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【地方創生 第10弾】決戦2日前:疾走と覚醒のコントラスト。ロッカールームを飛び出した「問題児」と完璧なる「優等生」のデッドヒート

どんな組織にも、最初から光る優等生と、何度言っても腰の上がらない問題児がいる。

だが、地方創生の舞台で本当に恐ろしいのは、その問題児が「本気で化けた」瞬間だ。

決戦を2日後に控えた沖縄。台風13号の暴風雨の裏で、その大化けの予兆が、静かに始まっていた。


◆ 完璧なる戦略と圧倒的なビジネスセンスが光る。うみんちゅ班

うみんちゅ班の動きには、一切の無駄がない。

【地方創生 番外編②】でも取り上げた通り、彼らは優秀だった。そして、その優秀さはさらに研ぎ澄まされている。

ローカルな「島桑」(※)を、若者や女性に親しみやすい「浦添マルベリー(Urasoe Mulberry)」へと刷新するネーミングセンス。「血糖値スパイク抑制による眠気防止」という機能性をフックに、企業の健康経営を巻き込むCSVモデル(利益と社会貢献の両立)の構築。

島桑(シマグワ)とは
南西諸島などの暖かい地域に自生するクワ科の植物、または伊豆諸島などに育つ美しい木目の高級木材のことです。沖縄では方言で「クヮーギ」などと呼ばれ、地域特産品や健康茶としても親しまれています。

「長時間労働を助長する古いイメージ」を避けるという、コンプライアンス意識の高さも見逃せない。

上位に食い込む確実な手応え。報告書を読むたびに、こちらがワクワクさせられるほどの活動量。

この班は外堀をすでに埋め終えている。


◆ 泥臭いテコ入れと、覚醒前夜の猛ダッシュ。シーサー班

正直に明かそう。

このチームは、最も動きが遅く、最後まで要注意の班である。

研修会場では活発に議論しているように見えて、実態は腰が重い。第1回から第2回の一月の間は、ほぼ何もしていなかった。台風が近づく中、事前のアポすら取っていなかったのは、この班とエイサー班だけだった。

エイサー班がそこから動いて「琉球蓮根」に出会ったのに対し、シーサー班は、なお停滞していた。

見かねた事務局が、強力なテコ入れに動いた。長年かりゆし塾で商品開発関連の講義を担当して頂いている、沖縄物産コーディネーターの池村博隆氏を、彼らに紹介したのだ。

そのフィードバックに、私はこう題した。
「まだピッチにすら立っていない」

私が放った、冷徹な一言が、彼らの魂に火をつけた。

メンバーの内の2名は職場の許可を得、池村氏のもとへアドバイスをもらいに走った。その熱い報告の電話を受けた時、私は確信した。

「この人たちには気持ちがある。必ず化ける」

そして彼らは、昨年の事例から「範囲が広すぎてまとまらない」という反省をし、首里琉染のサンゴ染めと、首里染織館Suikaraの目前の通り(綾門大道) 」へと取り組む範囲を絞り込んだ。

suikara(※)の「職人不足」「データ分析の余裕がない」という悲鳴に対し、メンバーの所属組織:◯◯市役所、大手小売、食品加工販売大手、地元金融業の看板を総動員した「お助け黒子プラン」という武器を携え、彼らはユニフォームを着て、ピッチを猛スピードで走り始めた。

※suikara(すいから)」
那覇市首里当蔵町にある、琉球びんがたと首里織の魅力を発信する体験・観光拠点施設です。2022年4月にオープンしました。

8/6〜8/8にかけて沖縄を襲った台風のせいで、直近の返信は途絶えている。それでも、彼らの奥底にある青い炎は、消えていないはずだ。


◆ 8月12日、疾走と覚醒がクロスする運命の日

完璧なビジネスロジックで外堀を埋めたチーム。

ギリギリの崖っぷちから目覚め、愛される黒子として走り出したチーム。

まったく異なるプロセスをたどった2つのチームが、2日後、ついに同じ決戦の壇上に上がる。

あなたの部下にも、まだピッチにすら立てていないと感じる人がいませんか。その人の中に眠る青い炎を、あなたはまだ、見つけられていないだけかもしれません。


まだ、どちらが正解かは分からない。

正解は、最初から一つではない。

彼らが本音で議論を戦わせ、自分たちの結論に辿り着き、それを正解に近づけていく。その過程こそを私は見届けたい。

疾走と覚醒。この2つが交差する瞬間を、指導者として武者震いしながら待っている。

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