「感情を動かすために、感情に頼らないシステムを」ITエンジニアがスポーツマネジメント会社を創る理由。
交わらないはずの「二つの世界」
僕は普段、ITエンジニアとして業務系システムの開発や運用をする仕事をしています。
「ITエンジニア」と聞いて皆さんが思い浮かべるのは、きっとプログラミングや無駄のなくすといった、変わった人が多かったり、どこか「冷たくて無機質な世界」ではないでしょうか。
あまり野球やほかのスポーツをバリバリやってきた人が就いている仕事ではないことは間違いありません。
しかし、私のもう一つの顔は、登録者800名を超える野球コミュニティ「TURTLES(タートルズ)」の代表であり、これから地域スポーツの環境を支えるスポーツマネジメント会社を創業します。
泥だらけになって白球を追いかけ、大人が本気で悔しがり、時に涙を流す。そんな、熱量と「感情」がむき出しになった、ITとは対極にある泥臭い世界に、私は小学生の頃からずっと身を置いています。
一見、交わるはずのない「冷たいIT(論理)」と「熱いスポーツ(感情)」。
ですが、この相容れないはずの二つが掛け合わさったとき、これまで誰も解決できなかった「アマチュアスポーツの最大の病」を治療できることに気づいたのです。
アマチュアスポーツを蝕む「善意と自己犠牲」という病
部活動の地域移行や、地元のサークル、少年団。
それらの活動を裏で支えているのは、いつも「誰かの信じられないほどの善意と自己犠牲」です。
• 毎回、誰よりも早くグラウンドの予約争奪戦に参加してくれる人
• 重くて多い道具を、自分の車でボランティアで運んでくれる人
• 参加費の未払いを、コミュニティの空気を壊さないように気まずい思いをしながら催促してくれる人
それらを好きでやっている人もいれば、人助けのような善意で協力している人、当番制でやむを得ずやっている人もいると思います。
しかし、この「誰かの感情的な善意」に依存した運営は、いつか必ず破綻します。
仕事が忙しくなったり、ライフステージが変わったりして、そのキーマンが一人抜けた瞬間、どれだけ熱量のあったコミュニティも音を立てて崩壊していく姿を、私は何度も見てきました。
「誰かの犠牲の上にしか成り立たない楽しさ」は、本当に持続可能と言えるのでしょうか。私は、そうは思いません。
「感情に頼らないシステム」は、ITだけの話ではない
スポーツがくれる感動や、仲間との繋がりといった「熱い感情」は、人生を豊かにするために絶対に必要なものです。
だからこそ、私はこう考えました。
「その熱い感情を動かし続けるためにこそ、裏側の環境は、冷徹なまでに感情に頼らないシステムでなければならない」と。
ここでいう「システム」や「エンジニアリング」とは、単にコードを書くことだけを指すのではありません。
目の前にある課題に対して、「計画」「設計」「実装」「運用」という総合的なプロセスを踏み、持続可能な解決策を導き出すアプローチそのもの。
それこそが、エンジニアリングの本質です。
スポーツ本来の楽しさに、プレイヤーが100%没頭できる環境をつくる。
この、一見すると「エモーショナル(感情的)」に見える最大の課題を解決するためにこそ、このエンジニアリングのプロセスが必要不可欠なのです。
もし環境づくりを「みんなの善意」や「当事者の熱意(感情)」だけに依存させてしまうと、そこには必ず「あの人はなにもしていない」「あの人は実は設けているんじゃないか」「お金の催促が気まずい」「準備が負担だ」という、人間関係の摩擦が生じます。
だからこそ、
• 【計画】 誰がどう動けば、現場が自然に、不公平なく回るかを論理的に定義する。
• 【設計】 プレイヤーが自発的にマナー良く行動したくなる「ルール」や「役割」を人間の心理に基づいて設計する。
• 【実装】 それをリアルの運営規約や、業務の自動化をITで形にする。
• 【運用】 日々生じる小さな感情の摩擦を、仕組みの改修によって取り除き続ける。
この4つのプロセスを徹底的に回すことで、誰も傷つかず、誰も自己犠牲を払うことなく、ただ純粋に「スポーツ本来の楽しさ」を味わい尽くせる環境が完成します。
私が創ろうとしている「スポーツマネジメント会社」は、ただのITツール屋でも、ただのスポーツイベント屋でもありません。
この「スポーツ環境を徹底的にエンジニアリングする集団」なのです。
私たちが仕掛ける「3つのアプローチ」
この理想を現実のものにするために、これから設立する会社では、3つの具体的なインフラを構築し、社会へ実装していきます。
スポーツマネジメント事業(ヒト・ノウハウ):
泥臭い運営代行ではなく、現場を「自走」させる方程式を自社コミュニティで検証・デバッグします。運営プラットフォーム開発事業(システム・IT):
検証された自走ノウハウを、スマホ一つで運営を自動操縦できるSaaS「COMPASS」として全国のチームへ提供します。ファシリティマネジメント事業(モノ・空間):
民間施設をプライベートな店舗として運営するだけでなく、公共施設の「指定管理者」となり、「公共スポーツインフラの運営最適化(DX)」に挑みます。
私たちは、汗をかくだけのイベント会社でも、画面の中だけで完結するIT企業でもありません。
「ヒト・システム・モノ」を網羅し、地域スポーツの熱量を経済へと正しく循環させる、次世代のスポーツインフラ企業を目指します。
このプロセスをすべて、ここに書き残します
会社を立ち上げる、システムを開発する、無人の練習場を企画する。
これから私たちが挑むプロセスは、失敗と修正の連続になるはずです。
このnoteでは、
• 「どうやってツールとシステムを連携させて、ストレスをゼロにしたか(技術・システム編)」
• 「コミュニティのマナーを劇的に向上させるための心理ハック(運営・ヒト編)」
• 「無人のスポーツ施設を成立させるためのセキュリティとルール設計(空間・モノ編)」
など、私たちが日々向き合っている「持続可能なコミュニティの方程式」を、包み隠さず公開していきます。
もし、あなたがスポーツチームやサークルの運営に頭を悩ませているなら。
もし、あなたが「技術を使って、リアルな世界を少しだけ良くしたい」と願うエンジニアなら。
ぜひ、この会社設立までの旅を、一緒に見届けてください。
