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漫画家アシスタント物語 諦めま章〈11〉 そんなの知らねぃ~なぁ~!

 
《 写真上:仕事場のドア前から撮影した東京の青空と目白通り。中央遠くに池袋サンシャインビル、右の方へ行くと目白駅があります。2013年撮影 》
            < この諦めま章〈11〉は、文庫本約8ページ分 >
 
 

「諦めま章」は、独立した「章」ですので、「第9章」の続きではありません。 ほとんどは、雑多な回想ですが、一部連続していますので、やはり、「諦めま章〈1〉」からお読みになる事をお勧めいたします。
 
それから‥‥
はじめての方は、
「マガジン:第1章、第2章」(無料)がお薦めです!
 


               その21

    《 漫画家アシスタントが・・・ダマされていた!? 》
 

有名な漫画家先生の奥さんから、内輪の相談( 浮気問題 )を受けたのは、自分だけ‥‥‥‥

この話は、奥さんと自分だけの秘密だと思っていたアシスタントのKさんでしたが‥‥

私は、Yさんも奥さんから同じ相談を受け、先生の浮気をバラすまいと頑張るも‥‥‥‥ ついにシラを切り通す事が出来なくなり‥‥‥‥‥・

全てを告白するに至る話をしたわけです‥‥‥‥

さすがに、自分だけが知っている秘密だと思っていたKさんには、かなり意外だった様子でした‥‥‥‥( 40年間の沈黙が無駄だった )

私が、Yさんが奥さんから「 コンドームが仕事場のゴミ箱から出てきたの 」という話を出され、Yさんがキビシイ尋問に追い詰められていく経緯も話しました‥‥‥‥

「 Yさんは、コンドームの話が出た事で‥‥‥‥ もう嘘はつけない‥‥‥‥ そう判断したみたいで‥‥‥‥ 」
「 え~~~~っ! 喋っちゃったの~~っ! 嘘っだろぉおおおおっ! 」「 浮気の事は全部喋ったそうですよ‥‥ 」
「 信じられないなぁ‥‥‥‥ 何で喋るかなぁ~‥‥‥‥ 」
すっかり、あきれ返った表情のKさん‥‥

「 Yさんは‥‥ 奥さんが可哀想だった‥‥‥‥って、そう言ってました‥‥ 」

「 可哀想だった 」から、「 実は、浮気しています 」‥‥と、事実を話す事が奥さんのためになるのかどうか‥‥‥‥( 20歳前後の若者ならそうした判断をするのかもしれません )

その辺の事は、よく分かりませんが‥‥‥‥
 

さて‥‥‥‥

ここまでの話なら、ただの先生の浮気と、奥さんの捜査完了で終わるところなのですが‥‥‥‥

実は、アシスタントたちも知らなかった事実を私は知る事になります‥‥‥‥

ここから‥‥ 藪の中からヘビが出るか、クマが出るか‥‥‥‥ ご期待ください! ‥‥‥‥真打登場です!!
 

最近( 2012年前後 )‥‥

直接この漫画家A先生から聞いたのですが‥‥‥‥

何の機会だったか‥‥‥‥ 「 浮気 」についての会話をした時に、私は以下の様な質問を漫画家A先生にぶつけてみたのです‥‥‥‥‥‥

「 先生が若い頃( 今から40年近く前の30歳頃 )に仕事場のゴミ箱にコンドームがあったって話ですが‥‥‥‥ 」
「 何ぃそれぃ‥‥? 」
「 奥さんがゴミ箱の中に、コンドームを見つけたそうなんですが‥‥ 」
「 コンドーム‥‥‥‥? 」いたって無表情。
「 はい 」
私は、先生がとぼけているんだな‥‥と、疑っています。 しかし、先生の表情はいたって真面目なのです。
「 おかしいなぁ‥‥‥‥ それは無ぃ~と思うよ‥‥‥‥ 」
「 無い? 」
「 俺ぃ、コンドーム使った事なぃ~から 」
「 えええぇ~~~っ?! 」
「 使い方も知らなぃ~しな 」
「 ええええええええええぇ~~~~~~~っ!! 」
「 本当だよ。 俺ぃ‥‥ 使った事なぃ~んだよ‥‥ コンドームなんてよ! 」
「エイズ騒動の頃もですか‥‥‥‥?」
「使い方知らねぃ~から」
「まさか‥‥‥‥」
「おめぃ~知ってンのかぁ~?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」返事の言葉もない。

この漫画家A先生の話しぶりに「 嘘 」っぽい所がない( 嘘つく意味がない )‥‥‥‥ 

本当に戸惑ったような‥‥‥‥ 怪訝けでんな表情を浮かべるその姿‥‥‥‥ どうしても「 嘘 」をついているとは思えない。

これは、つまり‥‥‥‥

奥さんが、アシスタントにカマをかけたという事になるのか‥‥‥‥

どうも、単純に「 可哀想な奥さん 」なだけでは‥‥ なさそうだ‥‥‥‥。
 

これは‥‥‥‥

大昔( 50年以上前 )のお話‥‥‥‥

今( 2025年 )では、漫画家A先生は77歳で亡くなり、奥さんはその25年前に他界しています‥‥‥‥。
 
アシスタントだった我々は、みんな70歳を超えました‥‥‥‥

 

