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漫画家アシスタント物語 諦めま章〈15〉 血尿で、医院、病院、検査漬け!

 
《上の写真: 私の腎臓を映したエコー画像です。左側の写真は、正常な右腎臓です。画質が悪くて鮮明ではないのですが、右側の写真が問題の左腎臓で、ブドウ状に沢山ののう胞ができています。大きさも正常な腎臓の4倍くらいあり、多くののう胞に占領され機能していません‥‥2013年2月撮影 》
            < この諦めま章〈15〉は、文庫本約12ページ分 >

 
 
 
「諦めま章」は、独立した「章」ですので、「第9章」の続きではありません。 ほとんどは、雑多な回想ですが、一部連続していますので、やはり、この「諦めま章〈1〉」からお読みになる事をお勧めいたします。
 
それから‥‥
はじめての方は、
「マガジン:第1章、第2章」(無料)がお薦めです!

 
さて‥‥ 本文の前に‥‥ ここで‥‥‥‥
 

「漫画家アシスタント物語」のマガジンを、いつも購読してくれる方を紹介させてください。 vasenoir 村田旭先生 ‥‥‥ありがとうございました!
村田先生の神戸での作品展のお知らせ記事になります!

 


               その29

   《 漫画家アシスタントが・・・エコー検査を受ける!? 》

便器が日の丸の様に赤くなってから2日後の月曜日、私は、朝、仕事場へ向う前に駅近くの泌尿器科へ出向きました。( 出血の度合いは、少し薄くなっていました )

一般にある普通の泌尿器科ですが、私以外には患者さんが一人か二人いるだけで、待合室はとても静かでした。

医師は、明らかにメタボタイプで、どことなく引退した力士の高見盛関( ※参照 )に似ていました‥‥ こうした印象は、医師にとっては嬉しくないかもしれませんが、患者にとっては、とてもリラックスできるもので、決して悪い印象で書いているつもりはありません。

血尿の原因を探るべく、まず尿の採取をおこないました。

これは、トイレへ行って自分で専用の紙コップに放尿して、トイレ内にある窓口のラックへ提出するものです‥‥

この時、尿に血が混じっているので、赤い色のついた尿が出るのかな‥‥ と思ったのですが、その色は、赤‥‥ というよりも、ブドウ色に近いもので‥‥‥‥ そのドロドロとした赤黒い液体を紙コップに受ける時は、薄気味の悪い思いをしたものです。

便器に落ちて、水溜りに広がる色と、白い紙コップにうけるそれとでは、こうも印象が違うものなのかと、改めて血尿の入った生ぬるいコップをのぞき込むわけです。

『 最悪の場合、もがく様にして多額の治療費を使って死んでいくよりも、いっそ、あっさりと死んだ方が良いのだろうか‥‥‥‥ 』

狭いトイレの中でそんな事を考える。

病気というものが、人に当然起こるであろう「 死 」や「 人生の終わり 」について考える事をこれほどに強いるものなのかと‥‥‥‥ 初めて知った次第です。

高見盛関に似た医師が、血尿の色や分泌物について看護師と何か話している様子‥‥ その内容については、よく分かりませんが‥‥ なんだか陰気そうな雰囲気‥‥‥‥。
 
私の小便が、深刻な事態を表しているのか、医師にとって簡単な( 安い )治療費で済んでしまう、という深刻な事態を表しているのか‥‥‥‥ どちらなのかは分かりません‥‥‥‥。
 
採血検査をした後で、腕をまくって採血後の注射痕を不安そうに押さえている私に‥‥‥‥
 
「 では、エコー( 超音波 )検査をしましょう 」
 
そう言って、医師は、私を検査台へ導きます‥‥‥‥ ズボンを下ろし、下着姿になって、お腹のあたり( 腰部 )を露出する感じで、マットに横になります。

誰でも一度は、見たり経験したりするのではないかと思いますが‥‥‥‥ ゼリーを塗ってから、ヒンヤリと冷たいセンサーを当てて、腹部から下腹部を軽く押すようにスキャンしていきます。

この時に、私も医師と一緒にモニターに映る自分のエコー画像を見ているわけです。( エコー画像というのは、画質が悪くてよく分かりません )

「 これですね‥‥ 」

「 はぁ‥‥ 」( 暗い画面をにらむが、よく分からない )

