの3-4-2-1から形を変えずに繋ぐ場面もありながら、札幌同様にシンプルにトップ周辺にボールを送り込んでいく。ターゲットになるのは渡で、ここまでの試合でも渡は良い引き出しとキープ力、そして献身性のある動き出しで後方からのボールを引き出す。今節もうまく収まっていた印象。

渡の周辺には2シャドーとCHも絡んでくるので、サポートやアタックへの枚数掛けは十分である。


そんな徳島に対して札幌は枚数をはめながらのpressing。

徳島は3+2でのビルドの入り口である。
最初の3CBに対しては2トップのアマドゥ・白井に加えて、右ワイドの近藤を一個前において合わせて3枚で同数。

pressingのところで1stプレッシャーのアマドゥが右方向に限定して、右高い位置に出てきている近藤が取り切ってカウンターという形もあった。札幌としては武器である近藤を攻撃に常に参加させたい(仕掛けさせる、逆サイドにボールある時はクロスに入らせる)ので近藤を高い位置に置いた状態で守備をする。ホーム開幕戦の千葉戦も同様な形でpressingしており、かなりはまっていた。以下の一連のポスト見るとわかります。


近藤を繰り出すと右の大外(徳島の左WB)が空いてしまう。これに関しては、後方が4バックなので右に向かってスライドして右SBの高尾を押し出す形で解決。DFラインは徳島の前線3枚と同数なのでどうなのか?と思うが、家泉を筆頭に競れるCB陣なので対応は今節は問題なかったかと。

うまくpressingが機能したので高い位置でのカットからカウンターを繰り出すシーンも何度かあった。繋いで前進するがコンセプトである徳島に対して歯止めをかけて対応できた。しかし、pressingをかけているなかで蹴られたボールを中盤で回収しきれないシーンもあり、そこからピンチに展開することもあった。pressing~回収の流れでしっかりマイボールにしないと危ない。すべてウラ返って失点の可能性も上がるので、pressingが機能しているとはいえ後方の回収能力も高めて集中し続けないといけない。


CBに出ていく機会が多かった近藤だが、基本はCBとWBをケアしながらだったかと思う。

それには徳島のシャドーである杉本が近藤の背後を取っていたからである。近藤が前に出るとその背中にはスペースが生まれてしまう。CHもマークがいるのでそのスペースを埋めることができない。となると、そのケアをするのは杉本のマークになる高尾である。

上図のようにスペースで受ける杉本に少しついていきながら前進する高尾。もし、高尾がその杉本のケアでインサイドに入ってしまうと、近藤がCBにpressingにいくとその大外にいるWBには誰もpressingに出れなくなる。そしてそこから前進されてしまう。しかも、そのWBの高木は運べるし攻撃センスもあるので自由は与えたくない。なので、近藤は慎重になりながらポジショニングする必要があった。


アマドゥからpressingのスイッチが入っていれば近藤は連動して次のボールホルダーであるCBに出ていかないといけない。そうなれば、高尾はマークを捨てて大外のWBに連動して出ていく。

そして、インサイドにいる杉本はどうするのかというと、サイドまで誘導できれば全体がスライドするのでCHが捕まえることができそうだ。+インサイドでフリーぎみの杉本へのコースを切りながらpressingすることが重要になる。中を閉めながら外へ誘導できていれば問題ないと考える。上図のようにpressingに出る近藤は背中で杉本のコースを切りながらサイドに限定していく。それかそこで奪う。


うまくpressingをかけて高い位置での回収から徳島のペースを与えず、攻撃のところではシンプルに押し込んでいくという今シーズンの戦い方の最適解を再確認しながら圧倒ぎみで前半を進める。


この手の問題は自陣に押し込まれてもあった。

徳島がなんらかの形で札幌陣内に侵入する。

大外で持つのはWBの高木。
高木は仕掛けてクロスまで行ける特徴もあるので札幌としてはあまり自由を与えたくない。そのために、近藤・高尾の2枚で対応していきたい。

しかし、近藤は出ていっているが高尾はインサイドにポジショニングする杉本も気にしないといけないので、ピン止めされて外へは出れない。結果、近藤v高木の1v1になってしまう…なんてシーンもあった。

状況的に中の枚数は足りているのでクロスが入ってきても跳ね返せはする。ただ、近藤がここで抜かれたら一枚繰り出さないといけなくなる。そこで高尾が杉本を捨てて出てしまうと、上図を見ても枚数的に-1の状態になる可能性がある(CHがペナ内に戻れればスペース埋めれるかもしれないが)ので危険。

そういった事象もあるので、シャドーの杉本のポジショニングは結構厄介だったかなと思う。ライン間やスペースで受けて反転からチャンスへ…というシーンもあったので対応が難しかった。


守備も攻撃もある程度ペースを掴んでいた札幌。

しかし、前半は2,3度決定機があったが決め切れず。
このペースでリードを持つことができればより楽にゲームを進められたか。

前半は0-0で終了。


後半

札幌はHTで木戸に代えて田中克幸を投入。


オプション

後半を見ていると、前線への放り込みはそこまで多くなく手前で持っていこうという流れになる。そこから落ち着いて着実にサイドアタックへ展開していきたい。前半のように押し込んでいれば相手のラインは下がり、手前でスペースができて繋げる時間を作れる。

