国際コンソーシアムFrontriaの活動 ~国際コンソーシアムってどんなことをしているの?
こんにちは、富士通 広報note編集部です!
皆さんは、AIが生み出す「フェイク」や「リスク」に、漠然とした不安を感じたことはありませんか?オンライン会議でCEOになりすました詐欺、巧妙な偽情報による社会の混乱、そしてAI自身が暴走する可能性――。技術の進化が目覚ましい一方で、私たちは今、かつてないほど「信頼」が揺らぐ時代に生きています。
富士通は、2025年12月に偽・誤情報や新たなAIリスクに対応する国際コンソーシアム「Frontria」を創立し、参画組織との共創活動を進めています。一企業や一国だけでは解決できないこの巨大なテーマに、世界中の知を結集し、共に未来を切り拓く――。その最前線で何が起きているのか、Frontriaの深掘りレポート連載、始まります!
第1回は、Frontriaの立ち上げから現在までをリードする、セキュリティサイエンス研究所のキーパーソンの角田 忠信にインタビュー。Frontriaの「これまで」と「これから」に迫ります。

社会トラストコアプロジェクト シニアリサーチマネージャー 角田 忠信
1.Frontria、その名の由来に込められた熱い思い
― はじめに、Frontria創立の背景を教えてください。
生成AIの急速な進化で、誰でも手軽に画像や文章を作って発信できるようになる一方で、これらを悪用した偽・誤情報のニュースに触れない日はありません。それは同時に、本物と見分けがつかない「偽の情報」が瞬く間に拡散する危険性をも意味します。最近の自然災害に関するニュースでも、「偽情報に注意」とアナウンスされるほど、社会全体がこの問題に直面していますよね。
さらに、最先端のAIが、今まで誰も見つけられなかったITシステムの弱点を見つけ、攻撃することができるというリスクから、米国政府によって提供停止になったニュースは世界中に衝撃をもたらしました。Frontriaは、まさにこうした偽・誤情報や、新たなAIリスクに対応するため、世界中の知見を結集する場として誕生したのです。
― なるほど。社会全体で取り組むべき喫緊の課題なんですね。ところで、「Frontria」というユニークな名前には、どんな意味が込められているのでしょうか?
「Frontria」という名前は、「Frontier(最先端)」、「Trust(信頼)」、そしてラテン語で「場所」を意味する「ia」を組み合わせた造語です。この名前には、最先端の技術と知見を結集して、一企業や一国では解決が難しい、AIの信頼性と安全性の課題に取り組む「場所」を創り出したい、という私たちの思いが込められています。
― Frontriaは、日本国内だけではなく世界中の仲間との共創を目指しているのですね。

2.なぜ、富士通が国際コンソーシアムを立ち上げたのか?
― 各国の様々な組織に働きかけ、グローバルのつながりを構築することは、並大抵の努力ではできないと想像します。なぜ、あえて富士通がこの挑戦をリードしているのでしょうか?
国際的な課題解決の最前線で、なぜ富士通が旗を振るのか?その答えは、私たちが長年培ってきた「信頼性技術」にあります。昨今、偽・誤情報による事件は枚挙にいとまがありません。例えば、海外では、オンライン会議でCEOになりすまして金銭を要求するという事件がありました。富士通では、このようなフェイク動画を検知する技術や、SNSやwebに投稿された記事の真偽判定をする技術などの偽・誤情報対策技術、AIシステムへの攻撃を検知し防御するセキュリティ技術、AIが差別的な判断をしないようにする公平性技術など、多岐にわたる偽・誤情報対策やAIリスク対応技術の研究開発を進めてきました。
一方で、こうした偽・誤情報に関する課題は、金融・保険、報道、エンターテイメント、リーガルなど様々なビジネス領域が持っており、領域ごとに、課題の中身や対策も違っていると思います。つまり、これらの課題は、それぞれのビジネスの現場にいるプレイヤーの知見なしには、解決が難しいのです。そこで、私たちは、私たちの技術を土台として、これらの技術を活用したいメンバーと、知恵を出し合いながら、技術とサービスを磨いていきたいと考えました。そして、コアとなる技術を提供できる当社が、この活動をリードしていくことができると考えました。
― 技術を軸とすることで、様々な領域の組織が参加しやすいコンソーシアムとなりますね。異なる領域間のコラボレーションも今後期待できそうですね。
3.80の団体が集結!「信頼」を守る仲間たちのリアルな活動
― 立ち上げから8か月たちましたが、どのようなメンバーが参加しているのでしょうか。
現在、Frontriaには国内外から80もの団体が参画しています。うち海外組織は21団体で、欧州、米国、インド、オーストラリアと、まさにグローバルな広がりを見せています。
参画しているのは私たちのような技術系企業に加えて、スタートアップ、金融・保険、報道、メディア、エンターテイメント、リーガル、アカデミアと、多種多様なプロフェッショナルが集結しています。

― それだけの多様なメンバーが国内外にいるとなると、どのようにコミュニケーションをとっているのか気になります!具体的な活動内容も教えていただけますか?
まず、特定のテーマに特化し、集中的な議論や共創を推進するために、複数のワーキング・グループ(WG)を立ち上げて活動しています。例えば、メディアWGでは、インターネット上の偽・誤情報の分析から対応までを一体的に扱うサービスを検討しています。他には、リーガルWG、エンターテイメントWG、データWGが活動しています。
次に、国内メンバーを対象にした、ハッカソンと技術交流会を定期的に開催しています。ハッカソンでは、富士通やメンバー企業の技術を使ったアプリなどの成果物が生まれました。これらの活動をさらに発展し、今年10月28日・29日には、メンバー以外の方も参加できる旗艦ハッカソンを開催します。欧州の拠点でも、先日夏のハッカソンを開催し、その成果をもとに秋のハッカソンに向け始動しています。
そして、今年の11月25日・26日に、国内外の全メンバーが一同に会するとともに、一般の方にも参加いただきFrontriaの活動を共有するイベントを行います。オンラインだけでなく、リアルな場で顔を合わせることで、より深い連携が生まれると期待しています。
ところで、先ほどお話しした異なる領域間のコラボレーションは、すでに具体的な形で始まっているんですよ。この活動に取り組むメンバーの情熱は、ぜひ次の機会に深堀りしてご紹介したいですね!
― 最後に、読者の皆様にFrontriaにかける思いを一言お願いします。
Frontriaは多様なテクノロジーを融合させ、AIの信頼性と安全性を守る社会を実現する富士通の新たな取り組みです。ユースケース共創とともに、新IP事業に向けたビジネスモデル構築、当社技術の社会実装を行い、活動を発展させていきます。この挑戦に、ぜひご期待、ご注目ください。
4.次回予告
本記事でも話題に出てきたハッカソンについて、深掘りします。一体どんな革新的なアプリが生まれたのか?開発秘話や、参加メンバーの熱い思いに迫ります。ご期待ください!
おすすめ記事
関連リンク

