【構造批評】-マンション修繕談合全国波及編-関東から東海へ、地域事件を超え始めた設計監理方式の構造不信‼️
🟧序章|関東だけでは終わらなかった談合疑惑
7月28日、公正取引委員会は、愛知、岐阜、三重のマンション大規模修繕工事を巡り、施工会社20社超と設計コンサルタント会社へ立ち入り検査しました。
わずか1カ月前には、関東で施工会社30社超と設計コンサル2社に排除措置命令を出す方針が報じられています。対象工事は100件以上、課徴金は計約16億円とされました。
今回の東海3県への波及によって、事件の見方は変わります。
関東の一部業者による局地的な受注調整ではなく、マンション大規模修繕で広く採用されてきた設計監理方式そのものに、地域をまたぐ構造的な不信が生じ始めたからです。
次に問われるのは、東海で終わるのかではありません。関西、九州、北海道など、同じ発注方式を使う全国の修繕工事へ調査が広がるのかです。
🔵第一章|関東の摘発が東海へつながった意味
関東の事件では、施工会社同士が受注予定者や価格を調整しただけでなく、本来は管理組合を守る設計コンサルまで関与したとされました。
東海3県でも同様に、設計コンサル会社が見積もり合わせに関与し、施工会社からバックマージンを受け取った疑いが持たれています。
⚫︎設計コンサルが修繕計画を作る
⚫︎施工会社の選定を支援する
⚫︎見積もりの比較を取り仕切る
⚫︎工事の品質を監理する
⚫︎その選定過程で受注調整に関与した疑い
関東と東海で似た構図が現れた以上、個別企業だけの不正として片づけることは難しくなります。
同じ業界慣行や人的関係、見積もり方式が、他地域にも存在していなかったかが焦点になります。
🔵第二章|設計監理方式に内在した権限集中
設計監理方式は、専門知識のない管理組合を支援する仕組みとして普及しました。
設計コンサルが工事内容を設計し、施工会社を選び、工事まで監理するため、管理組合には効率的で安心な方式に見えます。
しかし、その利点は同時に弱点にもなります。
⚫︎工事項目の設定
⚫︎参加業者の選定
⚫︎見積もり条件の作成
⚫︎価格の妥当性判断
⚫︎施工後の品質評価
これらが同じコンサルへ集中します。
第三者として競争を監視する側が、施工会社と利害を共有すれば、管理組合には不正を見抜く手段がほとんどありません。
透明性を高めるための方式が、外形だけの競争を作る装置へ転じる危険を内包していたのです。
🔵第三章|全国企業が迫られる危機管理判断
関東の事件が表面化した時点で、全国展開する施工会社や設計コンサルには、自社の他地域案件を点検する動機が生じていました。
東海で同様の立ち入りが行われたことで、その必要性はさらに高まります。
⚫︎過去の入札資料を保全する
⚫︎メールやチャットを調査する
⚫︎営業担当者へ聞き取りを行う
⚫︎設計コンサルとの取引を確認する
⚫︎外部弁護士を入れて自主調査する
⚫︎リーニエンシーの申請を検討する
独占禁止法には、違反を自主申告した企業の課徴金を減免する制度があります。
危機管理の強い企業なら、関東での立ち入り後、次の地域へ調査が広がる可能性を想定していたはずです。
反対に、様子見を続ければ、自主申告の機会を失い、立ち入り後に課徴金や信用失墜をまとめて負う恐れがあります。
🔵第四章|地域をまたぐ業界構造の疑念
大規模修繕業界では、全国企業、地域施工会社、設計コンサル、管理会社が複雑に案件へ関与します。
同じ企業が関東と東海の双方で工事を受注することもあれば、担当者や協力会社の人的関係が地域を越える場合もあります。
そのため、公取委が関東で押収した資料や関係者の供述から、別地域の案件へ手掛かりを広げた可能性も考えられます。
⚫︎同一企業の地域支店
⚫︎共通する設計コンサル
⚫︎似通った入札参加会社
⚫︎受注予定者を決める業界慣行
⚫︎地域を越えた情報交換
東海への波及は、二つ目の独立事件とは限りません。全国の修繕市場を覆う取引構造の一部が、地域ごとに表面化し始めた可能性があります。
🔵第五章|全国の管理組合に戻る疑念
調査が全国へ広がれば、影響を受けるのは施工会社だけではありません。
過去に大規模修繕を実施した管理組合は、自分たちの工事価格と業者選定を再検証する必要に迫られます。
⚫︎見積もりは本当に競争だったのか
⚫︎落札価格は適正だったのか
⚫︎コンサルは誰の利益を守ったのか
⚫︎参加業者はどのように選ばれたのか
⚫︎修繕積立金の増額は妥当だったのか
資材費や人件費が上昇しているため、工事価格が高いだけで談合とは断定できません。
それでも、関東と東海で同じ疑惑が生じれば、全国の管理組合が過去案件へ疑問を抱くのは当然です。
設計監理方式への信頼が揺らげば、今後の修繕工事の発注方法そのものも見直しを迫られます。
🟪終章|地域事件から全国構造の検証へ
関東のマンション修繕談合は、施工会社30社超、対象工事100件以上という時点ですでに大規模な事件でした。
そこへ東海3県の施工会社20社超と設計コンサルへの立ち入りが続きました。
二つの地域で、施工会社だけでなく、管理組合の代理人である設計コンサルの関与が疑われています。
これは関東の事件が東海へ飛び火したというだけではありません。管理組合を守るはずの設計監理方式が、全国各地で同じ弱点を抱えていなかったかを問う段階へ入ったということです。
今後の焦点は、処分企業の数や課徴金額だけではありません。
どの地域まで受注調整が広がっていたのか、全国企業はいつ把握したのか、関東での摘発後に内部調査や自主申告へ動いたのか。そして管理組合が負担した修繕費に、競争を失わせた上乗せがどれほど含まれていたのかです。
関東から東海へ。
この地理的な拡大は、マンション修繕談合が地域事件を超え、全国の設計監理方式と業界慣行を検証する事件へエスカレーションし始めたことを示しています。
いいなと思ったら応援しよう!
チップで応援頂けると嬉しいです…!フォローもして頂けたら、さらに励みになります🌿この記事は noteマネー にピックアップされました

