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【その3】 レコード・コレクターズのジャズ/フュージョン・ギター名演に、物申す。 「あの名演を忘れるな!!」という喝シリーズの続続編。

【その3】続続編です。

音楽雑誌「レコードコレクターズ2025年7月号」での特集「ジャズ/フュージョン・ギターの名演 洋楽編」に、「なぜあの名演が入ってないの?」「あの名演を忘れちゃダメでしょ」という強い想いから、前回に引き続き、ジャズ/フュージョン・ギター史において、絶対に入れるべき名演、絶対に聴くべき名演を、追加でアップしていきたいと思います。


...ということで、まだまだあります!!

「ジャズ/フュージョン・ギターの名演 洋楽編」に、

レココレさんが選ばなかった?、見落とした??

「絶対に入れるべき名演」、「絶対に聴くべき名演」を

追加で10選です!






その11


ウェスモンゴメリーを聴け!!

Wes Montgomery / Road Song

Road Song

数々のカバーも残された、ウェスモンゴメリーの名演中の名演。1968年発表のCTI三部作の一枚から。ウェスの真骨頂であるオクターブ奏法がこの曲やアルバムの重要ポイントなのは勿論だが、もう一つ特筆すべき点は、それ以降のジャズ作品の特徴にもなる豪華な裏方ミュージシャンの起用なども相まって、幅広いリスナーを獲得しセールス的にも大きな成功を収め、その後のクロスオーバー/フュージョン路線を確立し、ジャズをポピュラー化したことだ。その草分けこそが、このウェスモンゴメリーのCTI三部作であり、これがジャズ史の一つの転換期になった。つまり、モダンジャズの呪縛からの解放に繋がったのだ。暗く長いトンネルから、やっと抜け出し一筋の光が差しこんだような、そんな希望に満ちた名演である。







その12


これがマイルスの元ネタだ!

The Tony Williams Lifetime / Emergency!

Emergency

60年代後半にジミヘンとジャズギタリストたちがセッションをしたことによってジャズの世界に革命が起こった。その最初期の重要作品がこのアルバムである。これによって、ジャズが(マイルスが)大きく変化したのだ。あのフュージョンの原型とされるマイルスの名作「Bitches Brew」を生み出したのは、紛れもなく、本作が元ネタなのだ。※その真意は「その1」にて時系列で説明してますので、そちらも合わせてご覧ください。
元マイルスバンドのドラマー、トニーウィリアムスのリーダーアルバム1969年発表作品から。ジョンマクラフリン(g)、ラリーヤング(org)によるトリオ編成で、まさに世界をひっくり返したような衝撃的名演だ。







その13


歴史上、最も多くの名演を残したギタリスト

Pat Metheny / Trio 99→00

Travels

以前、『ギター好きが選ぶ「後世に残したい史上最高のギター名盤」ランキング』のときにも書きましたが、パットメセニーは全アーティスト中、最も多くタイトル投票数が多かったギタリストなので、ある意味、歴史的名盤を一番たくさん残しているギタリストとも言えるし、言い換えれば、名演を最も多く残してるギタリスト、とも言えるかもしれない。見栄えを無視してジャズギター名演を100曲選べと言われれば、そのうちメセニーの名演は30曲くらい入るかもしれない。そのくらい名演や名盤の宝庫なのだ。
2000年発表のギタートリオ編成でのアルバム「Trio 99→00」から。メセニーといえば、オーソドックスな4ビートから、ソロギター、デュオ、グループ編成、大編成、クラシックやアヴァンギャルドまで、様々なスタイルや編成の作品を残してきてるので、当然あらゆる分野において様々な名演がある。その中でも「Travels」は、何度か再録音も繰り返してきたメセニーのバラード最高峰と呼ぶに相応しい名演だ。







その14


これ人類最強かも?

Vital Information / Ray Of Hope

Over And Out!

代名詞ともいえるスウィープピッキングの元祖的存在の超絶ギタリスト、フランクギャンバレ。彼は、元GITの講師で、教え子にはポールギルバートやスコットヘンダーソンがいる。
今回、選んだのはビルエヴァンスが参加したスティーブスミス率いるユニット、Vital Informationによる「Over And Out!」のライブヴァージョン。この曲は何度か再録音されてるが、やはりYoutubeに上がってる演奏が強烈。このライブ音源は恐らくフィジカル化されていないので、ほぼ同時期の「Over And Out!」が収録されたアルバム「Ray Of Hope」1992年作を載せておきます。







その15


ハーモニー面において、ギターという楽器を、もうワンランク上へ押し上げた最大の功労者

Sonny Rollins / The Bridge

Without a Song

かつてジャンゴラインハルトやチャーリークリスチャンが、ギターをソロ楽器としてワンランク押し上げたように、ジムホールは、ある意味、伴奏楽器としてのギターの立ち位置を変えた、革命的ギタリストだった。アートファーマーの1964年作「To Sweden With Love」、ポールデズモンドの1965年作「Bossa Antigua」、そして本作のソニーロリンズの1962年作「Bridge」は、ジムホールのギターバッキング三部作と呼びたい。いずれもピアノレスなので、ギターバッキングやハーモニーを勉強したい人には絶対おすすめの三部作だ。
どうしてもジャズといえば、単音ソロのアドリブフレーズばかりを追いかける傾向にあるが、実は、少し角度を変えて聴くことにより、ハーモニー面から見たジャズという側面も、ジャズの醍醐味であることを改めて知っていただきたい。







