英単語 100 万の達成が一気に楽になる。「多読」のための生成 AI 活用術
こんにちは。Google の AI「Gemini(ジェミニ)」の公式 note 編集部です。
英語力を上げたいと思った時に、必ずアドバイスされるのが、英語の「多読」です。なるべくたくさんの英文を読むことで、自然と英語脳になっていくという考え方です。
「まずは 100 万語を目指しましょう!」
このように話すのは、英語の習得をスピードアップできるような英語学習法を研究・発信している Kumiko さんです。100 万語というと、一般的な洋書を 10 冊 〜 15 冊ほど読む必要がある量です。
「そんなにたくさん読むのは無理」だと思われるかもしれませんが、生成 AI を活用すると、これまでよりも圧倒的に、100 万語の達成が楽になると言います。
具体的にどうやって進めていけばいいのか、今回も、Gemini アドバイザー・けんすうさんとの対談を通じて、Gemini を活用した英語の「多読」の可能性をたっぷり教えてもらいます。
※ Gemini の回答は常に正しいとは限りません。実際に Gemini を使用した際の回答結果については、ご自身で正確性をご確認いただきますようお願いいたします。
そもそも、完璧を目指そうとしない
けんすう:今回は英語の「多読」ということで、とにかくたくさんの英文を読むことが大事ということですね。
Kumiko:多読をすると、読み書きのスピードが上がり、英語が口からスムーズに出てきて、さらにリスニング力の向上も期待できます。スピーキング、リスニング、ライティング、リーディングという、英語の 4 技能に効くので、非常におすすめです。毎回細かく訳すのではなく、英語のまま頭で理解して読み進めることがポイントです。
けんすう:「This is a pen」とあったら、「これはペンです」といちいち脳内で訳すのではなく、英文のままで理解するようになると。
Kumiko:そのための、浴びるようにインプットができる最良の方法が多読だと、私としては考えています。しかもスマホさえあればすぐにできてしまうので、どんな環境下でもすぐに実行できるというメリットもあります。
けんすう:たしかに、スマホを使ってすぐにできるのは大きいですね。隙間時間を活用できますから。一方で、すぐにできるから続けることができるかというと、私自身めちゃくちゃ挫折しています。たとえば知らない単語が出てきただけで、すぐに止まっちゃいます…
Kumiko:おっしゃるとおり、挫折している方は多いですね。その理由として多いのが、完璧を目指してしまうことなんですよね。日本人学習者の多くは中学・高校で文法的に正しく読むことを習慣化させていて、それが「読む」ということだと考えている方が多いです。でも私が言う「多読」は、日本語の本を読むような感じで完璧を目指さなくてよく、内容の理解も 7 〜 8 割でいいとお伝えしています。
けんすう:なるほど。だいたいどれくらい読めばいいのでしょうか?
Kumiko:およその目安ですが、100 万単語を読めば、全体的な英語処理のスピードが上がると考えています。
多読の実践では「習慣化」がポイント
けんすう:100 万語と聞くと、結構ハードルが高いと感じてしまうのですが、生成 AI を使うと、この辺は楽になるものでしょうか?
Kumiko:ポイントは「習慣化」だと考えています。

けんすう:習慣化、ですか。
Kumiko:読みたいと思っている英文を事前に Gemini に読み込ませ、要約してもらい、ある程度内容を理解した上で読むようにすると、頭に入ってくる感じが変わってきます。じゃあどの英文を読めばいいかということですが、日本のビジネスパーソンはスマホや PC でニュース/ブログを読む習慣のある方が多いと思います。その習慣を、そのまま英語のニュース/ブログに切り替える、というのがおすすめです。
けんすう:たしかに普段習慣としてやっていることを置き換えていった方が、そのまま定着しやすいということですね。
Kumiko:たとえばこちらの Google による英文ブログを読もうと思った時に、ブログを範囲指定でコピーし、それを Gemini に貼り付けた上で、最後に以下のプロンプトを入力して実行します。
プロンプト例
Summarise this article for English learners.
https://blog.google/technology/ai/google-ai-updates-october-2024/
Geminiからの回答

