生成 AI で英語を聞く量を一気に増やす。YouTube × Gemini で「多聴」をパワーアップさせよう
こんにちは。Google の AI「Gemini(ジェミニ)」の公式 note 編集部です。
英語を学ぶにあたって、たくさんの英語を聴くこと、すなわち「多聴」が非常に大事だと言われています。一方で、聞き取れないことでフラストレーションが溜まったり、教材の選定が難しかったりと、継続した学習に課題を感じる方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、そんな多聴の実践および継続のハードルを低くするための生成 AI 活用についてです。
教えていただくのは、英語の習得をスピードアップできるような英語学習法を研究・発信している Kumiko さん。Gemini アドバイザーであるけんすうさんとの対談を通じて、Gemini を活用した英語の「多聴」の可能性をたっぷり教えてもらいます。
※ Gemini の回答は常に正しいとは限りません。実際に Gemini を使用した際の回答結果については、ご自身で正確性をご確認いただきますようお願いいたします。
英語を目と耳から同時に摂取してほしい
けんすう:Kumiko さんの SNS を拝見していると、よく「多聴・多読が大事だ」って話をされていますよね。
Kumiko:はい。とにかく多く英語に触れることが大事だということを、特に強調してお伝えしています。
けんすう:今回はその中でも「多聴」について伺いたいのですが、多聴って具体的にどうやって進めるのがいいのですか?
Kumiko:多聴のポイントは「字幕」です。YouTube などにある英語の動画に、英語字幕を表示させて、同じ英文を「目と耳から同時に摂取」することが大切になります。

けんすう:目と耳から同時に摂取、ですか。
Kumiko:多くの日本人の英語学習者は、中学・高校とずっと「目」からの勉強ばかりをやってきたと思います。ですから、耳からの情報だけではなかなか理解できず、一方で英語字幕を見ると理解できる、という方が少なくありません。そのギャップを埋めていくことが大事だと思うので、そのためにも、動画に英語字幕をつけてほしいと考えています。
けんすう:動画はなんでもいいですか?
Kumiko:テーマはなんでもいいのですが、動画の内容を理解していることが大事です。もし英語だけでは理解できないような動画を題材にする場合は、最初に日本語字幕をつけて一通り見て内容をキャッチアップするといいでしょう。もしくは、YouTube であれば Gemini を使ってストーリーの概要を把握するのもアリですね。逆に、英語字幕だけでも内容の 7〜8 割が理解できる人は、この部分は飛ばしても大丈夫です。
YouTube 動画を使った多聴ステップ
Kumiko:では実際にやってみたいと思います。今回は、Google の公式 YouTube チャンネルにある、「Google I/O '24 in under 10 minutes」という動画を使いたいと思います。
けんすう:Gemini など生成 AI に関する発表動画ですね。
Kumiko:まずは事前にどんな内容なのか、Gemini に要約してもらいましょう。YouTube の URL をそのまま打ち込んでもいいですし、より短く要約してもらってもいいでしょう。今回は、以下のプロンプトで英語の要約文を作ってもらいます。
プロンプト例
Summarize this video in simple English
https://www.youtube.com/watch?v=WsEQjeZoEng
Geminiからの回答

Kumiko:これを読んでから動画を見ると、より理解が深まると思います。動画視聴の際は、YouTubeでの字幕設定で、「英語(自動生成)」を選択いただきたいと思います。
けんすう:他にもいくつか選択肢がありますが、なぜ「英語(自動生成)」なのでしょうか?
Kumiko:こちらは動画の音声を認識して、自動的に 1 語ずつ英語字幕を生成する機能です。動画の喋りに合わせて 1 語ずつ表示されていくので、まとめて文章が表示されて音声が発せられるよりも前に字幕を読んでしまう、という状況を防ぐ意味でもこちらの「英語(自動生成)」を選択いただくのがいいと思っています。あと、英語が早いと聞き取れない、という場合は再生速度を遅くするのもいいでしょう。

けんすう:便利な時代になりましたね。
Kumiko:動画を見るだけではなく、もっと負荷をかけたいという人は、シャドーイングもおすすめです。同じエピソードを見ながら、セリフを 0.5 秒くらい遅れて一緒に言ってみると、より修得が早まると思います。もちろん、すべてのセリフは無理なので、誰か登場人物を決めた上でやってみましょう。あと、この動画の理解度をチェックしたい場合も、以下のようなプロンプトで Gemini に頼めば、すぐに理解度テストを作ってくれます。
プロンプト例
この動画を使って、選択式の理解度テストを英語で作成して
用語の記憶ではなく内容を理解したかテストしたいので、選択肢は文章で作成して
Geminiからの回答