その16


次から次へと溢れ出す名フレーズの宝庫

The Barney Kessel Quartet / Workin' Out

Summertime

バーニーケッセルといえば、ピッキングがおぼつかない?なんて言われることもあるが、いやいやいや「重要なのはテクニックではない」と教えてくれてるような、そんなチッポケなこともぶっ飛んでしまうほど、とにかくスイングしまくるし、次から次へと溢れ出すアイディア、豊富な名フレーズの宝庫だ。とにかく、この人のノリの良さやフィーリングを聴いてほしい。
名門「Contemporary」に残した1961年作品から。お馴染みスタンダード「Summertime」は、バーニーケッセルが過去に何度も再録音を繰り返してきた”お箱”の一つなので、いろんなヴァージョンと聴き比べるのも良い。







その17


魂で弾くギタリスト。元祖ジャズロックの雄

Larry Coryell / Bolero

Bolero

元祖ジャズロックの雄、ラリーコリエル。ひとえにフュージョンと言っても、単にジャズにロックやソウルの要素を融合しただけではなく、様々なスタイルが無数にある。お馴染みラヴェルのクラシック名曲「ボレロ」をカバーした2012年のライブ映像から。まさにジャズとクラシックを融合した唯一無二のギター名演。これは単なるクラシックのカバーではなく、これぞギタリスト、ラリーコリエルらしい、彼にしか出来ない魂の宿ったジャズギター名演。この挑戦心に満ちた姿勢こそが、まさにフュージョンギターの真骨頂なのだ。ライブ音源の方は、フィジカル化されていないので、ジャケット画像は、同曲収録のアルバム1981年「Bolero」を。








その18


道なき道を切り拓くことの重要性

Stanley Jordan / Magic Touch

Eleanor Rigby

両手タッピング奏法で、一躍ブルーノートの看板ギタリストとなったスタンリージョーダン。記念すべきデビュー作となる1985年の世界的大ヒットアルバムから、ビートルズの名曲カバー「Eleanor Rigby」。
どうしても色物扱いされがちなギタリストだが、たまたま彼がこういうスタイルというだけであって、まずは彼の歌心ある音楽性を評価してもらいたい。そして何より、誰もやってないことを切り拓くことの難しさ、大変さ、偉大さを評価しても良いのではないだろうか。ある意味、ギターをやったことある人にとっては"聴いて驚くギタリスト"、ギターをやったことない人にとっては"見て驚くギタリスト"、とも言えるだろうか。








その19


ジャズに自国のアイデンティティを融合することこそ、ジャズミュージシャンの一つの使命である

Ernest Ranglin / Below The Bassline

Surfin'

ジャマイカを代表するジャズギタリストであり、レゲエギターの先駆者、ジャマイカの国宝とも呼ばれるアーネストラングリン。「Island Jamaica Jazz」レーベルに残した1996年作品から、代表曲「Surfin'」。ラングリン特有の跳ねるようなリズム感、身体能力の高ささえも伝わる豪快かつユニークでトリッキーなギターテクニック。同郷の盟友ジャズピアニストのモンティアレキサンダーがピアノ兼プロデュースを担当。
ある意味、フュージョンの先駆けとも言える、ジャズと自国のアイデンティティであるレゲエの融合を、すでに1960年代前半から試みていた事実、しかもイギリスという国で発信していたこと。メディアも評論家も取り上げてこなかった、この事実はジャズの歴史において、もっと評価されて然るべきだろう。








その20


本当の意味で「現代ジャズギター」とは、このこと

Matteo Mancuso / The Journey

Silkroad

2016年頃に、突如Youtubeで、ベーシストのようなツーフィンガーでエレキを速弾きするという、これまでの常識では考えられない目を疑う動画が出回り、あっという間にギターマニアの間で一躍時の人となった若きイタリア出身のギタリスト、マッテオマンクーソ(Matteo Mancuso)。記念すべき1stソロデビューアルバム2023年作品から。
なぜかジャズギターの世界には、昔から御法度とされてきた暗黙のルールがあった。本当にバカバカしい、そんな間違ったくだらないルールは今すぐ捨てほしい。まるで昭和の時代「部活中に水を飲んだらダメ」みたいな、間違った常識に似てますよね?
それまで培ったロックギタースタイルを決して封印する必要はないのだ。全ジャズギタリストは彼を見習ってほしい。現代ギターの特徴であるアーミングやタッピング、もちろん歪系エフェクトも多用。これで良いのだ。リズムもサウンドも何でもあり。自分の才能を小さくまとめる必要はないのだ。現代ならではのテクニックを駆使してこそ、本当の意味で「現代ジャズギター」と言えるのだから。しかも時代を反映したダイナミズム、かつ自国のアイデンティティもしっかりと消化した音作りも圧巻。







いかがでしたでしょうか。

レココレさんが、選ばなかった?、見落とした?「絶対に入れるべき名演」、「絶対に聴くべき名演」20選でした。

どうしてもレココレを読んでいて「これを選ぶくらいなら、絶対こっちの方が名演だろう」というのがあって、挙げるとキリがないですね。あと100曲くらいは追加で選ぼうと思えば選べますが(笑)

また、機会があれば追加でアップするか、または別の企画にするか、検討したいと思います。

ご覧いただき、ありがとうございました!!


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