描く前に、書く前に、頭を整理するための自作アプリ
仕事終わり、
帰宅して仕事以外のことを考えたい夜。
週末の明るい時間、コーヒーを飲みながら。
そんなとき、
ふと何かを作りたくなる気持ちが湧いてきます。
大きな作品じゃなくても、ちょっとしたものでもいい。
でも、ノートを開いても手が止まることがあります。
ペンは持っているのに、線が引けない。
やりたいことはある。
でも輪郭がない。
線を引く前に、文章を書く前に、
考えがまだ曖昧なまま漂っている時間があります。
今回紹介する2つのアプリは、完成品を作るためのものではありません。
その「まだ固まっていない時間」を置いておくための道具です。
Perse | 空間を描く前に
旅行先で撮った写真を見返しながら、スケッチを描くことがあります。
でも写真は平面で、奥行きの感覚がうまくつかめない。
なんとなく描いてみると、どこか歪んで見える。
うまくいかない。

どうすればいいのか分からず、遠近法の本を開きました。
消失点やアイレベルの説明を読んでいると、感覚じゃなくてルールなんだと分かります。
センスの問題じゃないと知って、少しほっとしました。
理屈なら、プログラムで再現できるかもしれない。
そう思って作ったのが「Perse」です。

機能はシンプルです。擬似3D空間に立方体を置き、視点を動かして眺めるだけ。
真っ白な紙に向かってただ線を引くよりも、頭の中の「なんとなく」を一段階だけ具体的にしてくれます。
正解を出すためというより、
自分のイメージがどれくらいズレているのかを見るための道具です。

LoreWeaver | 関係性を眺める
「LoreWeaver」は、人物や場所、出来事の関係性を、点と線で整理するアプリです。
たとえば「桃太郎」の相関図を作るとします。
分かっているつもりの関係も、並べてみると空白が見えてきます。

桃太郎と鬼の関係性って何だっけ?
こだわったのは、ノードの動きです。
ひとつを指で動かすと、繋がっているものが少しだけ引っ張られる。
指を離すと、全体が「ぷるん」と揺れて止まります。
それを眺めている時間が、なんとなく好きです。
特に意味はないし、答えが出るわけでもない。
でも、頭の中で絡まっていたものが、少しだけほどける気がする。
ここでは、きれいに整理しきらなくていいと思っています。
むしろ、整理できないまま置いておくことも大事です。
あとから物語が自然に浮かび上がるのを待っています。

「途中」を扱うために
紹介した二つは完成品を生み出すアプリではありません。どちらも、作業の途中に立ち止まるための場所です。
描く前に、少しだけ確かめる。
書く前に、関係を並べてみる。
それだけで、本番の作業が少し静かになります。
完成度を上げるためというより、迷子にならずに済むためのアプリ。
派手さはありませんが、こういうのも必要だと思っています。
これは、誰かに見せるためでも、リリースするためでもなく、ただ自分のために作った、私のiPhoneの中だけにある秘密のアプリたちの記録です。
ただ気持ち良さを磨きたい時はこちら▼
音の宇宙を漂いたい時はこちら▼
