屋久島旅行 Day2
この日は宮之浦岳に行く工程。
淀川口から荒川登山口に向かういわゆる「縦走」ルート。
ネットで情報を集めていると行ける気になってくる。
実際はそんなに簡単なものではなかった。
今回は自然をなめると死ぬよっていうお話です。
深夜0時30分に宿舎を出発。

淀川口まで距離にして約30km。2時には淀川口に到着する予定だった。
しかし、7から8%の勾配がだらだらと続き、昨日のライドの疲れもあり自転車を押して上ることが多かった。

月明かりが幸いなことに街灯の役目を果たし山道でも安全に上ることができた。

頂上に近づくにつれ数台の車に抜かされる。おそらく登山客であろう。
時刻は朝の4時。予定よりも2時間オーバーである。
ここまでオーバーすると、急いで登ろうという気持ちもなくなり、とりあえず安全に登ろうという気持ちが強くなっていた。


入り口付近は階段も整備され、登りやすいハイキングコース。

しかし足を進めると、岩場や木の根っこが多くなり、湿原も通過した。



崖のようなところ、ロープで上るところも出てきた。
まだまだ序盤だが、靴底が外れてしまった。
一応外れる想定もしていたので補修できるようビニテを持ってきていたが、使いかけのものを持ってきていたので、片方補修したら残りが少なくなり、もう片方が壊れたらやばいと考えていた。(この後、片方も壊れます。)

トレッキングシューズ
次第に雨も強くなったり止んだりを繰り返し足元も滑りやすくなる。
湿原では猿の群れが雨に濡れながら通路を塞いでいた。

意を決して先に進むと、数匹は逃げてくれたが1匹だけは移動せず、私の通過を見守っていた。
水場で水を補充し、持ってきたフリーズドライのおにぎりに水を入れる。
水だと食べられるようになるのに1時間かかるとのことなので、1時間後食べることにする。

通り過ぎるところだった

頂上に近づくと1匹の子鹿が現れた。
私の姿を見て逃げるも正面からも登山客がやってきてしまい、板挟みになってしまった。
近くに獣道があったのでそこに逃がそうと思ったが、なぜかそちらには行かない。
正面からくる登山客が近づいたところでようやく獣道の方へ逃げていった。

そこから15分後、九州一高い山「宮之浦岳」に到着する。
時間は10時40分。

一番高いとされる岩場に立ってみたが何も見えず。

ここから縄文杉まで約5km。
バスの時間には間に合わないにしても、明るい時間には荒川登山口に戻れるかもしれないと思い、淀川に戻らず先に進むことにした。
これが、本日のミスポイント。
ここで引き返していれば、おそらく明るいうちに宿舎に戻れたと思われる。
当たり前だが、登山客とすれ違うこともなく、ほぼソロ登山だった。
縄文杉あたりで、大学生サークルの一行に縄文杉の前で写真を撮って欲しいと頼まれる。
縄文杉の通過時間は14時。

大王杉や仁王杉も疲れのせいか、また杉か…と思うようになる。


ウィルソン杉の経過時間は15時30分

疲労が蓄積した足はプルプル震え、どこかで足をぶつけたか捻ったかしたらしく、段差を超える度に右足に痛みが走る。
ウィルソン杉から約30分、トロッコ道が現れる。

ここから荒川登山口まではこのトロッコ道なので、スピードを上げて歩いた。
しかし、荒川登山口に着いたのは18時。
約2時間もかかってしまった。


もう少し早く進まないといけなかった。
登山口で役場の方が待機されていて、この先タクシーを拾うしかないですよ。
と教えていただいたが、まだ明るいこともあり淀川口まで歩こうと思ってます。
と伝え、三叉路方面に向かい歩き始めた。
今考えればこの声がけが最後のチャンスだった。
ここでタクシーを呼んでいれば、2時間ほど早く帰れたかもしれない。
三叉路に着く前に、靴底が完全に分離し足袋みたいな状態なった。
雨もひどくなり濃霧でライトも意味がなくなっていた。
そこで、このまま先に進むのは危険と感じ、タクシーを呼ぼうと思ったがスマホは圏外の表示。
電波状況を確認しながら三叉路を目指したが、三叉路でも圏外は変わらず、次は屋久杉ランドを目指した。
時刻は20時を回り、ようやく電波の入るところが出てきたのでタクシー会社に電話をするも、電波が弱くすぐに切れてしまった。
雨で顔も濡れてしまい、iPhoneのフェイスIDは反応せず、かけていたメガネを外しロックを解除する。
そこで、メガネを落としてしまいメガネが行方不明に。
真下に落としたはずなのに、なぜか見つからずこの瞬間「詰んだ」と思った。
しばらく土砂降りの中メガネを探していると奇跡的に前から1台の車が降りてきた。
親切にもメガネを探しいただき、しかも、自転車のある淀川口まで乗せていただいた。
車のご夫婦は紀元杉にある湧き水を汲みに来てその帰りとのことだった。
屋久島の自然は容赦ないから、みんな痛い目を見て帰る。と話してくれた。
私もその一人だ。もしもこのまま歩いて淀川口まで向かい、自転車を拾ったとしても宿舎に戻るのは朝方だったかもしれない。あるいは淀川口にある待機所のようなところで1泊し朝、宿舎に戻るということもあったかと思われる。
スマホもドコモ以外は圏外が多いとも教えてくれた。
この先、写真を撮る余裕もなかった。
淀川口で自転車で下る準備をしていたら、男性の方に声をかけられた。
明日の朝登る予定とのことで、車で朝まで過ごすとのこと。
東京から来られた方で、宮之浦岳までどんな状況だったのか聞きたかったようだ。
自転車を確保できたので後は戻るだけだが自転車も一筋縄ではいかなかった。
雨と濃霧で視界不良で1m先もよく見えない。
9ー10km前後の速度でゆっくり下るも、気がついたら目の前にガードレールがありヒヤヒヤしながら宿舎を目指す。
下るにつれ少しずつだが気温も上がり宿舎が近づいていると体感する。
街に近づくと街灯も見え始め心から安堵した。
宿舎に到着したのは23時過ぎ。
お夕飯を用意して待っていてくれた。
申し訳ない気持ちと感謝の気持ちで泣きそうになった。

無謀な登山計画で宿舎の方や水を汲みに来たご夫婦にも心配をかけてしまった。
自然を相手にするときは保守的を基本に少しでもリスキーなことがあれば諦める勇気が必要。
わかってはいるがそこで勇気ある決断がなかなかできない。今回の経験をもとに旅の際、不安な旅程があれば今回のことを思い出し無茶はしないと誓った。
食後、シャワーを浴び翌日の準備を午前2時過ぎに就寝した。

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屋久島Day3 最終日はお土産を買いに宮之浦周辺の酒蔵と空港を目指す。
屋久島旅行 Day1
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