医師は、何やら私に示しながら血尿の原因となる病巣を画像に示します‥‥‥‥

「 これ、腎臓なんですが‥‥‥‥ のう胞ができてます‥‥‥‥ それも2~30個できてますね 」

「 のうほぉ‥‥? 」

「 ええ、中に水が溜まったものです。ブドウみたいに沢山できてデカくなってます。大体普通の腎臓の3~4倍の大きさになってます 」

‥‥なんとも気味の悪い話になってきているが、医師の口から、ガンとか腫瘍といった言葉はまだない。

「 左の腎臓は、ほとんど機能してませんね‥‥‥‥ たぶん、これが原因しているのだと思いますが‥‥‥‥ 」

さらに医師は、腹部から下腹部へとセンサーを移動させていく‥‥‥‥

「 これが、前立腺‥‥ こちらが膀胱です‥‥‥‥ ん‥‥‥‥ 」

「 ‥‥‥‥‥‥ 」

「 ‥‥‥‥‥‥これは、大丈夫みたいですね‥‥‥‥ 見た目ではこれといった異常は見られませんね 」

最悪の宣告はまぬがれたようだが‥‥‥‥ あまり喜べる雰囲気ではない‥‥‥‥ 左の腎臓がほぼ機能不全になっているのだ‥‥‥‥

さらに腎臓や、その周りの機能の状態など‥‥‥‥ もっと詳しく調べないとまだ結論が出せない‥‥‥‥と、戸田市にある大きな病院を紹介されました。

「 先生、この病気は‥‥ その病名は‥‥ 何という‥‥‥‥? 」

「 これは‥‥ たはつせい‥‥ さじんのう‥‥‥‥ 」

そう言ってメモ用紙に「 多発性左腎臓のう胞 」と書いてくれました。

この病気は、先天性のもので、父親か母親の家系で遺伝する病気で、治療法は存在しません‥‥‥‥ つまり治りません。

いつ発症して、どの程度のスピードで進行するのかも分からないそうです。中には子供の時からすでに出きている人もいるそうです。( 多くの場合は中年になってから自覚症状が出てくる )

腎臓というのは、全体の半分以上が機能不全になってもほとんど自覚症状が出ない‥‥‥‥ つまり、普通に暮らせてしまうために、発見が遅くなるようです。

ちなみに、腎機能が15%以下( 俗に言う腎不全 )になると人工透析という厄介な治療が死ぬまで必要になるわけです。

統計上、私の様な多発性腎のう胞の人間が75歳までに人工透析が必要になる確率は50%‥‥‥‥ 致命的ではないにしても、全く嬉しくない話です。( 今は元気な右の腎臓もいずれはダメになる )
 
 
さて‥‥‥‥

今回のブログは、医学上の話がほとんどですが、その解説的な部分の全てはネットの検索で調べる事が出来ます。

私が医師から聞いた話も全てネットでその症状( 例えば「 血尿 」とか「 腎のう胞 」とか )を検索すれば、かなり正確にその原因や、また、必要な検査や治療法の情報を得る事が出来ます。

つまり、病気の症状が分かれば、医師の診察は必要なく、ネットで必要な検査を調べ、保健所や検査機関に自分で行く、その結果から、さらに手術や専門治療へと進めが良いので、医師( 最初の診察 )が必要ないのではないのか‥‥‥‥

そんな疑問がわいたのは、医師の話を聞きながら‥‥‥‥

『 この先生の言ってる事は、全部ネットに出てたなぁ‥‥‥‥ 』

つまり、「 知ってますよそんなの! 」と思ってしまうと‥‥‥‥ 何故、医師の診察を受けているのか意味が分からなくなるのです。

医師と患者の情報量に差がなくなってくる‥‥‥‥ 医師にとって商売(?)のやりにくい時代になったものです。( 2026年現在、AIによって、誰でも瞬時に医療情報にアクセスできる )

翌日‥‥

私は、前立腺や膀胱をCTスキャナーなどでさらに詳しく調べるために紹介された病院へ向かいました。

仕事場へは、出勤時間が遅くなる事を前日にFAXで知らせておきましたが‥‥‥‥

こうした連絡をすると、ジョージ先生( ※参照 )は、独自の想像力( 妄想? )を働かせて‥‥‥‥

「 あいつは、きっと死ぬな 」
‥‥とか

「 仮病を使って昼間っから風俗へ行くつもりだろう 」

‥‥などと吹聴されない様に慎重にFAXする必要があるのです。

これは、冗談ではありません。
 
 

 


私が行った戸田市にある大きな総合病院です。この建物は、病院の新館です。2013年4月、撮影

 
               その30

   《 漫画家アシスタントが・・・病院で血圧を上げる!? 》


人間というものはイ~加減なもので‥‥‥‥( 私だけがイ~加減なのかも知れませんが )
 
血尿にショックを受けて、ガンや死を想像した数日を過ぎてしまうと‥‥‥‥( 10日ほどで血尿が止まると )、もう他人事の様に気楽な気分になっていました。( 現在では、自分の病気を忘れる事も )
 
 
2013年、2月18日の月曜日‥‥

JR埼京線の武蔵浦和駅近くの泌尿器科で診察を受けた時です‥‥

エコー検査や血液検査でガンの兆候が見当たらなとはいえ、より精密な検査が必要だと医師に勧められたのです。( この時には、まだ不安な気持ちでした )

