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直感に従った2025年。

今年も振り返りは大晦日になった。
やらなきゃいけないことがあるだけではなく、この日まで動いていないと気が済まない性格なんだろうなと思う。

仕事も子育てもある生活のなかで、個人的なプロジェクトをやれるのは年に1つが限度だと思っていた。
だけど、今年は一般社団法人を立ち上げ、本を出版し、家族で海外にも行った。

特に12月は仕込んできた企画のリリースラッシュで目まぐるしく、誕生日もクリスマスも実感のないまま過ぎ去って、ハイなまま大晦日を迎えている。
まだまだ無理はきくし、忙しいのは性に合っていると実感する1年だった。

【1月】GLAY・TERUさん×函館市の強力タッグ!

GLAYのTERUさんが企画する「函館ビエンナーレ・アートフェスティバル」に向けて、地元のプレイヤーたちを巻き込んだイベント「OUT OF THE BOX」が開催。映画『函館珈琲』に出演されたAzumiさんと、函館港イルミナシオン映画祭の米田哲平実行委員長の対談で司会進行を担当した。函館旧市街を舞台に「アート」「音楽」「食」「人」「文学」が交差するイベント。地元の人たちはもちろん、GLAYのライブを観に函館に来た方々も参加してくれて、立ち見が出るほどの大盛況!内側と外側の接点がいたるところに生まれていた。函館の様々な領域の人たちがスキルを出し合ってイベントを作り上げていく様子に、街の底力と可能性を感じる2日間だった。

北海道新聞・みなみ風で連載させてもらっている『函館Uターン紀行』や、FMいるかの月一レギュラーなど、長く続けさせていただいている仕事も継続。新しい家で初めて過ごす冬で、暖炉の火を眺めながら酒を飲んだり、庭に雪山を作ってそり遊びをしたり、暮らしの豊かさを感じる場面が増えた。

【2月】新進気鋭の企業の歴史をアーカイブする『monopoの歴史』連載

東京を拠点に、ニューヨーク、ロンドン、パリなど、世界各国に支店を構えるクリエイティブ・エージェンシー『monopo』。国内外の名だたる企業をクライアントに持ち、世界的な広告賞も数多く獲得している同社を立ち上げた2人の対談連載がスタート!共同代表のヨシくんは、自分が知る限り、函館出身で誰よりもダイナミックにビジネスを展開し、利益と楽しさの両方を妥協せず追い続けている人で、話をうかがう度に「まだまだ自分もやれることがある」と視座が高まる取材だった!

ふるさと納税をテーマにした雑誌『HERES』が創刊!返礼品だけに目を向けるのではなく、それがどんな想いで作られたもので、集まった税金はどう使われるのかまで踏み込む。生産者と行政の双方からお話を伺い、それぞれが思い描く未来を知ることで、ふるさと納税は地域の応援になると実感できる一冊になった。小学生を対象にした学びの探究塾と、中高生が集まるベースキャンプを運営する『みかん箱』のトークイベントに登壇。自分の半生を語るという滅多にない機会で、参加していた娘たちにも初めて自分がライターになるまでの話をした。

【3月】ツドイの編集学校でサバイバル講義

東京時代から一緒に仕事をさせてもらってきたツドイが主催する『ツドイの編集学校』で講師をやらせてもらった。自分の経験や考えをテーブルに広げ、それに興味を持ってくれた人から質問を受け、お互いが「よし!」と思える着地を目指す。懇親会でもずっと熱い話が続き、真剣な人たちと納得いくまで話すのは、こんなにも楽しいのかと思う充実した時間だった。一緒に登壇させてもらった田中裕子さんは、とても尊敬している同業者の方。まったく違うキャリアを歩んできたけど、取材の方法やライターとしてのスタンスなど、共通点が多くて自信になった。仕事以外にもいろんな話ができたし、この座組でのオファーはプレゼントだったなぁ。

NTTさんのメディアで函館東部地区・南茅部の特集がスタート!町の人に話を伺い、地域への理解を深め、新たな関係性と人流を生み出すことを目的とした企画。最初の取材で縄文遺跡の発掘に関わった方から、「土器に残る指紋を見て、縄文人も我々と同じ人間だと思った」というお話を伺い、発掘とは過去を知り、現在との繋がりを見つける対話なんだと思った。真昆布の現状など、近くにいながら初めて知ることが多く、地元のことをもっと知りたくなった。

