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Kindle出版格闘記#8】「沖縄ではこうだった」その一言が、部下の心を殺していた。プレミアム原稿、着手の夜

◆ 8万字の先に、本当の関門があった

皆様、いつも「現場知工房」をお読みいただき、ありがとうございます。

Kindle出版に向けた8万字の土台作りが、ようやく完了しました。

そして今、本書の「心臓部」とも言えるプレミアムケーススタディ(第9話・第10話)の執筆に入りました。

今回選んだテーマは、こうです。

業績不振の部署に、立て直しの期待を背負って乗り込んだエースが、見事に組織を崩壊させてしまう悲劇。

なぜ、優秀な人材が新しい部署に行くと、失敗するのか。


◆ 「沖縄ではこうだった」消えない、あの一言

これを書きながら、思い出したくない記憶が蘇りました。

沖縄の責任者から、福岡の天神校舎へ異動になった時のことです。

新しい部署を引っ張らなければという気負い。
自分を大きく見せて、求心力を高めようとする焦り。

その二つに突き動かされ、事あるごとに、こう口にしていました。

「沖縄ではこうやって成功した」
「沖縄のやり方はこうだ」

自分では「正しい成功法則」を教えているつもりでした。

しかしある日、年上の部下から、静かにこう忠告を受けました。

「それは言うのはやめた方が良い。私たちが『沖縄より下で、何もできていない』と言われているようで、面白くないです」

頭を、ガツンと殴られました。

いくら正しいことでも、新しい部下たちへの配慮や敬意がなければ、言葉は刃になって、組織を切り裂く。

そのことを、身をもって思い知らされた瞬間でした。この方とはその後とても良い関係を築くことができ、年下上司である私を支えてくれました。


◆ 否定から入る上司、手柄を奪う上司

自分の経験だけではありません。

立て直しに入った管理者が、現場を静かに凍らせていく光景を、これまで何度も見てきました。

部下が勇気を出して会議で意見を言う。
「それは〇〇だから難しいね」

否定から入る管理者が、そこにいます。

結局、誰も意見を言わなくなります。
すると、その管理者はこうボヤくのです。

「もっと意見を聞きたいのに、あいつらは何も考えていない」

しかし、私が着任した時に部下たちに本音を聞くと、まったく違う景色が見えてきます。

「マイクロマネジメントで細かく突かれるから、意見を言うと2倍、3倍になって詰められる。だからあの人が上司のうちは、言われたことだけやると決めていたんです」

さらに最悪なのは、部下が思い切って提案した時に、こう返す上司です。

「それ、私が去年言ったよね?」

無意識のうちに、手柄が上司に奪われていきます。


◆ 初手を間違えたエースが、静かに殺すもの

これらはすべて、優秀なエースが新しい組織に入る時の「初手」を、致命的に間違えた結果、生み出される悲劇です。

結果を出さなければと焦るあまり、過去の成功体験を振りかざす。実力を誇示する。
部下の言葉を否定する。

その結果、部下は心を閉ざし、言われたことしかやらなくなります。

「沈黙のボイコット」

それが、静かに、しかし確実に、組織を蝕んでいきます。

では、立て直しを任されたエース管理者が、赴任当初から前期に本当にやらなければならなかったことは、一体何だったのか。

部下がフリーズしてしまった組織を、どうやって再び動かすのか。

正直、ここから先を、今この場で語るつもりはありません。

「優秀なリーダーが無自覚に組織を殺すプロセス」と、新任リーダーが絶対に避けるべき地雷。

それを、一切の妥協なくKindleの第9話に書き上げました。

あなたの職場にも、「初手」を間違えたまま、部下の心を静かに凍らせている誰かが、いませんか。

あの一言を口にした瞬間、部下の表情が、一瞬だけ曇りました。

正しさは、時に、優しさより先に人を傷つけます。

過去の成功は、新しい場所では、勲章ではなく重荷になります。

沈黙は、諦めの証であって、平穏の証ではありません。

それでも人は、指摘されるまで、自分の刃に気づけません。

私も、そうでした。

だからこの原稿を、逃げずに書いています。

読み返すたびに、少し胸が痛みます。それでも、この痛みごと届けたいと思っています。

本日もお読み頂きありがとうございました。

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