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戦友、病み期、恩人達

前回の記事はこちら↑から


ワシントンD.C.は豪雨。
椎名林檎も思いつかないであろう歌い出し。

戦略は皆無。
次なる目的地のシカゴまでただひたすらに突き進むだけ。
880マイル(約1400km)という、ちょっともう本当に勘弁してくださいよの長さの道のり。


C&Oトレイル
GAPトレイル

ワシントンからシカゴに向かうアパラチア山脈越えは、Chesapeake & Ohio Canal Towpath (C&O トレイル)とGreat Allegheny Passage (GAPトレイル)という、割と整備されたサイクリングロードを進んだ。
ロングトレイルアクティビティやサイクリング用に作られているトレイルなので、傾斜がそこまで急じゃなくてとても助かる。大きい荷物を積んだサイクリストやどデカいザックを背負ったハイカーも多くて、すれ違うたびに交わす挨拶に"戦友"の雰囲気が感じられてすごく良かった。
やっぱり挨拶は良い。日本でもよく登山をしていたけど、登山道で人とすれ違う時も元気よく挨拶する派だ。

戦友

The Eastrn Continental Devide
わかりやすい地図

ワシントン出発から4日かかって、GAPトレイル上の最高到達地点(The Eastern Continental Devideというらしい)に辿り着いた。
地理的にもアメリカの東海岸エリアを抜けたっぽい!

YOU ARE HERE!!

ここからはピッツバーグという大きめの街までずっと緩やかな下り坂。達成感がすごい。
ゆずの『虹』(越えて 越えて 越えて〜♪のやつ)を熱唱しながら軽やかにトレイルを下っていく。


ピッツバーグ到着を祝してアイスのご褒美

前回の記事では紹介しなかったけれど、ピッツバーグではブルースというナイスガイの家に一泊させてもらった。
超がつくほどのフレンドリーな奴で、「Easy! Easy!」が口癖。たぶん「気ィ遣うなよ!楽にしてけよ!」みたいな意味だと思う。

ブルース宅のキッチン
お手製チャーハンとラーメン

夜は用事があったみたいで家を空けてたんだけど、「キッチンにあるものは全部好きに使っていいから!」と、冷蔵庫から戸棚から全部開けて見せてくれて、結局米と胡麻油と冷蔵庫の食材をいただいてチャーハンとラーメンを作って食べた。
お母さんが台湾出身で、中華系の調味料は定期的に送られてくるんだとか。

本当に助かった、ありがとうブルース。
台湾と日本、そしてお前と俺はズッ友だょ…

お見送りしてくれたブルースと、
ポーズが意味不明の俺


そこからシカゴまではずっと平坦な田んぼ道。たまに小さい町が現れるけど、基本的には800kmくらいこの風景。
向かい風がずっと強かったり、漕いでも漕いでも景色が変わらないことだったり、やたら日本が恋しくなってちょっとイカつめのホームシックが来たりでメンタル的にだいぶ病んでた。数年前に大好きなじいちゃんが(父方と母方)ダブルで死んだ時以来、人生で2番目の病み期。

「マジで何してるんだ俺?」という思考が頭にこびり付いて離れない。

もうとりあえずシカゴまで行ってそのまま飛行機取って帰国したろかな、ということまで本気の本気で考えてた。

ドレイク

そういうタイミングを見計らったかのように、人の優しさに触れる出来事が立て続けに起きる。

アーチボルドという町で野宿する前、ガソリンスタンドで買い物しようとしたら外でドレイクというおニイちゃんに話しかけられた。
「ずいぶんCOOLなチャリンコだな、何か飲み物でも買ってやるよ」みたいに言われたので、すかさずバドワイザーを指定。こういうところは我ながら抜け目ない。
公園で飲んだこのバドワイザーの味は一生忘れないと思う。


ビルとジョン

続いてゴーシェンの町に入る手前。
横にカッコいいクラシックカー?がピッタリと付いて、漕ぎながら他愛もない会話を何ラリーかした後、「今からピザ食いにいくからお前も来なよ!」と誘ってくれたおっちゃんのビルとジョンという青年。
WhatsAppで連絡先を交換して、2マイル先のピザ屋集合になった。

ピザのサイズ間違えた

「好きなものを頼め!酒も頼めよ、今夜はグッスリだぜ」と、なんともシブすぎる酒の勧め方。
もちろんビールを頼んだとも!おかわりもしたさ!
ピザに関してはサイズ感がイマイチわからなかったのでとりあえず大きい方のサイズ(14インチ)を注文したらとんでもなくデカくて食べきれなかった。
持ち帰り用の箱をもらって次の日の朝飯にした。

お別れ

この話にはまだ続きがある。
ピザをご馳走になった後は例のごとく公園で野宿したんだけど、次の日の朝出発してすぐ、通勤途中のビルとバッタリ出くわした。
というか道中でたまたま俺のことを見かけたようで、交差点を過ぎたあたりの路肩に車を停めて待ち構えていた。感動の再会。
昨晩の感謝を改めて伝えると、なんと、「今夜のディナーの足しにしてくれ」と20ドルのお小遣いと名刺を手渡してくれた。

本当に信じられん。
この気持ちは言葉では伝えきれなかったので思いっきり渾身のハグをお見舞いした。
去り際に運転席の窓から出したグッドサインが最高にカッコよくて、感動も相まってしばらくその場から動けなかった。


本当に田んぼしかなかったオハイオ州

「最高の出会いに感謝」みたいな言葉はなんか胡散臭くてムズ痒いし、至る所で使い古されている(気がする)から今やその言葉自体が軽くなってる感じがする。のであんまり使いたくないな〜って思ってた。
でもやっぱりそれに尽きる。
「マジほんまそれ」状態。

たくさんの出会いに支えられて、なんとか気を持ち直して自分の選んだ道を進めている。
かといってあんまり気負わず、行けるとこまでマイペースに行こうと思う。
Easy! Easy!

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