欲張り日帰り弾丸関西旅行(つかれた……)
大阪、京都をぐるっと1日で回ってきました!
お目当ては、関西方面で行われている豪華な企画展めぐり。京都国立博物館、奈良国立博物館、大阪市立美術館でそれぞれ国宝をメインにした展覧会が、万博にあわせて開催されてますよって話をしましたが、やっぱり見に行くか!ということで。
埼玉在住の私が、京都、奈良、大阪の3館をすべて見るとなると、さすがに1泊する必要がありますが、今回は仕事の都合、家庭の都合などいろいろあって日帰りしか無理、ということになりました。
迷いに迷った結果、奈良国立博物館はあきらめて大阪市立美術館と京都国立博物館だけはがんばって回ろうと決めました。しかし、いずれもすでに大評判になっている展覧会、人手もすごいことでしょう。はたして順調に見て回ることができるのでしょうか?
まずは大阪だ!
朝6時すぎ東京駅発の東海道新幹線に乗り込みます(4時起床、5時自宅発)。
朝ご飯を食べる時間がなかったので、駅ナカで買ったおにぎりで腹ごしらえ。今回の強行軍では食を楽しむ余裕はなさそうです。
7月に発売予定の新刊の校正真っ最中なので、車中でカリカリ校正原稿に赤字を入れようと思い一式持ってきたのですが、寝不足でぜんぜん頭がはたらかない!
あきらめて仮眠。始発に近い新幹線に乗ったので、観光客で大賑わいということもなく、ウトウトできました。
8時半頃には新大阪駅着。ミャクミャクさまがあちらこちらに。あとで何かおみやげ買おうかな。
それから通勤サラリーマンにまざって地下鉄御堂筋線に乗り、天王寺駅へ。

Googleマップをたよりに大阪市立美術館を目指します。
実は、リニューアルオープンした大阪市立美術館に来るのは今回が初めて。いや、そもそも10年以上このあたりには足を運んでいませんでした。
あれ、昔のイメージと全然ちがう?
なんだかおしゃれなパークになっている(てんしばパーク)。かつて大阪市立美術館に来た時はもっと薄暗い、すこし物騒な雰囲気だったような気がするんですけど。
なんだかんだで、予定通り開館前の大阪市立美術館に到着しました!

9時半開館(早いね)なのですが、すでに長蛇の列が……。予想を上回る人手です。チケットは事前に購入していましたが、それでも入館するまでに20分以上かかりました。時間予約制ならよかったのに。
後ろに並んでいた大阪のご婦人方が「わたしの友達、中に入った後も金印見るだけで、また1時間並んだそうやわ」「うわーほんまか」みたいな話をしてました。金印は超期間限定で展示されていたんですよね。もう展示は終わっているので、その意味では混雑もまだましな方なのかな?
じりじり進んで、いざ入館!
やばい、館内も人であふれています。まぁ、たいていの場合は最初の部屋が一番混みやすいのであわてず騒がず。
「日本の国宝をかき集めました!」という趣旨の展覧会なので、これまでに見たことがある作品ももちろんたくさんあります。なので、時間のない今回は(この後、京都へ行かねばならぬので)、未見の作品を中心に見ていこうというのが私のプランです。
一番、感動したのは唐招提寺の《鑑真和上坐像》(奈良時代)。日本最古の肖像彫刻です。
いや、彫刻というのは少し違うか。これ、興福寺の《阿修羅像》などの仏像と同じ、脱活乾漆という工法で作られています。
鑑真の死期が近いことを弟子が悟り、生前から制作が始まったと言われていますが、それもうなずけるぐらい本当に迫真的。写実性という観点からすれば、後の鎌倉時代の方が優れているのかもしれませんが、そういった技術だけでは測れない生身感(なまみかん)がこの像にはありました。これは写真では伝わらない。
頭部もつるっとしたきれいな球体ではなく、微妙にでこぼこしていて超リアル。
この像はいつか見たいなぁと思っていたのですが、唐招提寺では毎年6月5〜7日の3日間しかこの像は公開されないので、なかなか機会がなかったのです。いやー満足満足。
あと、お寺で見たことがある仏像なども、美術館で見るとまた違いますね。薬師寺の《聖観音菩薩立像》や浄瑠璃寺の《持国天立像》など、現地では見られない横や後ろまでじっくり観察できました。
至福の時間を味わって、最後にミュージアムショップを物色。なぜか今回見ることができなかった作品(金印と縄文のビーナス)のグッズを買ってしまいました。