 
 


1988年に私が描いた自虐的作品「壁」の一部。 デビューしてすぐに私の壁となって道を塞いだ。創作活動のドン詰まり‥‥‥‥これ以降まったく鳴かず飛ばずのどん底へ落ち込みます

 

               その22

     《 漫画家アシスタントが・・・問題提起する!? 》


私が漫画家アシスタントを初めて経験したのが19歳の時‥‥‥‥ それから39年‥‥ パッとしない漫画人生でした‥‥‥‥( 正確には『 漫画背景人生 』)

ただ‥‥ 不思議な縁で、今は、19歳の頃の私とよく似た若者たちに4年前から「 漫画背景 」を教えています‥‥( 2013年当時のお話 )

本来なら、私のような中古のポンコツが教壇に立つ事などありえない事だと思うのですが‥‥‥‥( 時代と共に背景画が進歩しているはずなら、私の様な古い人間に出番のあるはずもなく )

私の判断では、日本の漫画の作画技術は1990年頃にピークを迎え、それ以降は、ほとんど進化していないのではないかと思うのです。

具体的には、背景画のビル街や、SFのメカ、さらに自動車や船舶の描き方など、ここ20年以上に渡って進歩が見られません。

80年代に20~30年前の背景画なんて描いていたら、とても使い物にならなかったと思います。でも、今は私のような古めかしい( 30年前の! )感性で通用してしまうのですから心境は複雑です。

ここまで読んでいただいた方の中には‥‥‥‥

「 何言ってるんだ、今は、デジタルの時代‥‥ どんどん進化してるじゃないか 」

‥‥と、思われる方もおられるかと思いますが‥‥‥‥

それは、ハードの進化や、また、パソコンのソフトウェアーの進化に過ぎず、作家の技術的な進化とは違うのです。

確かに、写真などをパソコンに取り込んで、それを漫画風に加工して使ったり、多くの画像処理によって複雑な背景効果が誰でも出来る様になりましたが、それで、作品のクオリティーが上がっているのか( 作画技術が上がっているのか )というと、かなり疑問なわけです。

最近‥‥‥‥ つい先月( 2013年1月 )です。

私が漫画背景を教えに行かせてもらっている大学の「 講師会 」が新宿でありましたのですが‥‥‥‥

そこで、私が提起した問題がこの「 デジタル化 」でした‥‥‥‥

私は、漫画の作画や原作、さらにはキャラクターや演出まで、各科目を教える講師諸氏や、テーブルの向かい側で私を見つめながらビールを飲む主任教授を前に、大体、以下のような話をしたのです‥‥‥‥

「 ペンで描かなくても、タブレット( コミック制作ソフト )でいいんじゃないですか 」

‥‥とか

「 効果処理( スクリーントーンやペン画による線描効果 )なんて、PC( パソコン )で簡単に出来ますよ 」

‥‥などといった意見が学生から出てくると話しました。

最近は、誰でも( 中高生でも )簡単に漫画が描ける様なソフトも出ているわけで‥‥‥‥ 私の教える様なアナログな( 手作業による作画 )表現は、もう古いのではないのか‥‥‥‥ という問題です。( 2013年頃の話です )

きっと、拙ブログを読んでくれている方の中には‥‥‥‥

「 もう、コンピューター( AI )の時代なんだよ! 」

‥‥と思われる方もあるかも知れません‥‥‥‥ しかし‥‥‥‥

先ほども書きました様に‥‥‥‥ デジタル化によって、漫画の作画技術が( クオリティーが )上がっているのかどうか疑問なのです。

本当は、表現のレベルを上げるためではなく、「 簡単に描ける 」とか「 補正処理が早い 」とか「 楽に作れる 」とかいった理由でデジタル化が進んでいるのではないのかと‥‥‥‥

しかし‥‥‥‥

「 楽に 」作ったモノが高く売れるのでしょうか‥‥‥‥ いや、そうは思えません‥‥‥‥

「 早く 」「 楽に 」「 簡単に 」作るとは‥‥‥‥ つまり‥‥‥‥ 作品の価値を安くしていく危険性も含んでいるのだと、私には思えるのです‥‥‥‥‥‥

この問題提起に、主任教授( 私の様なナンチャッテ講師とは違う本物の大学教授先生! )は‥‥‥‥

「 でも‥‥ これから先‥‥ どんどんデジタル化は進んでいくでしょう‥‥‥‥ 」

確かに、その通りで‥‥‥‥

10年前には、ほとんどいなかったのに‥‥‥‥ 今では、半分以上の漫画家がPCを仕事場に導入しています。

もっとも、PCでキャラクターを入れている人はまだ少ないですが、多くの漫画家にとって作品の仕上げにPCは欠かせないものになっています。( 2013年頃の話 )

いずれは、キャラクターも背景画もコマ割りもPCで全て描かれる時代が来るのでしょう‥‥‥‥( 来てしまいましたね! )

 
 
 
  

      「 漫画家アシスタント物語 諦めま章〈12〉」へつづく・・・・

                  「諦めま章〈10〉」へもどる‥‥

                        「もくじ」 へ‥‥
 
 
 
 
 


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