Kumiko:こちらは見終わった後にやるのもいいですし、動画を見る前に問題を確認しておいて、答えを探す目的で動画を見るのもいいと思います。TOEIC などの英語試験のリスニング対策としても使えます。
けんすう:YouTube はほぼ無限に動画があるので、教材には困らないですね。あと、この理解度テストは Gemini Live を使っても面白そうですね!
Kumiko:そうですね。音声のやりとりを通じて、たとえば動画についてディスカッションしたり、分からないところを質問したりもできますね。
やる気に頼りすぎず、楽しさを貪欲に追求することが大事
けんすう:これ、英語の教材の概念がゼロから変わってきてしまいますね。やはりポイントとしては、自分が好きなものを探す、ということになるのでしょうか?
Kumiko:はい。これはいつも言っていることなのですが、とにかく「楽しさを貪欲に追求すること」が大事です。皆さん、やる気に頼りすぎているんですよね。
けんすう:いやー、耳が痛い…
Kumiko:最初はやる気があるので続けられそうな気がしちゃうのですが、やる気は永遠に続くものではありません。たとえば仕事や家庭の都合が忙しくなったりしたら、すぐに吹き飛んでしまいます。そんな時でも、楽しさがあれば続けるモチベーションになるでしょうから、そういう状態に持っていくのが理想です。
けんすう:仕事が忙しいという言い訳が特に多い気がするのですが、生成 AI を使うと、仕事に関する動画を英語にしてインプットすることで一石二鳥になったりもしますよね。その時に、生成 AI の幅広い知識って役に立つなと。たとえばロシアの人と英語で仕事の話をする必要があるとして、ロシアの情報を扱った英語の教材って、なかなか日本にはないんですよ。でも生成 AI であれば、たとえば「ロシアの有名な小説を英語で教えてください」とかができるので、便利ですよね。

Kumiko:そうですね。生成 AI だと結構マイナーな専門分野についても学ぶことができるので、仕事の一環でやっていただくのもいいと思います。
けんすう:あと、扱う動画が結構昔のドラマだった場合、古い表現を使ったりするじゃないですか。それに対して生成 AI に聞ける、というのもいいですよね。
Kumiko:そうですね。ちなみに私は教材として海外ドラマ、特に『フレンズ』をよくおすすめしているのですが、ドラマ内の笑いポイントに対して「なんで面白いのか分からない」という声を多々いただきます。それについても、Gemini に質問してみるとしっかりと解説してくれます。ドラマを観た方しか分からないと思いますが、たとえば以下のような質問をすると、ちゃんと背景含め Gemini が答えてくれています。
プロンプト例
ドラマ「フレンズ」に出てくる「Unagi」に関するエピソードは何が面白いのですか?
Geminiからの回答

Kumiko:このように、有名な海外ドラマの内容であれば、ある程度は答えてくれると思います。
けんすう:なるほど。多聴をするときに色々とつまずきポイントがあるけれど、Gemini を横に置いて質問しまくると、つっかかるところがないということですね。こうなると、どんどんと独学しない理由がなくなってきますね。今回もありがとうございました!
今回、英語の多聴を実践・継続するためのヒントをたくさんいただきました。
ぜひ、今回紹介された YouTube 動画と Gemini を使った学習法を実践してみてください!一人でも多くの、英語学習に課題を感じている方に届くといいなと思います。
なお、けんすうさんと Kumiko さんの対談は、まだまだつづきます! 次回は、Kumiko さんが重視する「英語の多読(たくさんの英語を読むこと)」を効率よく実践するための生成 AI 活用について、教えていただきます。
楽しみにしていただけるとうれしいです。
けんすうさん × Kumiko さん対談シリーズ
対談者プロフィール
Kumiko
カナダで語学学校を 10 年経営し、IELTS 対策をはじめ、TOEIC、英文法、ビジネス英語、翻訳、通訳、英会話などさまざまなコースで指導。オリジナル教材やカリキュラム作りも数多くこなし、延べ 50 人以上のネイティブ講師やバイリンガル講師へ指導法のトレーニングを行う。著書に『分野別×言い換え力 スピーキング攻略 IELTS 英単語』(明日香出版社)、『独学で英語を話せるようになった人がやっていること』(リチェンジ)がある。
けんすう(古川健介)
アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006 年株式会社リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009 年に株式会社ロケットスタート(のちの株式会社 nanapi)を創業。2014 年に KDDI グループにジョインし、Supership 株式会社取締役に就任。2018 年から現職。会員制ビジネスメディア「アル開発室」において、ほぼ毎日記事を投稿中。
