「いい学校やん。パパ結構好きかも」——楠隼の説明会に行ってきた
【効率の学び】鹿児島県立楠隼中高一貫校リサーチ | Future Family Project 航海ログ
説明会が終わって、会場を出た時に思わず言った。
「いい学校やん。パパ結構好きかも」
長女が「寮が楽しそうだもんね」と言った。
【現場】永田町、都道府県会館
6月初旬の朝。長女と次女を連れて永田町へ向かった。
電車の中で科学の話をした。「植物はなぜ緑色なのか」という話の続きだ。葉緑体が緑の光を反射するから緑に見える——というのはよく知られた話だが、実はまだ解明されていない別の説もあることを話した。長女が説明してくれた。
都道府県会館に着いたのは9時50分。10時の開始まで少し時間があった。受付で名前を告げて資料を受け取り、席についた。
まず学校紹介ビデオが流れた。
「宇宙デザイナーになりたい」「宇宙食を開発したい」
画面の中で、中学生たちが夢を語っていた。
【発見】学校の設計思想
校長先生が壇上に立った。
開口一番こう言った。
「本校は、来たるべき日のために、今があります。」
「来たるべき日」とは、生徒たちがリーダーとして活躍する日のことだ。そのためにこの6年間がある——という設計思想が、説明会全体を貫いていた。
いくつか印象に残った数字と事実を記録しておく。
学校の基本情報
2015年開校。中高一貫・全寮制。定員60名
鹿児島県肝付町。全国24都道府県・海外日本人学校から生徒が集まる
今年度から男女共学化。共学元年の倍率は1.93倍→3.25倍に急上昇
合格者62名のうち女子23名、そのうち19名が寮生活を選んだ
宇宙学 JAXAと鹿児島県教育委員会の連携協定を結ぶ、全国唯一の宇宙航空教育推進モデル校。JAXAや宇宙企業(IHI・QPS研究所等)の研究者が年5〜6回来校して授業を行う。中学生がモデルロケットを実際に作って打ち上げる。
英語力 定員60人の小さな学校で、中学生の英検準1級合格者が7名。塾なしで入学してきた生徒が中3で英検2級を取るケースも複数ある。
寮生活 完全個室・冷暖房完備。ランドリースタッフが洗濯を代行。夜の一斉学習(中学生20時〜22時・高校生20時〜23時)。スマートフォン持ち込み禁止。
費用 授業料は国の支援で実質無料。寮費は食事・洗濯・学習指導員費用込みで月5.9〜6.3万円程度が実質的な比較基準。
【発見②】説明会後、在校生の保護者と話した
説明会が終わった後、会場に残っていた在校生の保護者と話した。
関東から子供を送り出した保護者だった。
「入学当初は毎日泣いて電話がありました。帰りたい、頑張って、の繰り返し。でも半年で急成長して、今は帰省の時しか連絡がありません」
公衆電話の使い方を一緒に練習して送り出したこと。お菓子を送ってもいいか聞いたら「刑務所じゃないから」と言われたこと。小型冷蔵庫は許可制で部屋に置けること。休日は自転車で40分かけて隣の鹿屋市まで行くこと。
聞くほどに解像度が上がった。
「都立の勉強と楠隼の適性検査は被るのか」と聞いたら、「うちは学校見学は行かず、事前情報ゼロで受けた。過去問を買って準備した」という答えが返ってきた。
在校生保護者の話を聞きながら、自分もこう言っていた。
「親に干渉されたくない時期ってありますよね。目の前にいると親も先回りして色々いっちゃう。だから本人が望むなら寮って良いですよね。」
在校生保護者が「そうそう」と頷いた。
「13歳で家を出る」というのは、うちの方向性として考えていたことだ。
この言葉が、その方向性を補強してくれた。
【考察】娘たちはどう見ていたか
帰り道、長女に聞いた。
「今日どうだった?」
「まぁ、面白そうだった。寮が楽しそうだもんね。でも男子ばっかりなんしょ?」
次女も話を聞いていて「超楽しそうだな」と言っていた。
説明会の後、会場の近くで娘たちと一緒にバラ園を歩いた。
迎賓館の近く、赤坂御苑のバラが満開だった。
名前を見ると、皇室の方々のお名前がついたバラが並んでいた。娘たちが一つひとつ名前を読み上げながら歩いていた。プリンセスアイコ、マサコ、、
バラの名前と皇室の方々の記憶が重なって、少し不思議な気持ちになった。

【余韻】
800年後の子孫へ。
2026年6月初旬、ある家族は鹿児島の全寮制学校の説明会に行った。
帰り道、バラ園でプリンセスの名前を読み上げながら歩いた。
パパは「いい学校やん」と言った。
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