「力が抜けない…」あなたへ。誤解を超えてたどりつく、心地よいシャバーサナの入り方
「力を抜くって、どういうこと?」
──それは、単に身体をゆるめることじゃなくて。
安心して身をゆだねられる場所をつくることなのかもしれません。
「もっと力を抜いてください」
「リラックスしましょう」
──ヨガのレッスンで、よく聞く言葉です。
でも。
どうしたら“力を抜ける”のか、わからなくなったことはありませんか?
力を抜こうとして怖い思いをしたことはないですか?
そして、「私は、力の入れ方が下手なんだ…」と、自分を責めてしまう。
そんな声が、きっと、どこかで響いているはずです。
でも、まずは。
それでもいいんです。
力が入っていても、抜けなくても。
大切なのは、その状態を、あなたの身体が、そのまま受け取って観察できることですから。
「脱力」とは、力を抜くことではない
「脱力」と聞くと、どうしても“ただ力を抜くこと”だと思ってしまいがちです。でも、それだけでは、支えることも手放してしまいます。
本当の脱力とは──
“より弱い力で、その動作ができるようになること”です。
力をゼロにすることでも、
何も支えずに身を任せることでもない。
必要な支えは残しながら、
“最小限の力”でその動作を続けられるようにしていく。
生卵を運ぶとき、ぎゅっと握りしめたりはしません。
キャッチボールでも、相手がとれない剛速球を投げることはないはずです。
赤ちゃんや小動物を抱くとき──そっと、やわらかく抱きますよね。
でも同時に、“落とさないだけの力”は、ちゃんとそこにある。
それが、脱力です。
だからこそ──
完全な脱力が許されるのは、シャバーサナだけです。
立っているときも、座っているときも、
英雄のポーズでも、ダウンドッグでも。
リラックスポーズだったとしても。
どんなポーズでも、そこには支えが必要です。
ポーズ中に「完全に力を抜く」のは、
むしろ危険なことですらあります。
実際に、支える力まで抜いてしまったことで、痛めてしまうケースも少なくありません。
脱力の誤解が、ケガを招くこともある
ある生徒さんが、他のスタジオで、前屈時にこう言われたそうです。
「もっと力を抜いてください。」
その通りに力を抜いたら、上半身の重さによって、急激に太ももの裏が引っ張られた結果、肉離れしてしまった。
支えるべき場所まで抜いてしまったからです。
それ以来、その生徒さんの中で、「力を抜くこと=怖いこと」になってしまったんです。
それを聞いて、僕はこう伝えました。
「丹田から足元を踏む力を保ったまま、まずは上半身の力だけ、そっと手放して前屈してみましょう。」
その生徒さんの中で前屈で力を抜くことの意味が変わった瞬間であり、前屈が深まった瞬間にもなりました。
力がうまく抜けないのも、怖さが残るのも、ぜんぶダメなことじゃありません。
それは、まだ支えを手放すのは危ないという、身体からのサインなんです。
まずはしっかりと身体を支えましょう。そこからゆっくりと調整していけばいいんですから。
力の流れをつかんで、支えがしっかりしたとき、身体は安心して力が抜けます。
必要最低限の力で、身体を支えることも、動かすこともできるようになりますよ。
あなたも、きっとあの生徒さんのように。
シャバーサナは、ただの“お休み”ではない
ヨガのクラスの最後に行う、シャバーサナ。
仰向けに寝て、静かに休む──
一見、何もしていないように見えるこのポーズ。
基本的には、唯一「完全な脱力」で行えるポーズ。
──それが、シャバーサナです。
そして、シャバーサナにはもうひとつ、
大切な意味があります。
それは、「練習のすべてを受け取る時間」であるということ。
今日行ったポーズのすべてが、
静かに、身体に染み込んでいく時間。
シャバーサナが心地よければ──きっと、今日の練習は、身体の深い部分にまで届いていたということ。
もし、どこかに居心地の悪さを感じたとしたら──
それはきっと、身体が「ここをもう少し整えたい」と願っている場所。
次の練習への、小さなヒントかもしれません。
すべてのポーズは、シャバーサナに向かっている
そもそも、ヨガのポーズ(アーサナ)は、
瞑想のための“準備”として生まれたものです。
身体に違和感があれば、意識はそこに引っ張られる。
だから、ポーズで整える。
身体ではなく、自分の内側に焦点を当てるために。
外側の“私”ではなく、本当の自分と出会うために。
