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#7新人監督を救いたい|自分で考え、改善し、行動する 『神の道具壱』

第1話:新人監督、実行計画に潰される

2001年頃、私が新人だった頃のことです。現場監督として最初にぶつかった壁――それが「実行計画」でした。
売価と原価を整理し、利益を出して会社の承認をもらい、ようやく着工できる書類です。言葉で言うと簡単ですが、当時の私には毎日が地獄でした。


紙と電卓の世界

入社当時、会社にはパソコンは事務所に1台しかなく、図面は青焼き、書類は紙、計算は電卓で、FAXで本社とやり取りしていました。大学でパソコンを触った経験はありましたが、Windowsではなく、紙と電卓だけで全ての計算をこなす世界です。

  • 契約金

  • 最終見積もり

  • 本社から戻る原価

  • 現場条件の個別見積もり

  • 標準仕様外の追加見積もり

すべてのタイミングがバラバラ。着工期限は迫る中、数字は変わり、消しゴムだらけの紙は混乱の嵐でした。


精神的プレッシャー

さらに契約キャンペーンの値引き計算まであります。
契約時期によって値引きできる範囲は変わり、商品ごとに利益率も異なる。規定利益に達していなければ売価や原価を調整し、見積もりを1から精査し直す必要があります。

引渡後には利益率が3%上下するだけで始末書対象。利益の3%である。工事原価総額の3%ではなく。金額にして10万は超えません。
下がれば給料減額です。頭の中は数字の洪水でした。

さらに、同時に担当する現場は12棟。
打ち合わせ中の現場、工事中の現場、引渡後の現場――全てが混在し、頭を切り替え続けなければなりません。
施主クレームが入れば、その処理で頭がいっぱいになり、目の前の実行計画も進めなければ着工できない。新人の私には、精神的にも物理的にも限界を超える日々でした。

業務そのものの仕組みに、無理があったと思いがちですが、この仕組みは非常によくできていて、監督は全てを把握することができる。しかし逆を言えば全ての責任を持つ――それが新人を追い詰めていました。


第2話:瀬戸際で出会った神の道具

そんな混乱の日々に、一筋の光が差し込みました。
パソコンが一人一台支給されました。

しかし、最初から「改善しよう」と思ったわけではありません。
このままでは自分がどうなってしまうのか分からず、必死に何とかするしかない――瀬戸際での出会いでした。


Excelとの衝撃的出会い

最初に触れたのは SUM関数
電卓で足し算引き算していた作業が自動化されることに衝撃を受けました。「あ、電卓を叩かなくていい!」と感動しました。

そこから本を買い漁り、改善改善改善。毎日少しずつ、自分が使いやすい形に改良していきました。


神の道具、完成形

最終形態では、かつて徹夜していた実行計画が 15分 で完成。

  • 予算が余ったときのサプライズ原価も自動算定

  • 工事中の追加注文書も連携

  • 契約キャンペーンも番号を入れるだけで自動算定

  • 本部用のFAX書式も自動生成

他の監督が手書きFAXで苦労する中、私の書類だけが整然と活字で完成。さらに、このファイルはそのまま台帳締めにも使え、引渡処理も15分で終了。ミスはゼロでした。

Excelは、単なる計算ソフトではなく、**混乱する業務を整理し、頭を空にして生き延びるための「神の道具(日輪刀)」**でした。

エクセルの呼吸 一の型 SUM!

受け身では生き残れない

同期の監督も同じ状況でした。
会社から与えられた書式や指示だけでは、混乱から抜け出せません。
受け身では何も変わらない。主体的に改善し、行動する力こそが現場で生き残る唯一の方法でした。


第3話:現場のリアルとZ世代、そして主体性の話

あの頃の新人時代を振り返ると、徹夜の実行計画、台帳締めも、すべてが教訓です。


ホワイト企業との比較

今のホワイト企業では、設計・積算・見積もり・施工・管理・安全・メンテナンスが分業され、精神的プレッシャーは格段に低くなっています。新人でも担当範囲は明確で、サポートも充実しています。

しかし、環境が整っていても 受け身では十分ではありません。与えられたものに従うだけでは、成長も生き残りも保証されません。


Z世代への伝言

主体性こそ、どの時代でも求められる力。

  • 仕組みが整っていない環境では改善しなければ潰れる

  • 整った環境では、その力を活かしてさらに効率化できる

瀬戸際で出会ったExcelは、単なるツールではなく、改善の本質を教えてくれた神具でした。

自分で考え、改善し、行動する――それこそが現場監督としての「覇王色の覇気」を会得するために必要なことで、どんな職場でも通用する力なのです。


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700棟|現場監督|一級建築士|ぱにがれ 現場は、正解が見えにくい判断の連続です。 この記録が、どこかの現場で 「一度立ち止まる材料」になれば幸いです。 応援としてチップをいただけると、続ける力になります。