【4月】退職者の方に聞くキリンという企業

オウンドメディアの立ち上げから関わらせていただいているキリンさんには、今年もお世話になった。就職を経験したことのない自分にとって、企業のリアルを知ることができるオウンドメディアの仕事はとてもエキサイティングで、この企画に参加したことで自分の考えは大幅にアップデートされた。特に好きな企画が退職者の方にキリンという会社について尋ねる『仕事のギフト学』というシリーズ。従業員では言えないような賛否を真っ直ぐに語ってもらい、それを自社のメディアに掲載するというのは、企業の懐の深さゆえだなといつも思う。キリンでの海外赴任の経験を活かして日本企業の海外進出をサポートし、訪日外国人のガイドを通じてお酒や食に関する日本文化を発信する岸原さんの活き活きとした語り口に、真剣に取り組める仕事があることの喜びを強く感じた。

能登半島の突端に位置する珠洲市で、街の記録を残す『スズレコードセンター』のプロジェクトに合流。今日は建物の壁に塗る珪藻土を、地震で土砂崩れした斜面から採掘してきた。きっと写真や動画、建築資材だけでなく、参加者それぞれの体験も建物の修復を通じて地域の記録になっていくんだろうな。ツドイの今井さんとBackpackers Japanのいっしーが函館に来てくれて、ポッドキャストを録った。前半は2人が函館に来てみた感想、後半はそれぞれの地元の話から「地域への当事者意識」に関する仮説。友達から聞く函館の感想嬉しい。

【5月】編集の編集の編集!!!!

会社を経営する3人の編集者が、焚き火を囲んで「会社と編集」について語り合うイベント「編集の編集の編集!!!!」の第二弾!「本の地産」をテーマに、京都の土からインクを作り、瓦で版を彫って表紙を刷り、リソで本文を印刷して、紐閉じでZINEを制作するという酔狂な企画。面白くて、ハードで、感情が激しく揺れ動きすぎて、精魂尽き果てた。わずか28部しか作られなかった幻のZINEは、全員が疲れ切って感情が爆発した後日談を加えた再編集版が書籍として発売中!編集という営みを巡るドキュメンタリー!

財務省主催の『青函みらい会議』に登壇。「地元定着×本気の大人の探し方」をテーマに、北海道で最も歴史ある洋食店として知られる五島軒の若山豪社長と共に、函館代表として話をさせてもらった。青函という自治体の枠を超えたエリア概念があるので、人や企画の行き来をどんどん増やしていきたい!家族で広島県の鞆の浦に移住した長田夫妻が作った書籍『ともたち』でインタビューを担当。単に取材をするだけでなく、一緒に街を歩いたり、飲んだりすることで得られた人や街の空気感が込められたと思う。「暮らしを自分で作る」ということがリアルに、希望を持って感じられる本になっています!

【6月】憧れのグラストンベリー・フェスティバル

イギリスで70年代から続くグラストンベリー・フェスティバルに行く機会を得た。グラストは単なる野外コンサートではない。牧草 地に作られた広大な会場にはステージや飲食店だけ
でなく、サーカステントや映画館、遊園地にサウナ、スーパーマーケットまである。まるでひとつの町だ。そこでは道端でいきなりカーニバルに遭遇したり、 頭の上を隊列を組んだジェット機が飛んでいったり、小道に入ったら見知らぬ集落に辿り着くなんてこともある。ライブ以外でも常に現実離れしたことが起こるので、夢のなかを彷徨っている気分だった。 世界中のメディアが集まるプレステントで、各国のライター・カメラマンの仕事に触発されて書いた6日間の記録。あの場でしか書けなかったことが詰まっていると思う!

コロナが明けて初の海外。グラスト前には久々にロンドンを訪れ、終わった後はギネスを飲みにアイルランドのダブリンに行き、リバプールでビートルズを巡る旅をした。帰国直後に羽田まで迎えにきてもらってツドイ・今井さんとグラストについてのポッドキャストを収録。札幌でグラストのトークイベント開催。同じくグラストを体験してきた葛原さんと一緒に、現地でで感じた「フェスティバル」というカルチャーについて話した。

【7月】11年目のフジロック

スタッフとして参加するようになってから11年目のフジロック。今年はシステムトラブルなどの障害に阻まれててんやわんやだったが、心強い若手が育ってきて頼もしかった。グラストで感じたフェスティバルカルチャーの視点からエリアレポートを中心に、T字路sのライブレポも書いた。クロージングアクトの配信で、初めてグリーンステージに上がらせてもらった光景は、たぶん一生忘れない。

noteの元ディレクターで、「パーソナル編集者」主宰のみずのけいすけさんが函館に!全国で開催している「書けるようになるnote勉強会」をやってくれた。ほぼ日の塾で出会い、note時代にはいろんなお仕事で関わらせてもらった水P!函館で再会できるの嬉しい!