Kumiko:「Summarise this article(この文章を要約して)」だけではなく、「for English learners(英語学習者に向けて)」を加えることで、少し優しく要約してもらうようにしています。もちろん、ある程度英語が読める方は、for English learners を無くしても大丈夫です。ついでに、右上のイヤホンボタンを押すと英語での発音もチェックできますし、Gemini Live を起動してブログの内容についてディスカッションしてもいいと思います。
けんすう:なるほど。ニュースを読むだけでなく、話をしたり、そのままタイピングで英作文につなげたりすることもできるわけですね。しかもこれなら、読むボリュームも自分である程度調整できますね。
Kumiko:長い記事であれば、一つの記事を複数日に分けて読んでいく、とかでもいいと思います。決して無理をせず、自分のペースで進めることが大切です。
日本語のコラム含め、すべての文章が多読用の英語教材になる
けんすう:これでも挫折してしまう人っていると思うのですが、その場合、どうすればいいですか?
Kumiko:そういう方は、日本語の記事を英語化して読むと、かなり読みやすくなると思います。たとえばこちらのけんすうさんの記事の 2 章部分をコピーして Gemini に貼り付け、最後に以下のプロンプトを入力して実行してみます。
プロンプト例
次の文章を英語にして。難しい単語はやさしい英語にして。
Geminiからの回答

Kumiko:するとこんな感じで、私から見ても割と自然な英語にしてくれています。もちろん、もっと自然さを追求したい場合はプロンプトに「自然な英語で」を追記してもいいでしょう。このように、海外ニュースに抵抗があったり、日本のニュースが好きな方は、日本語のコンテンツを生成 AI を使って英語化することで、従来の翻訳機能にはない、自分に合わせたレベルの自然な文章で読むことができます。
けんすう:いいですね。すべての文章が多読用の英語教材になりますね。たとえばこのまま、「文法でわかりづらい部分を解説してください」とかもできるわけですね。
Kumiko:実際にやってみましょうか。
プロンプト例
書いてくれた英文を題材に、文法でわかりにくい箇所を 5 つ、日本語で解説して。
Geminiからの回答

Kumiko:こんな形で文法の解説もなされますね。
けんすう:こちら、Gemini であれば似たような分野の記事も探してきてくれそうですね。多読をするまでの道のりが実は長かったりするので、すぐに英文を目の前に出してくれるのがとてもありがたいですね。

Kumiko:ちなみに Android 端末であれば、電源ボタンを長押しすることで Gemini が起動し、そこから「Ask about this screen」をタップすることで、この画面に映し出されている記事に関する内容をそのまま質問することができます。

Kumiko:このように、ワンアクションを削減できるだけでも、すごく違ってくるとは思います。
けんすう:いやはや、英語学習で挫折を繰り返してきた人間でも、生成 AI を使えば 100 万語もなんとかいけそうです。今回もありがとうございました!
100 万語と聞くと途方もない時間がかかるイメージがあるかもしれませんが、今回教えていただいた Gemini 活用法を使えば、毎日ちょっとずつ、継続して進めることができそうですね!
本記事を読んでいただいた方にはぜひ実践していただき、あなたにとって最適な英語学習法を見つけていただければと思います。
なお、けんすうさんと Kumiko さんの対談は次回でラストになります! オリジナルの教材を作る方法や、これからの英語学習に向けてのマインドセットについて、お二人の考えを教えていただきます。
楽しみにしていただけるとうれしいです。
けんすうさん × Kumiko さん対談シリーズ
対談者プロフィール
Kumiko
カナダで語学学校を 10 年経営し、IELTS 対策をはじめ、TOEIC、英文法、ビジネス英語、翻訳、通訳、英会話などさまざまなコースで指導。オリジナル教材やカリキュラム作りも数多くこなし、延べ 50 人以上のネイティブ講師やバイリンガル講師へ指導法のトレーニングを行う。著書に『分野別×言い換え力 スピーキング攻略 IELTS 英単語』(明日香出版社)、『独学で英語を話せるようになった人がやっていること』(リチェンジ)がある。
けんすう(古川健介)
アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006 年株式会社リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009 年に株式会社ロケットスタート(のちの株式会社 nanapi)を創業。2014 年に KDDI グループにジョインし、Supership 株式会社取締役に就任。2018 年から現職。会員制ビジネスメディア「アル開発室」において、ほぼ毎日記事を投稿中。
