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ライン随想録 駅前・放置自転車

ライン随想録 1996/11/4 井浦幸雄、スイス・バーゼル

随想録

久しぶりに、東京に帰るたび、駅前 放置自転車が気になる。
年に二度ほど、仕事や、 私用で東京に行くが、とくに自宅のある世田谷・成城学園前の駅前でますます放置自転車が増えている。
東京の多くの駅前で同じ光景が繰り返されているのだろう。
どこでも、家がますます駅から遠くなっているし、バスは渋滞で朝は時間がかかる。
歩くには遠いし、悪いとは知っていても、駅前に自転車を放置してしまうのだろう。
豊かな日本では放置自転車を盗むひとはまずいまいという、甘えもあるだろう。

世田谷区などの、役所や警察がこれを放置しているのではなく、 放置自転車に警告書をはったり、一年に一度くらいは、放置自転車を撤去して、取りに来た人には小額の罰金を課すというようなこともしているようだ。
東京の駅前の地価はたかく、有料駐輪場もすぐに一杯になり利用できなくなるか、または高い値段のため、敬遠されて、またしばらくすると、放置・自転車が増えるという、いわばいたちごっこを繰り返しているようだ。

この話はラッシュ地獄とあわせ、日本の過密都市の積年の悩みがかさなったもので、簡単には解決しないかもしれない。
しかし、 放置自転車の問題は日本の社会でみなの意見集約、コンセンサスを形成できないという病理現象の典型的な例と思われるので、すこし考えてみたい。

自転車放置禁止などと、書くので無視して、放置していくのであって、その代わり、「不要自転車・捨て場」と書いた看板を一メートルおきに置くとよいだろう。
そこに、金のこぎりをおいておいて、「どうぞお一人一台にかぎり、自由に不要自転車をお持ち帰りください。」と書いておくと効果的だろう。
この話を、インターネットのNewsGroup、 fj. livingでしたところ、すでに武蔵野市のある駅前で実施したそうである。
ここでは、放置自転車が皆無になった、との話を教えてくれる人があった。
ただ、本当に不用の自転車をたくさん、野積みにされ、誰ももっていかなくなったら、 市が処理に困るのではないか、などの反応もあった。

つぎのアイデアは市場メカニズムをとりいれ、駅から200-300メートルのところにある、有料駐輪場の管理人に不法・放置自転車を撤去・保管する権限を与える事である。
これをとりに来た人には、有料・駐輪代金のたとえば、5倍の撤去・保管料を徴収するという方法である。
駐輪場の管理人は10時から3時くらいまでは、比較的暇なので、この時を使うわけだ。撤去・保管料のたとえば半分は管理人が給与として、手にすることができるとしてもよい。
トラブルを防ぐため、条例をさだめるとか、 警察の応援を頼む事も必要かもしれない。

また、人口がそれほど多くないところでは、たとえば、わたしのいるバーゼル市のように、駅前の一定の指定地域に整然と自転車をおいておくように、 市なり、駅なりの職員をひとり、常駐させ、監視・誘導にあたらせるのも良いかもしれない。

以上は、地域、 地域によりことなり、みなの考えも異なると思う。
放置自転車はかまわない、という市、町もあるかもしれない。
それは、それで良いと思う。

ただ、みなで不満を言い合っているのでなく、 市なり、 町なりの議会で議論したり、 この対応策のため住民投票をして、 多数の意見を実施するという、しくみを作り上げることがじつに大切なのではないかと思うのだがいかがでしょうか。

老齢プログラマの所感

1996年末の東京の駅前の放置自転車対策の話です。
バーゼル市では職員がひとり常駐して監視・誘導にあたっているので、駅前の一定の指定地域に整然と置かれているのですね。

AIに聞いてみると、世界各地ではさまざまな興味深い方法があるようです。

オランダ(アムステルダム)
オランダは自転車大国として知られており、多くの都市で大規模な駐輪場を設置しています。
アムステルダム中央駅の地下には、数千台の自転車を収容できる駐輪場があり、利便性を高めています。

ドイツ(フライブルク)
フライブルクでは、都市全体にわたる自転車ネットワークを整備し、自転車専用レーンや駐輪場を多数設置しています。
また、利用者に対して自転車駐輪のマナーを啓発するキャンペーンを行っています。

日本(東京)
日本でも駅前放置自転車の問題が深刻ですが、東京都内では駐輪場の整備や放置自転車の定期撤去が行われています。
一部の自治体では、専用アプリを使って空き駐輪スペースをリアルタイムで確認できるサービスも提供しています。

フランス(パリ)
パリでは、自転車シェアリングシステム「ヴェリブ」が導入されており、市民や観光客に手軽に自転車を利用してもらうことを促進しています。
これにより、私有自転車の放置問題の軽減に寄与しています。

アメリカ(ニューヨーク)
ニューヨーク市では、違法に放置された自転車を速やかに撤去し、所有者に対して罰金を科す厳格な措置を講じています。
また、主要な交通ハブには大規模な駐輪場が設置されています。

対策は以下のどれかになるのでしょうね。
1.定期的な撤去
2.専用駐輪場整備
3.管理システム
4.罰則の強化
5.啓蒙活動


補足

この記事は1997年頃の「ライン随想録(井浦幸雄さん)」の復刻版です。
当時、私の故郷の「おふくろの味」を井浦さんがWebに載せて下さった。
この記事は住職の息子によって今も公開されています。
しかし、井浦さんの「ライン随想録」は今やどこにも見当たりません。
それで、当時お世話になったことを思い出し、復刻することにしました。


【ライン随想録】
ライン随想録 駅前・放置自転車(本記事)
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