【組織のAI活用#175】「ユニコーン人材」を待つより「今のメンバー」で動く。AI推進を半年遅らせないための組織戦略
こんにちは!寺田です。
現在は、デジタル関連会社のAI推進者などのAI活用者のコミュニティである「AI Digital Community (ADC)」の代表理事や、顧客事業の「×AI化」をサポートするFURIKAKE Partners(株)と組織のAI活用を支援するプロダクトを提供するAI Portalize(株)の代表取締役を務めており、様々な側面から組織のAI活用をサポートしています!
ここ最近、AI導入を検討している企業の方とお話しする機会が非常に増えています。 ただ、その中で「理想の人材が見つからないからプロジェクトが進まない」という声を耳にすることが、めちゃくちゃ多い印象です。
もちろん、優秀な人材が必要なのは分かります。 ただ、実在しない「完璧な誰か」を探している間に、市場の状況は刻一刻と変化しているという事実があります。
ということで、今回は「採用できないユニコーン人材」を待ち続けるリスクと、組織が持つべき覚悟について書いていこうと思います。
AI人材市場の「不都合な真実」を直視する
AIに精通していて、事業開発もできて、さらに業界の商慣習にも詳しい。 こうした要件をすべて満たす人材は、市場にはほとんど存在しないと考えます。
経済産業省の試算によれば、2040年にはAI関連の人材が数百万人の規模で不足するという状況です。 つまり、どの企業も喉から手が出るほど欲しがっている人材を、外から連れてくるのは至難の業だと言えます。
一言でいうと、最初から「詰んでいる」戦略に固執している組織が多すぎるという印象です。 いたとしても、そうした人材はすでに別の企業で、破格の条件で働いているのが現実ではないかなと思っています。
すごい人を一人採れば、あとはその人がなんとかしてくれる、という甘い期待があるのではないでしょうか。
半年の停滞がもたらす「取り返しのつかないコスト」
AIの領域において、半年の遅れは致命的な差となって現れます。 技術の進化速度は凄まじく、数ヶ月前に最先端だったツールが、今日には標準的なものに変わっているという状況です。
「いい人が来ない」とポジションを空席にしている間に、競合は不完全ながらも導入を進めています。 実際にツールを使い、失敗し、そこから得たノウハウを蓄積しているというわけです。
先行者利益を失うだけでなく、社内の「学習の機会」を丸ごとドブに捨てていることに他なりません。 逆に言うと、半年あれば、今のメンバーでも相当なレベルまでリテラシーを引き上げることが可能だと思っています。
「不完全な一歩」が組織の未来を切り拓く
「ユニコーン人材」を探すというのを続けるのはもちろん進めてもいいかともいますが、完璧な体制が整うのを待つよりも、今いるメンバーで「小さく、速く」動き出すことに力を入れた方が、リスクは圧倒的に低いと考えます。
社内でAIに興味がある人、きっといるはずです。
不完全であっても、今日から動く。 その積み重ねが、半年後に「あの時始めてよかった」と思える大きな差に繋がるのではないかなと思っています。
まずは社内の「空席のポジション」を見直し、今いるメンバーで何ができるかを話し合うことから始めてみてください。
読んでいただきありがとうございました!
過去のAI関連記事はこちらです!
ちなみに、組織におけるAIの推進についてまとめた本も出版させていただいております。もしよければご覧ください。
<自己紹介>
直近までは、電通グループに属する約1400人・20社以上の事業会社群で構成されるCARTA HOLDINGSにて、全社横断のAI推進室で組織全体のAI活用推進を担いつつ、法人向けの「生成AI&デジマ人材」研修サービスであるD-Marketing Academyの代表取締役も兼務し、大手企業からスタートアップまで、数百社にわたるAI人材育成を支援してきました。
現在は、デジタル関連会社のAI推進や担当コミュニティである「AI Digital Community (ADC)」の代表理事や、顧客事業の「×AI化」をサポートするFURIKAKE Partners(株)と組織のAI活用を支援するプロダクトを提供するAI Portalize(株)の代表取締役を務めており、様々な側面から組織のAI活用をサポートしています!
<略歴>
2005年 5月 大学在学時にEC事業を開始
2007年 5月 (株)サイバーエージェントに入社し新規事業の立ち上げに携わる
2011年 10月 (株)VOYAGE GROUPにてKDDIとの協業事業を行う(株)Flesselを設立し代表取締役に就任
2015年 11月 ECコンサルティング事業を行う(株)JSコンサルティングの代表取締役へ就任
2018年 4月 東証一部プライム企業Hamee(株)にJSコンサルティングをM&Aし、代表取締役を継続
2019年 5月 Hamee(株)の執行役員に就任し、Hameeグループの新規事業領域を管轄
2021年 2月 D2C支援を行うTHE CHOSEN ONE(株)の顧問に就任
2021年 3月 アパレルD2C事業を行う(株)NAAFYの取締役に就任
2021年 4月 D-Marketing Academy(株)を設立し代表取締役に就任
2023年 1月 (株)CARTA HOLDINGSにD-Marketing AcademyをM&Aし、代表取締役を継続
2025年 3月 CARTA HOLDINGSグループ全体のAI活用促進を行うAI推進室を兼務開始
2026年 1月 生成AIに関しての顧問を行うFURIKAKE Partners(株)を設立し、代表取締役に就任
2026年 1月 組織の生成AIプラットフォームサービスAI Portalize(株)を設立し、代表取締役に就任
2026年 1月 デジタル関連のAI活用企業コミュニティ「AI Digital Community(ADC)」を設立し代表理事に就任
