P29:「楽しくないならやめなさい」は、わたしへの言葉だった。
ゲームをしながら、
とても不機嫌な子どもに、つい言ってしまった。
「楽しくないなら、やめなさい。」
そう言った瞬間、
部屋の空気がすっと静まった。
子どもに向けた言葉のはずなのに、
じわじわと自分の胸にも響いた。
1|イライラと一緒にゲームを続ける子ども
子どもが、ゲームで負けたり不利になると
「なんでだよ!!」「もうマジ最悪!!」と
不機嫌な声を上げていた。
悔しそうに叫び、
スマホやコントローラーを握りしめ、
イライラとその場で地団駄を踏む。
…でも、やめる気配はない。
あまりにイライラしている様子に、
こちらまでイライラして、思わず言ってしまった。
「楽しくないなら、やめな!」
その瞬間、部屋の空気が止まった。
2|「やめたくないけど、腹が立つの!」その言葉にハッとする
「やめたくないけど、腹が立つの!」
むすっとした顔で返ってきた言葉に、
わたしはハッとした。
…わかる
…わかる、それ、わたしもよくやってるわ…。
趣味でも仕事でも、「やらなきゃ」で埋めて、
本当は疲れているのに、
イライラしながら手を止められない。
楽しくなくても、腹が立っても、
やめられないことがある。
わたしも同じだった。
3|「やめる」は放棄じゃなく、リセット
子どもに言った「やめなさい」は、
自分にも必要な言葉だったのかもしれない。
「やめる」って、放棄じゃない。
一度離れることで、
「好き」の感覚を取り戻すこともある。
ちゃんと休むことも、
立ち止まることも、
楽しむ力をリセットする時間なのだと思う。
4|もう一歩先へ ― 楽しむ力を育てる視点
でも本当は、そこからもう一歩、
「どうしたらまた楽しくなるか」を考える力も、
育てていけたらいい。
ただやめるだけじゃなくて、
なぜ楽しくなくなったのか、
何が足りなかったのかを見つめられるように。
たとえば、
うまくいかないときは、
練習が足りないのかもしれない。
疲れて集中できないなら、
休む時間が足りないのかもしれない…
原因を見つけて、整えて、もう一度挑戦できたら、
それはもう「やめる」じゃなくて「立て直し」なんだと思う。
5|ブーメランの言葉と、わたしへのメッセージ
本当は伝えたかったのは、
「その言葉を聞いた人が
不快になるような言葉は、やめなさい」だった。
なのに、つい口から出たのは、
「楽しくないならやめなさい」。
子どもへの言葉でありながら、
いわゆる、特大ブーメランで返ってきた。
わたし自身へのメッセージだと思おう。
きっとまた、あの言葉を口にするときが来るだろう。
そのたびに思い出したい。
楽しむことを、ちゃんと大事にできているかどうか。
やめるも、続けるも、どちらも人生のリズム。
今日もまた、
わたしは「楽しむ力」を、少しずつ取り戻していく。
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