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【番外】あの映画を家族で観に行く

深夜のアニメを観て、最初に鬼滅の刃にハマり出したのは私だった。
しかし、まだ幼い息子に鬼の話は出来ない。
夫は、そもそもアニメに興味を持たないタイプだ。
やがて息子が成長し、学校や塾などで鬼滅が話題にあがるようになった。
いまだ!
私は、アニメのコミカルな回だけを見せ、息子はキャラクターを覚えて面白がった。
戦いの場面は怖がるため、私が横にくっつき徹底的にカットしまくった。
戦いではないが、禰豆子が柱の不死川実弥に人食い鬼か試されるシーンはもちろん、鱗滝さんが炭治郎にビンタをかますシーンも徹底カット。
完全カット映像だ。
その甲斐あって、息子はお友達と鬼滅の話が出来るようになった。
さらに、お友達からあらすじを聞いて、展開がわかるようになった。
しかし、さすがにまだ戦いを観るのは怖い。不死川玄弥も怖い。善逸が伊之助に一方的にボコられるシーンも怖い。
私は粘り強く、戦いのシーンその他をカットし続けた。

半年ほど過ぎた頃、息子は炭治郎勢が押しているシーン限定で、戦いを観られるまでになった。
その夏、無限城編が公開された。
それを観たくてたまらない私は、苦肉の策で夫を誘った。もちろん、即座に断る夫。
「アニメなんて観るのは苦痛。1人で行けば」
夫には「人の用事に付き合う」と言う概念はないのだ。
私は1人で映画館に行こうか悩みに悩んだ。
でも、息子に隠れてアニメ映画を観に行くのは、なんとなく気が引けた。

そして夏休みも終わり、秋も過ぎ去った。
いまだに息子は無限城を観ていない。お友達はみんな観ているのに。
話題に乗り切れていない息子のことが気になった。
そして何より、映画の内容が寝ても覚めても気になった。テレビでCMが流れる度に釘付けになり、内心、冷静ではいられなかった。
今年やり残したことがあるのに、年忘れなんて出来るわけない。
そんな時、ついに息子、炭治郎勢が鬼の首を切るシーンまで観られるようになった。
12月に入って、鬼滅の刃公式キャラクターブックでブーストをかけたおかげだった。我が家にある鬼滅関連本は、このキャラブックだけだ。
息子は、この本で完全に鬼滅のストーリーを理解し、細かな設定まで頭に叩き込んだ。いつでも鬼滅の豆知識を披露できるまでになっていた。その熱量を理社にも向けてほしい。
ノープランで年末年始に突入しようとしている夫に「年末の家族イベントなんだから」とこじつけ、私は息子と夫を伴って、遅ればせながら映画館に馳せ参じた。
かくして、夫、1秒も寝ることなく一気に世界観に引き込まれ、息子も迫力ある映像に圧倒された。
これで、我が家は思い残すことなく、無事にその年を越したのだった。

後日、夫は猗窩座見たさに息子をIMAX版にしつこく誘って、すげなく断られていた。
まず私を誘えばいいのにね。



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