さぁ京都へ急げ!
やばい、もうお昼前です。腹が減ってきましたが、昼ご飯は後回しにして天王寺駅へと向かいます。さらば大阪!

御堂筋線で梅田駅へ。そこでJR大阪駅に乗り換えて、新快速で一路京都へ。あ、ミャクミャクグッズ買い忘れた(と言っても、京都駅でも売ってました)。
やってきました、京都。

時間が惜しいので、昼ご飯は京都国立博物館近くのマクドナルド。

一瞬で腹ごしらえして、いざ京都国立博物館へ。

こちらも満員行列覚悟の上で行ったのですが、あれ?すんなり入館できました。
館内も人はたくさんいますが、「おすなへすな」状態というほどではありません。(そう言えば「へすな」ってなに?)
これは、1つはキャパシティの違いでしょう。大阪市立美術館に比べると、京都国立博物館の平成知新館は常に大型企画展をやることを想定して作られているので、一部屋一部屋が大きく、また人が滞留しにくい設計になっています。
もう1つは、展示の構成の違い。大阪市立美術館の「日本国宝展」の方は「日本の国宝をかき集めました!」という趣旨の展覧会だと書きましたが、本当に展示されているもののほとんどが国宝という超ぜいたくな内容でした。
それに対して京都国立博物館の「日本、美のるつぼ」展は、もちろん国宝も多く展示されていましたが、万博を意識した「日本の異文化交流の歴史を作品でたどる」という趣旨で作品を集めています。
だから国宝や重文じゃないものもたくさん含まれていて、その分だけ点数が膨大になっています。桃山時代の南蛮漆器なんかも結構出ていました。このおかげで1つの作品に人が集中するということがなく、わりと自由に見て回ることができました。
前回の記事で詳しく述べた《吉備大臣入唐絵巻》もじっくり観察することができて、大満足。
内容が面白いので、周りで見ていたカップルもくすくす笑っていたり。そして私としては、長年気になっていた描写の確認ができました。
それは、尾籠な話で恐縮ですが、主人公の真備が下剤を飲まされて用を足した「それ」が描かれているか否か、です。
真備と唐の碁の名人が碁の対決をするシーンがあります。負けたら殺されるこの戦い、真備はなんと相手の碁石を1つこっそり飲み込んで勝利をおさめます。反則ですね。で、唐の役人たちは真備を怪しんで下剤を飲ませます。そして真備が排泄した「それ」をじっくり確認して、碁石がないかを探すのです。
唐の役人たちが鼻をつまみながら、まじまじと地面をながめているように描かれていて、画集で見る限りその視線の先には何もありません。これが経年劣化で褪色するなどして消えてしまったのか、それとも最初から描いていないのか、いまひとつ判断がつかなかったんですよね。そんなことどこにも書いてないし。
至近距離で実物を観察した結果、「それ」は描かれていませんでした!痕跡がまったくないので最初から描かれていなかったのでしょう。読者の想像にまかせる、という手法ですね。あぁ、すっきりした(わかったから、どうだということもないのですが)。
すべて見終わって、こちらのミュージアムショップでは図録だけ購入しました。
せっかくだから寺も行こう!
さて、京都国立博物館の展覧会を見るのに、きっと午後いっぱいかかるだろうと思って、閉館時間を考慮した帰りの新幹線を予約していたのですが、前述の通り思ったより混雑していなかったので早めに見終わってしまいました。
まだ2時間くらいは京都を満喫できそうです。うーん、どうしよう。
そうだ!
