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キジトラにゃんこ、野生の証明

キジトラ猫──。
イエネコの祖先といわれるリビアヤマネコと同じ柄であることから、祖先の資質を色濃く引き継ぎ、野生味のある子が多いと言われる、ところが。
我が家の愛猫りんたが野生味を発揮するのはウンチングハイで家中を走り回る時か、別記事で書いたように脱走した時ぐらいである。

そんなりんたであるが、これまた別記事でも書いたように尻トントンが大好きである。好みのリズム、好みの強さであれば5分、10分、15分、20分、30分といつまでも尻を上げてトントンを要求してくるのだ。
しかしりんたも猫の端くれ、ふいに「尻トントンはもうやめろ」ってな合図で、急に手に噛みついた上で腕を蹴り蹴りしてくる。
が、噛みつきは「あむあむ」ってなオノマトペが似合いそうな甘噛み、蹴り蹴りは素早い割にミミズ腫れにもならぬソフトタッチである。たまに腕に痕が残ったかと思えば、0.1mmのペン先で蛍光ピンクの微かな線を引いたような、なんとも頼りないそれなのである。

とある日──。
広げたレジ袋で遊んでいた時のこと。りんたを向こうに回し眺めていると、りんたはレジ袋に頭を突っ込む。レジ袋の底をこそばすように指先でガサゴソと音を立ててやると、焼きすぎて焦げたクリームパンのようなかわいい前足で、ちょいちょいと俺の指先を弄ってくる。
「なんともかわいいやつめ、ほ〜れほ〜れ」などと調子に乗って、さらにガサゴソとしたその時!

ガブッ!

俺は初めてりんたに全力で噛まれたのだ! 激痛である!
思わず「ふぬぉっ!」と叫んだ。できるだけりんたをビビらせまいと絶叫を抑えようとした結果がコレである。我慢しすぎたため鼻に力が入りすぎ、鼻腔が吹き飛ぶかと思うぐらいに痛かった。
某猫系YouTuberが「猫は人間の肉を食い千切るぐらい訳ない」などと言っていたが、それが妄言でないことを自らの指で証明したのだ。
まさに「野生の証明」である。
噛まれた指には上顎と下顎の両方の犬歯、計4つの穴が空いていた。思い切り素早く噛まれたせいなのか、しっかりと穴は空いているのに出血は無い。
しかし穴の深淵は赤かった……。

侮るなかれ。
やはり野生は色濃く残っているのである──。


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