それを見越しての克幸の投入でもあり、後半はDFラインに入ったり関わったりでサポートする。前線でもボール周辺に関わりながら。

前半の木戸も足元があったが存在感があまり感じられなかった。もちろん、展開的にロングで押し込んで前線で勝負というのだったのでボールに関わる機会はあまりなかった。

だが、克幸はボール周辺での関わりやビルドの部分での落ち着きのもたらしはチームにとってとても大きい。甲府戦の試合に対するコメントの中でも気合いを感じるところがあったので、その悔しさというか価値を見出すためには?というところを体現していたのでは。


徳島も選手交代を行い4-4-2に変更。

こうなると札幌としても少しサイドのところで余裕が出てくるので、前進からワイドのところに直接つけてサイドアタックへ展開できる。

札幌はトップを変えたことでアマドゥのようなターゲットがいなくなる。すると、前半のように後方からロングで押し込んでという風にはできない。しかし、徳島のラインはすでに下がっており構えている状態。前述の通り、手前で持てるスペースと余裕、そして克幸の投入で自陣からの前進がスムーズになる。なので、前進してサイドにつけて押し込んでサイドアタック~クロスへという形にシフトした。

それが決勝点に繋がる…。


課題を克服

後半の守備の話を少し。

pressingのところでアンカーをケアするというのはしないといけない。アマドゥなどのスタート組では割とうまくできているが、途中出場の選手ではできていないことも最近あった。

しかし、今節途中出場のゴニ・チェックのコンビは2人でうまくマークを受け渡しながらpressingできていた。上図のように片方がCB(ボールホルダー)に出れば、もう片方はアンカーをケアする。

徳島としてはポゼッションのところでは、CH(アンカー)を使いながら前進したいスタイルなので、そうさせないようなpressingのかけ方ができてたのはgood。前後半通じて守備の集中は途切れなかった。切り替えのところもいつも以上に基準を高めて取り組めていた。これを継続できるかどうかだ。


ウォォォォーーー

札幌がペースを保ちながらゲームを進めていたがなかなかネットを揺らせない。

ただ、迎えた90+5分。
左サイドから長谷川が上げたクロスに合わせたのは家泉。
土壇場での先制ゴールでついに札幌が均衡を破る!

さすがに叫びましたね。お家観戦でしたがそんなのお構いなしに。

このゴールにも克幸のセンスがあった。
スタートのところで高嶺がボールを持っていた時、克幸は外寄りのポジショニングからインサイドへ移動する動きを見せた。それにより、徳島のDFはその克幸の動きに釣られて中への意識となった。そうして、高嶺から大外の長谷川へのコースが空き、長谷川へボールが渡った。+克幸はインサイドにいるのでそれをケアすべくDFは克幸にもマークをつける。結果、長谷川はDF1枚との1v1になり、よりクロスを上げやすくなった。それがゴールへ繋がった。

背景を整理すると…
・札幌は時間がない中でクロスから放り込みたい
・徳島は中外ケアしながら簡単に侵入させない(クロスも避けたい)
・しかし徳島は退場もあり-1の状態

と互いにやりたいこと・やらせたくないことがあったが、克幸のちょっとした動きの工夫で札幌は取りたいサイドのスペースを取ることができた。


そのまま試合終了。
1-0で札幌が劇的な勝利を挙げた。


総括

まずは今シーズンホーム初勝利を挙げられたことを素直にうれしく思う。

厳しい現状の中でこういう勝ち方は、これからの試合を乗り越えていく勢いになったのでは。そして、難しい展開の中でも勝ちきる力があることを証明することもできた。大きな自信に繋がる一戦だったのではと思う。

難敵が続く4月のスタートを勝利という形で切れたのは良いこと。続けていくことが非常に重要になる。


攻撃のところでは、やはり以前から思っていたようにアマドゥを前線固定で放り込んでいく形がはまっているし、その方がシンプルにリスクを負いすぎず押し込んでいける。そして、拾い続けてアタックへ展開できる。今節も秋田戦もそのような戦い方で相手を圧倒することができた。これが最適解なのではとも思った。

しかし、ボールを蹴り続けるだけではなくその中で相手のラインを下げさせて手前で持つ余裕も生まれるので、そこでは繋ぎながら落ち着かせる。余裕や落ち着きをもたらすためのロングボールの利用でもあるので、一方的に放り込むだけになると対策されると停滞感を感じることになる。

今節はそのバランスを保ちながら、後半は克幸を投入しポゼッションの安定感と着実な前進をスムーズに行えていた。前半で相手のラインを押し下げさせて、後半は持ちながら確実に押し込んでいく。その流れがととても相手に効いていたのでは。実際、徳島の増田監督も試合後のコメントでは「しっかり負けた」とも話しており圧倒できていたと感じる。


守備のところは、持ち味(であるはず)のpressingをしっかり発揮し前半から守備でもペースをつかむことができていた。特に、今節はアマドゥ・白井のキャンプ中のスタートコンビがようやく魅せてくれた。これくらいの守備強度でやっていたからキャンプ中も失点は少なく済んでいたのだな!と再認識できた。

キャンプ~熊本戦ごろの話がここで伏線回収的に説明できる。
見方は間違っていなかったように思っています。

そして、今節は自陣でも体を張った守備を続けてクリーンシートで勝ち切ることができた。得失点も少し借金があるので0で勝つということはとても重要。継続したい。(ちなみに、前回昇格した2016年はウノゼロ:1-0で勝つ試合が結構ありましたね)


次節はアウェイ水戸戦。
常磐線乗り継ぎで4時間かけて参戦します。ここからアウェイ4戦連続参戦です。

全勝するくらいでいかないといけない4月。連勝を伸ばしていくためにも勝利はmust。再び上昇気流に乗っていこう。

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