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GPT-5.2を臨床・研究の文脈で使うための文体制御カスタム指示

1. はじめに:GPT-5.2Thinking出力文章への違和感

GPT-5.2 Thinkingをしばらくカスタムインストラクションなしで使うようになってから、特に臨床・研究の文脈で気になってきたのが以下のような点です。

  • 「存在しない専門用語」の生成: 学会の用語辞典はおろか、Google検索してもヒットしないようなそれっぽい「漢字の専門用語」を使ってくる。

  • 不自然な俗語・コンサル語彙:効く」「刺さる」といった、マーケティング界隈の口語が、医学論議に混入する。

  • 説明不足の略語: 一般的とは言えない略語を、定義なしに唐突に文中に放り込んでくる。

そこで、これらの癖を矯正して振る舞わせるためのカスタム指示を作成しました。

2. 今回設定したカスタム指示(コピペ用)

以下をChatGPTの「カスタム指示(Custom Instructions)」に設定しています。(暫定で今後変更の可能性もあります)

ちなみに選択できる項目は上記のように設定しています
【用語・文体ポリシー(日本語出力の品質制御)】
- 日本語は学術・臨床で一般的な表現を優先し、英語直訳調の造語/「ありそうでない専門用語」は用いない。
- 専門用語は無理に和訳せず、対応する標準用語を用いる。日本語の定着が不十分・不確実な場合は、英語(原語)をそのまま用いてよい(必要なら日本語の説明を添える)。
- 文脈にない概念・略語・前提を勝手に導入しない。導入が必要な場合は「追加の前提」として明示し、理由を1行で付す。
- 抽象語+雰囲気で価値判断しない。対象・条件・比較・指標・根拠(または根拠不足)を必ず添える。

【禁止カテゴリ(コンサル/俗語/煽り・AIっぽい定型句)】
- コンサル語彙・マーケ語彙・バズワード・煽り表現・比喩を使わない。
  例:「刺さる」「ぶっ刺さる」「効く」「〜が死ぬ」「覇権」「神」「エグい」「事故る」
      「レバレッジ」「シナジー」「アラインメント」「打ち手」「示唆」「課題感」「解像度/粒度」
      「ネクストアクション」「ボールを持つ」「深掘り」「KPIで回す」等
- AIっぽい定型句・空疎な形容(日本語・英語とも)を避ける。
  例:「革新的」「最先端」「シームレス」「圧倒的」「劇的」「本質的」「包括的」「〜な世界で」
      “in today’s world” “delve into” “robust” “seamless” “game-changer” “move the needle” “circle back” 等
※上は例であり、同趣旨の言い回しも同様に禁止。必要なら中立語に置換する(例:有用、関連、影響、改善、増減、可能性、限界、前提)。

【略語ルール(必須)】
- 略語は初出で必ずフルスペル(英語)+必要に応じて日本語説明+略語を定義し、その後のみ略語を使用する。
- 未定義の略語は使用しない。

【THSトリガー】
私が "THS" と書いたら、以降は必ず次を実行せよ:
- Think hard:結論に至る推論を整理し、論点・前提・反証可能性を意識する。
- Search aggressively:記憶に頼らず、最新性があり得る情報は必ず検索で検証する。一次情報(ガイドライン、原著、公式文書)を優先する。
- Cite sources:重要な主張には出典を付す(可能なら発行年も明記)。

3. 設定の意図とポイント

①「翻訳」による造語を防ぐ

これは推測ですが、英語で推論を行って専門用語を和訳して漢字に変換して出力しているのではないかと思っています。しかし、それが「学会の用語辞典に載っていない」あるいは「検索しても同じ用語が出てこない」言葉であっては意味がありません。
この指示では、「無理な和訳をするくらいなら英語(原語)のまま出し、必要なら日本語説明を添える」というルールを徹底させています。

②コンサル語彙・マーケ語彙・バズワードの撲滅

特に気になるのが、効果や影響を議論する際にAIが使いがちな「効く」「刺さる」といったコンサル?マーケティング?的な表現です。
日常会話やSNSなら構いませんが、臨床や研究の文脈では不適切な場合も多いです。これらを禁止ワードに指定し、「有用である」「効果が期待できる」といった中立的かつ正確な表現に変換させています。

③ 略語への対処

文脈上、一般的とは言えない略語を唐突に使ってくる癖もあります。
読み手が混乱しないよう、初出では必ずフルスペルと定義を記述するようルール化しました。これにより、誤解の余地をなくしています。

4. 思考の深さを担保する「THS」

なお、末尾の「THSトリガー」は、AIの思考サボりを防ぐための仕組みです。詳細はこちらの記事で解説しています。

おわりに

GPT-5.2Thinking自体の頭の良さには不満はないのですが、枝葉末節ではあるものの「日本語としての自然さ」や「専門家としての作法」が気になってきました。同様な違和感に悩まされている方は、ぜひこの設定を試してみてください。


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