そこで、翌日、紹介された戸田市にある大きな病院へ出かけたわけです。

国内随一と言われる検査システムを誇り、世界的にも有名な腎臓外科医のいる大きな病院‥‥ などとは、ほど遠い地方都市には必ずあるそこそこの総合病院‥‥ つまり、ありきたりな総合田舎病院。

よほど儲かっているのか、赤字なのか‥‥ 古い部分と増築、改築を続けている部分とが不規則に並んでいる‥‥‥‥ 

それぞれの建物に内科とか外科とか皮膚科とかが分散しているので、複雑きわまりなく、おまけに古い建物の陰気さは、昭和レトロを感じさせる。

そこには、やはり、多くの中高年が平日からギッシリと各待合室を埋め尽くし、そこそこの医師の5分の診察を待つために、ジッと座って3時間も耐え忍ぶ日常的な風景が見られます。

50畳以上あるような大きな待合室は、泌尿器科と腎臓内科の2科だけでも診察を待つ人々によって座席がいっぱい、そこからこぼれて廊下に立ちん坊している患者さんもいるほどです。

患者さん( 中高年ボランティアみたいに見える )‥‥‥‥が詰め込まれた待合室には、大型の液晶テレビで何か映しているのですが、音が小さいので意味がさっぱり分かりません。

その多くの患者さん( 30人以上 )が意味不明のテレビを何時間も見つめ続ける姿は、情けないというよりも不気味ですらあります。
 
私の血圧は徐々に上がっていく‥‥‥‥ そんな感じなのです。
 
 
さて、私の順番‥‥‥‥ いよいよ診察です‥‥‥‥
 
採尿と採血は、待っている時間にやっているのですが‥‥‥‥ これは、前日の診察でも同じ様にやっている‥‥‥‥
 
「 昨日やったので、必要ないです‥‥ 無駄だと思います! 」
 
なんて言えるわけもないので‥‥‥‥( 黙って、同じ事の繰り返し )
 
とにかく、何時間も待たされて、やっとエコー検査と診察へ‥‥‥‥

このエコー検査は、前日にやっているのですが‥‥‥‥ まったく同じ検査を二日も続けて受ける事のバカバカしさは、虚しい限りです‥‥‥‥

さらに医師の診察ですが‥‥ これまた、昨日と同じ内容( 検査結果も診断も )で‥‥‥‥

結局‥‥‥‥

「 この次( 3週間後 )は、CT検査と膀胱の内視鏡検査、それから、念のためにMRI検査を受けて下さい 」

‥‥‥‥次回も検査、検査、検査、検査!

‥‥というわけで‥‥‥‥ お会計!

昨日のクリニックでは、7000円ほど( 社会保険で精算、実質は2万円以上 )の支払でしたが、まったく同じ診察( 止血剤含む )と検査なのに、この病院では10000円( 社会保険で精算、実質は3万円以上 )を超えてしまいました!

日本の医療というものが何処か狂っていると誰もが思っているのに改善出来ない‥‥‥‥ これは、日本そのものが「患者? 病人?」だからなのかもしれません‥‥‥‥

さて、CT検査と膀胱内視鏡検査、さらにMRI検査‥‥

これは、予約がいっぱいで‥‥ すぐには検査出来ないために、3週間も待たされる事になりました。

このCT検査は、誰でも一度は経験しているのではないかと思いますが‥‥ 丸いドーム型の検査機にスッポリと入ってリアルな輪切り状の断層画像を撮影するあれです。

MRI検査というのは、脳の血管を磁気によって精密画像診断するものです。私の様に腎臓にのう胞ができる人の1割ほどの人が、合併症で脳動脈瘤ができてしまうために必要になる検査なのです。

CTやMRIついては、別に何も書くほどの事はないのですが‥‥‥‥ 問題は、膀胱内視鏡検査というやつです。
 
これについては‥‥‥‥ 恥を忍んで書かせていただきたいと思います!
 
血尿を出しているだけでも憂鬱なのに‥‥‥‥!
 
アレに内視鏡( 煙草ほどの太さのコード! )を突っ込まれるなんて‥‥‥‥‥‥!
 

 病気より 恐ろしいのが 内視鏡!
 
 
 

      「 漫画家アシスタント物語 諦めま章〈16〉」へつづく・・・・

                  「諦めま章〈14〉」へもどる‥‥

                        「もくじ」 へ‥‥

 

 

 

~~~ 参照 ・ 諦めま章〈15〉 ~~~( 読んでも、読まなくても!)

 【その29】
・ジョージ先生 : 昭和の有名漫画家、1966年、23歳で売れっ子作家に。70年には週刊連載6誌という逸話もある。2012年当時、連載誌1誌、69歳。
・高見盛関 : 元大相撲力士、2002年に東小結。愛嬌のある人気力士でTVやCMによく出てました。

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