【8月】家族でセブ島へ

お盆は休みをとって家族でセブ島へ。セブシティにコンドミニアムを借り、市場で買い物をして、ローカル食堂でご飯を食べる1週間の旅。ハイライトは、オスロブでジンベエザメと泳ぐツアー。海外でも臆することなく、自分の興味に従って行動する子どもたちが頼もしい。ピュアで逞しくて、友達だったらけっこう仲良くなれそうだなと思った。どこの国や町へ行っても「いいなぁ」と思うことはあるけど、「ここに住みたい」と思うことは、函館で暮らし始めてからなくなった。函館は暮らしがいがあるし、ここを拠点にどこへだって行ける。

東京から縁もゆかりもない函館に移住した早野夫婦のインタビュー。なぜ函館を選び、そこでどう変化して、どんな未来を思い描いているのか。函館の外の人にも中の人にも、ぜひ読んでほしい!はこだて国際民俗芸術祭や、CASANOVAのBEACH THEATERなど、素晴らしく楽しい夏だった。

【9月】eachの第5号が完成!

地域の学生と一緒に作る #道南each の第5号が完成!今号ではかつての制作メンバーがサポーターを務め、表紙を描き、ステートメントの作成もしてくれた。創刊時に「こうなったらいいな」と思っていたことが形になっていて、子どもが巣立っていくのを見守る親のような気持ちだ。5年間の取り組みが評価され、こども家庭庁の「未来をつくる こどもまんなかアワード」で内閣府特命担当大臣賞を受賞!これまで参加してくれた学生、取材させていただいた方々、読者の方、バックアッパーと、みんなでいただいた賞なので
嬉しさもひとしおだった!

HERESで「住む以外で、地域に関わる」というテーマでエッセイを寄稿。「離れて暮らしていても、地元のことは他人事にならない」と感じていた東京時代のことや、「住んでもいないのに函館のことを語るな!」と言われた思い出など、遠くから故郷・函館を想っていた頃の話を書いた。去年に続き、FAHDAYへ。「誰も割り食うことなく、誰も搾取されず、みんなが参加してよかったと思えるパーティーを目指す」。去年のNOTWONKは圧倒的な主役としてイベントを締め括った印象だったが、今年はこの言葉を体現するように、主催者というより一つのバンドとしてステージに立っている感じが格好よかった!

【10月】奇跡のoasis


oasisのチケットが諦めきれずにリセールにずっと張り付いてて、ライブ前夜の22:30に奇跡的にチケットがとれて、夢じゃないことを確かめるためにセブンに走って発券し、飛行機を調べたら満席で一瞬血の気が引いたけど、間に合う新幹線が見つかり、心臓バクバクのまま東京ドームに向かった。ずっと心臓の鼓動を感じる24時間だった。オアシスの写真集『ROLL WITH IT Oasis IN PHOTOGRAPHS』の購入者特典として、何度もバンドの取材をしてきたロッキングオンの元編集長・粉川しのさんと、翻訳者の鈴木あかねさんの対談を担当。ノエルとリアムの荒々しくもユーモラスな言葉は、どのよう日本語訳され、バンドのキャラクターを伝えてきたのかって話が面白かった。

今年のアーティストインレジデンスには、天々高々(ex.MOROHA)として活動するミュージシャンのアフロさんと、旅行誌『TRANSIT』などの媒体で活躍するフォトグラファーの藤原慶さんの参加が決定!函館滞在で得たインスピレーションを元にした作品制作のほか、トークイベント&懇親会も開催した。アフちゃんが手書きのフライヤーを配り歩く様子に、背筋が伸びた。道南EXPOで「地域×クリエイティブ」のセッションを担当。富山県のクリエイティブディレクターとして内外にその魅力を伝えている高木新平さんをゲストに迎え、地方におけるクリエイティブの重要性と、世界に通用する地域にための打ち手などのお話をうかがった。運営チームが膨大な労力と想いを込めて作った舞台に立たせてもらう責任を感じ、気合いの入る登壇。1人で話を聞いて記事を書くインタビューとは違い、みんなで同じ話と熱量を浴び、それが共通の知見になっていく感覚が嬉しく心強かった!

