「理事長に届け出ればいい」じゃ通らない!構造部工事の落とし穴|2019年度 マン管 問25|No.122|マンション管理士・管理業務主任者試験対策
こんにちは、ねこおじさんです。
この問題は、管理規約の「承認」と「届け出」を混同しやすい典型例です。
似たような表現が多く、試験中に読み飛ばしてしまう人も少なくありません。
今回は標準管理規約第17条の「三段階構造」を整理しながら、一緒に確認していきましょう。
時間のない人はここ読んで!
・正解肢:3(誤り)
・主要構造部にエアコン取付=承認必要
・届け出と承認は別物。軽微な工事でも届け出は必須
・無断で行えば是正措置(勧告・命令)の対象になる
問題文
マンション管理士試験 令和元年度(2019年) 問25
区分所有者が専有部分の修繕等を行おうとする場合における次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。
1:共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれがない専有部分の修繕等を行おうとする場合には、理事長の承認を受けなくても実施することができる。
2:専有部分の間取りを変更しようとする場合には、理事長への承認の申請書に、設計図、仕様書及び工程表を添付する必要がある。
3:主要構造部にエアコンを直接取り付けようとする場合には、あらかじめ、理事長にその旨を届け出ることにより、実施することができる。
4:専有部分の床をフローリング仕様に変更しようとして理事長への承認の申請をする場合、承認の判断に際して調査等により特別な費用がかかるときは、申請者に負担させることが適当である。
問題文の要約
1:軽微な修繕なら承認不要?
2:間取り変更には添付書類が必要?
3:主要構造部にエアコン取付は届け出でOK?
4:フローリング変更に伴う調査費は申請者負担?
各選択肢の判定
1:適切。
標準管理規約第17条第1項では、共用部分や他の専有部分に影響を与えない場合は、理事長の承認不要と定めています。
2:適切。
同条第2項で、設計図・仕様書・工程表を添付した申請書を理事長に提出するよう定めています。
3:不適切。
主要構造部(柱・梁・壁・床など)は建物の強度に関わる部分です。
共用部分や他の専有部分に影響を与えるおそれがあるため、理事長の書面による承認が必要です。
4:適切。
標準管理規約第17条コメント⑤⑥によれば、承認判断に専門家の意見を聞くことがあり、調査に費用がかかる場合は申請者負担が適当としています。
ねこおじさんのつまずきポイント解説
「3番、間違えた。届け出と承認が別物だったぁ」
届け出:共用部分や他の専有部分に影響を与えない軽微な修繕・模様替えなど。理事長に「こうします」と知らせるだけでOK(承認不要)。
承認:共用部分や他の専有部分に影響を与えるおそれがある修繕・取付けなど。理事長の書面による承認が必要(標準管理規約第17条第1項)。
🔩 今回の選択肢③には、主要構造部にエアコンを直接取り付けようとする場合には、理事長に届け出るだけでOK──となっていたので、これは✕。
なぜなら「主要構造部(柱・梁・壁など)」は建物全体の強度に関係する部分=共用部分や他の専有部分に影響を与えるおそれがある。
したがって、「届け出」ではなく「承認」が必要なんですが、集中力が切れていたのか、そのまま届け出に疑問を持たずに〇にしてしまいました。
そして、ねこおじさんにはここで新たな疑問が出ました。
「問1の問題は届けてるけど、これって無断でしてる? 届け出だけ出して、承認は要らないってこと?」
🧩 標準管理規約第17条の考え方は「三段階構造」。
① 無断(申請なし)=NG(違反)理事長に何も言わずに工事するのは不可。
② 届け出(承認不要)=軽微な工事。例:壁紙の張替え。
③ 承認(書面要)=影響あり。例:配管変更、構造部の取付。
つまり、問1の「承認を受けなくても実施できる」は「届け出はするが承認不要」という段階を指します。
標準管理規約(単棟型)第63条(措置命令)では、無断工事に対して理事長が是正措置(勧告・命令)を取ることができると定めています。
悪質な場合は原状回復命令・差止請求に発展することもあるため、届け出を怠らないことが大切です。
覚え方・考え方のまとめ
・無断=NG、届け出=軽微、承認=影響あり。
・主要構造部は建物の骨格=承認要。
・軽微な変更でも「届け出」は必須。
・無断でやれば是正措置の対象。
🌀ひっかけ注意ポイント
・「届け出でOK」は軽微な工事だけ。構造部に触れるなら承認要。
・「主要構造部=共用部分」として扱う。
・「承認=書面」が必要なことを忘れやすい。
📚 関連記事もぜひチェック!
▶️ No.9 理事会の承認・決議手続を誤解しやすいパターンを整理。
理事長の判断と理事会決議の関係を対比しながら、承認手続の仕組みを復習できます。
▶️ No.33 決議権限の範囲を理解することで、理事長・理事会・総会の役割を比較できます。
団地型規約を通して「誰が決めるのか」を体系的に押さえる記事です。
この記事が少しでも理解の整理に役立てばうれしいです。
「承認と届け出の境界線」、このあたりの問題は毎年どこかで出題されるので、今のうちに整理しておきましょう。
過去問の出題テーマを分類したナビ記事を作っています。
苦手分野を探したいときや、どんなテーマがあるのか確認したいときにぜひ。