シャバーサナは、瞑想とは違うけれど、
似ているところもあります。
“何もしない”けれど、
その中にすべてがある。
つまり、こう言い換えることもできます。
すべてのポーズは、シャバーサナのためにある。
ポーズをしたことで、その後シャバーサナがより心地よく感じられること。
それが、ポーズの本質なんです。
”ポーズは形ではない”は本当にそうなんです。
日常生活と、シャバーサナのつながり
そして、仰向けの状態でそれだけリラックスできるようになるということは──シャバーサナが深まれば、眠りの質も自然に変わっていきます。
仰向けでの質のよい脱力ができるようになれば、眠りの質も自然に整っていきます。
そして、眠りが整えば──朝を、活力とともに迎えることができるんです。
決して大げさな話ではなく、日常生活にヨガを織り込んだ時
“ヨガの練習”とは、
元気になるための準備でもあるのです。
夜にうまく眠れない日があったなら、シャバーサナの入り口として、こんなポーズもおすすめです。
🛏 ワニのポーズで眠る準備を整えよう 👉
https://note.com/gambaru/n/n63f829059e9e
「眠れない夜に、“つながる”ポーズをひとつ」 布団の中でもできる、呼吸と安心のためのやさしいツイストポーズです。
練習|まずは、使い切る練習から
脱力とは──力の流れを届けた“その先”に訪れる、静けさ。
抜こうとする前に、まずはしっかりと、使ってみましょう。
以下は、シャバーサナに入る前におすすめの準備ワークです。

◾ Step:グー背伸び → 腰の落ち確認
1)仰向けになり、踵と拳を伸ばすように背伸び
※ふくらはぎは床についたままでOK。親指を中に巻き込み、甲をまっすぐにしてグーを作る
2)吸う息に合わせて背伸び、吐く息に合わせて腰を床に落ち着かせる
3)これを3~5呼吸行う。
終えたら、両足を伸ばして、静かにシャバーサナへ
そうして、腰がふわりと落ちていくような感覚が得られたら。。。
それは、使いきったからこそ感じられる、深い緩やかさかもしれません。
よかったら、今日の練習の締めくくりに──一緒に試してみませんか?
YouTubeで一緒に体験しよう
📺 YouTube本編|「力を抜く」がわからないあなたへ──ヨガで学ぶ“完全な脱力”とシャバーサナの練習方法
👉【動画はこちら】▶https://youtu.be/n75YLSox-oY
00:00|オープニング
00:13|脱力について
01:26|シャバーサナで脱力する為の練習方法1
03:06|シャバーサナで脱力する為の練習方法2
最初は、力んでよかった
「力の誤解シリーズ」の第1話で、こんな話をしました。
「最初は、力んでいい。」
しっかりと力を入れられるからこそ、抜くこともできる。
あるからこそ、調整ができる。
脱力とは、力を使い切った先にだけ、生まれる感覚なんです。
今日、あなたがもし、
「うまく力が抜けないな」と感じたなら。
無理に抜こうとするのを手放してみましょう。
まずは、抜こうとしなくていいから、
ただ、静かに横になってみてください。
そして、もし力が抜けきらないと感じる場所があったら──
そこに、いったんしっかりと力を入れてみてください。
入れた後で、そっと力を手放してみたとき、
ふっと、そこが落ち着いていくのを感じられるかもしれません。
それが、“力を抜く”ってこういうことだったのかと、
ふと心に浮かぶ瞬間となってくれたらうれしいです。
今日のあなたの身体が、少しでもやわらかくほどける時間になりますように。
今日のあなたに響くかもしれない記事たち
📅曜日ごとのお届け内容
あなたが今日、整えたいものに合わせて、よかったら読んでみてくださいね。
• 日曜|日常と身体をつなぐnote
ゆるやかな気づき・“グローエイジング”──年齢を重ねながら、しなやかに育っていく生き方をお届けしています。
• 火曜|身体と心を問い直すnote
練習や生活に静かに効いてくる、問いと哲学を綴ります。
• 金曜|身体を整える実践note(YouTube・WordPress連動)
動き・感覚・整え方を、実践しやすい形でまとめています。
📚もし、身体を整えることを、もう少し丁寧に学びたくなったら──シリーズの地図はこちら。
プレミアムでは、もっとゆっくり一緒に、整える練習を続けています。
▶ 【誤解からはじめる12ヶ月】再教育シリーズ
▶ 誤解からの再教育。プレミアム版