【11月】『みんなのトヨタグラム』で車との暮らし取材

『みんなのトヨタグラム』で、車との暮らしについて取材をしていただいた。函館旧市街から自宅の書斎まで、自分の生活圏を巡りながら、この街で暮らす豊かさを改めて実感。Uターン後しばらくは車を持たない生活だったけど、車は家族を未だ見ぬ世界へと連れて行ってくれる。

トーチのさのくんが作った合同誌『33歳人生行き止まり日記Remixes』に文章を寄稿。彼が書いた「殺されないために殺す覚悟」という文章を、「野性と覚悟」という解釈でリミックスするという企画。「文章をリミックスするって何?」と思ったけど、誰かが考えたことに自分なりの解釈を加えて書く作業は、まさにリミックスという体感で面白かった。のイッシーによるメルボルン・ニュージーランドの旅行記&写真集『クリスマスが夏でも楽しそう』の編集を担当。夫婦の旅に同行しているような読み心地で、最後は旅が終わってしまうのが寂しくなってしまう素晴らしい本です!どちらも是非読んでほしい!函館の街歩きツアーを18年続けている中尾仁彦さんの「函館ぶら探訪」が面白すぎて、地域への興味が2周目に突入。本でも映像でもなく、街歩きという手法でしか伝えられない臨場感があることを強烈に体感した。毎回テーマを変えてなんと226回目!歴史から学ぶ事業のヒントって無数にあるなー。THA BLUE HERBの函館凱旋ライブ。札幌での『孤憤』も、カトマンでの『路上』も強烈な音楽体験だったが、函館で聴く『YEARNING』の「ないなら創る 居ないならなる」って言葉の刺さり方は別格だった。自分が根を下ろす街で見るTHA BLUE HERBは、こんなにも心を焚きつけるのか。久々にBOSSさんとも話せて函館で生きていく自信がついた。

【12月】北海道新聞で連載中の『函館Uターン紀行』を書籍化

北海道新聞で連載中の『函館Uターン紀行』が5年目を迎えたのを機に書籍化。これまでに書いた60本の原稿を再編集し、休載した月の分を書き下ろし、新たに家族インタビューとその後の小話を加筆した完全版。函館を舞台に、地域に根を張って暮らす苦楽が詰まった1冊になった。納品翌日には『BOOK TURN SENDAI』に出店。函館市内では栄文堂書店、蔦屋書店、庶暮書房などでお取り扱いいただけることになりました。ネットでも1冊から卸販売までしています!

函館旧市街で暮らす仲間と、一般社団法人『Old Town Junction HAKODATE』を設立。人や物や情報が集まり、地域の内外と交わりながら、未来が楽しみになる分岐点を作るための団体です。目指すのは「ここなら、いい人生が送れそう」と思える街。函館で合流しましょう!2025年で10周年を迎えたIN&OUTは、コロナ禍で活動が停滞し、ここ2年は更新がストップ。この先もメディアとしての活動を続けていくのか、もしくは解散か。初めての試みとして、ライターの阿部とカメラマンの馬場がIN&OUTについて話す音声コンテンツを制作。

【おわりに】

今年は後先考えずに、面白そうと思ったら直感でやることを選んだ1年だった。
そのおかげで検討したら躊躇してしまいそうな長期の海外取材や一般社団法人の立ち上げ、本の出版など、たくさんのことに取り組めた。
正直、時間的にもリソース的にも大変だったが、大晦日に2025年を振り返ってみて充実した1年だったなと実感している。

それはきっと家族がいて、家があって、生活の基盤ができてきたことにもよるのだろう。
そうした生活を維持していくには努力が必要だけど、土台があることで無理がきくという側面もある。
僕はコスパやタイパより、「ちょっと無理したら楽しくなりそう」の感覚を信じようと思う。

編集者・ライターとして書く仕事だけでなく、地域に関わる仕事も増えてきた。
過去にしがみつくことなく、未知の領域に踏み込む好奇心を持って、2026年が終わる頃には、今の自分が思いもしない地点に立っていたい。

時間も体力もぴったり使い切って、2025年が終了!
今年もたくさんの方々にお世話になりました。
来年もよろしくお願いします!

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